ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ハラハラ刑事/危険な二人の犯罪捜査』2004

2024-07-04 21:40:46 | 刑事ドラマ2000年~

高橋克典さんは2011年冬シーズンに『悪党/重犯罪捜査班』という刑事物の連ドラで主演されてますから、今回の趣旨(連ドラで刑事役を演ってない俳優さんの2時間ドラマ)とはズレちゃいますが、私のフェイバリット・ポリスアクションムービーの日本版とも言える内容なので載せときます。

2004年の秋にテレビ朝日系列「土曜ワイド劇場」枠にて放映された2時間ドラマで、翌年には続編も放映されてます。

一匹狼で問題行動を繰り返し、本庁捜査一課から所轄の築地北署に左遷された暴力刑事=原島(高橋克典)が、家庭第一の人情派に見えて実は暴力刑事の大河原(大杉 漣)とコンビを組み、二人で暴力の限りを尽くしますw

……とまでは行かないけど、2000年代にしてはなかなか荒っぽい捜査をしてくれます。(高橋さんと大杉さんは後の『広域警察』シリーズでもガッツリ組まれてました)



原島は警察官だった父親をただ「警察が嫌いだから」という理由で殺された幼少期のトラウマから、特に警官を狙った犯罪者には容赦しないという設定。

で、誰にも心を開かないアウトローを気取ってた原島が、大河原の自宅に無理やり招待され、年頃の娘たちにキャーキャー言われてキャラが崩れていく展開に至り、これは明らかに日本版『リーサル・ウェポン』を狙ってることが判って来ます。

もちろん、大河原を恨む容疑者が長女(遠山景織子)を拉致し、原島に殺されかける展開にもなります。(本家『リーサル・ウェポン』なら瞬殺ですが、さすがに日本の刑事さんは殺しません)



『ハラハラ刑事』っていうのは「原島」と「大河原」の「原×原」コンビって事なんだけど、もちろん『危険な二人の犯罪捜査』ですから(犯人に殺されるかじゃなくて犯人を殺してしまわないか)ハラハラさせるって意味も兼ねてるんでしょう。

それは非常に私好みの設定なんだけど、その割に後半は凡庸な謎解きストーリーに落ち着いてしまい、銃撃戦はおろか本格的な格闘シーンも無いのはすこぶる残念でした。何のために『リーサル・ウェポン』要素を取り入れたの?って話です。

高橋克典さんのバイオレンス刑事ぶりはもちろん格好良いんだけど、むしろ一見温厚な大杉漣さんが暴力刑事に豹変する姿にこそ私は惹かれました。それをもっとストーリーに活かして欲しかった! 色々と惜しくて勿体ないです。

刑事課長役に田山涼成、署長役に神保悟志、婦人警官役に周防玲子、高樹マリア、幼少期の原島に染谷将太、そして事件関係者に根岸季衣、不破万作etc…といったキャスト陣でした。



セクシーショットは遠山景織子さんと高樹マリアさんです。


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『犯罪交渉人ゆり子』2001

2024-07-03 20:50:43 | 刑事ドラマ2000年~

2001年にテレビ東京&BSジャパンの水曜夜9時「水曜ミステリー9」枠で放映された2時間ドラマ。2004年までに全3作、そして2013年にも新作が創られたシリーズの第1弾です。

科学捜査研究所に所属するベテラン人質交渉人の野々村百合子(市原悦子)が、最後に病院の立て籠り事件を解決させて引退するんだけど、その半年後、再び現場に引き戻されることになります。

病院の事件で現場指揮にあたっていた内舘警視正(柴 俊夫)の幼い息子が誘拐され、犯人=矢野(尾美としのり)が交渉役に百合子を指名して来たのでした。

計画的犯罪のように見えて矢野の要求は行き当たりばったり。彼の狙いはいったい何なのか?



実は半年前の立て籠り事件で交渉が長引いた為に、他の病院へ移送された妊婦が流産し、それをきっかけに離婚していたことが判明。矢野はその別れた夫なのでした。

流産した妊婦がいることも知らず、内舘警視正は無事に出産した他の母親にお祝いを届けるというパフォーマンスをマスコミに報道させ、百合子もインタビューに応じた。それをテレビで観た矢野は、何もかも失って自暴自棄になり、復讐を決行したワケです。



果たして百合子は、もう失うものが何もない矢野を説得し、彼の魂を救済することが出来るのか? そして交渉人を全く信用しない警視正に妨害されながら、如何にして子供を救出するのか? これは見応えがありました。

同じ市原悦子さん主演の刑事物でもコメディータッチだった『おばさんデカ』シリーズとは対照的に、作風はシリアスで主人公=百合子のキャラクターもクールかつ孤高。



実は彼女自身も「自殺」という悲劇で伴侶を失っており、その深い闇があればこそ矢野と共鳴し、心を開かせていくんだけど、結末は決して甘くありません。

これを例えば天海祐希さんや米倉涼子さんみたいに、如何にも強そうに見える美人女優が演じたら、たぶん面白くないんですよね。

一見フツーのオバサンにしか見えない市原悦子さんだからこそハラハラするし、うまくいかない結末にもリアリティーを感じる。そこが市原さんの強みなんだと私は納得しました。



ほか、科捜研で百合子の後釜となる交渉人に斎藤陽子、臨床心理学者に大島さと子、捜査一課刑事に塩見三省、百合子の義弟に火野正平と、豪華キャストです。(シリーズ2作目にはまだ10代の高橋一生さん、4作目には帰国した長谷直美さんも出ておられます)



セクシーショットはこの前年に放映された『Gメン’75』復活スペシャルで新Gメンを演じられた、斎藤陽子さん。今回、大島さと子さんとは元アナウンサーどうしの共演となりました。

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『刑事たちの夏』1999

2024-07-02 21:37:37 | 刑事ドラマ'90年代

1999年に日本テレビ系列で放映された、YTV制作、鶴橋康夫演出、吉田剛脚本、久間十義原作による2時間スペシャルドラマ。鶴橋監督による新作映画『のみとり侍』のPR特集企画として、CATV「日本映画専門チャンネル」にて先日(※2018年5月)放映されました。

ホテルの上層階から大蔵省の官僚が転落死し、捜査本部は早々に自殺として処理しようとするんだけど、本庁捜査一課の松浦刑事(役所広司)はひょんな事から、それが他殺であるのを示唆する状況証拠を掴んでしまう。

持ち前の正義感から、ひとり他殺の線で捜査を続ける松浦に、上層部から容赦ない圧力と妨害がかかり、どうやら官邸を揺るがす汚職事件が背景にあることが判って来ます。



離婚協議中の妻との幼い息子が命を狙われ、捜査に協力してくれた恋人=ヒロコ(山本未來)も殺された上、その容疑を自分に掛けられても尚、スッポンのごとく真相に食らいついていく松浦。



最終的に事件が闇に葬られようとした時、松浦は旧知の敏腕検事・古沢(大竹しのぶ)に全てを託し、あえて自らが殺されることで事件を再捜査へと導くのでした。

「今、私はあなたです。」

そう言って裁判所へと向かう古沢検事に、死んだ松浦とヒロコがしっかりと付き添って歩くラストシーンは涙なしじゃ観られません。

熱い! めちゃくちゃ熱い! 素晴らしい! 昭和の遺物みたいなチョー熱血刑事を、役所広司さんが全身全霊で演じておられます。



自らも盗聴、おとり捜査、週刊誌への情報リーク等、目には目をのダーティー捜査で巨悪と渡り合う、その捨て身っぷりがたまらなく魅力的です。

そんな主人公に魅了され、危険を承知で捜査に協力する二人の女を、山本未來さんと大竹しのぶさんがこれまた魅力的に演じておられます。



ほか、古尾谷雅人、塩見三省、田山涼成、黒田福美、新山千春、芦川よしみ、阿藤 快、本田博太郎、そして真田広之と、大作映画でもなかなか揃わない豪華キャスト陣。



徹底的に無駄を削ぎ落とした脚本、演出、編集も見事で、一瞬のダレ場もなく約90分を見せ切ってくれます。照明や構図にこだわった映像美も素晴らしく、画像をご覧の通りテレビの2時間ドラマとは思えない仕上がり。

1999年度日本民間放送連盟賞最優秀賞、第37回ギャラクシー賞大賞などの受賞も納得の名作ドラマだと思います。



セクシーショットは死んだ官僚の娘=奈津子を演じられた、新山千春さん。本作出演時は18歳でした。

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『北の捜査線/小樽港署』2002

2024-07-01 20:20:23 | 刑事ドラマ2000年~

こないだCATVで奥田瑛二さんの刑事ドラマを観ました。元は2002年にテレビ東京&BSジャパンで放映された高橋伴明監督による2時間ドラマで、原作は歌野晶午さんのサスペンス小説『ガラス張りの誘拐』。

奥田瑛二さんの刑事役って珍しいな、少なくとも連ドラじゃ演っておられない筈だからレビューしようかなって、思いながら観てたら途中で気づきました。これ、変態事務局の陰謀により閉鎖に追いやられた、旧ブログで(閉鎖寸前に)レビューしたヤツやん!

そこで思いつきました。今年の夏ドラマが始まるまでの繋ぎとして、奥田さんと同じく “連ドラで刑事役を演ってない俳優さん” の2時間ドラマレビューを、いくつか旧ブログから引っ張って来ようって。(連ドラの刑事物はカテゴリー“刑事ドラマHISTORY”でほぼ網羅してあります。)

まあ、はっきり言って手抜きですm(_ _)m 先週から頭痛を患いがちで、眼を休めたいっていう思惑もあります。

そもそもこれはテレビの刑事ドラマを語るブログ(だった筈)ですから、自然な流れと言えば自然な流れ。自分で忘れてた位だから古参の読者さんも憶えておられないだろうし、ちょっと懐かしい俳優さんの顔ぶれも楽しんで頂ければ幸いです。



かつて自分が逮捕した男に逆恨みで妻を殺され、おまけに同僚たちからその容疑をかけられた小樽港署の刑事=佐原(奥田瑛二)は、仕事に対する気力を失い、ボインぼよよ~ん!な一人娘=深雪(山田まりや)との関係も冷えきって、捜査の合間にスーパー銭湯で身体を温めることで何とか精神バランスを保つという、冴えない日々。

そんな折り、小樽で連続婦女暴行殺人事件が発生します。



愛する妻を殺されたトラウマが甦り、苦しみつつも捜査する佐原だけど、あろうことか父娘喧嘩の末に家を飛び出した深雪が行方不明に! 手配中の婦女暴行殺人犯に誘拐された可能性が濃くなり、佐原はうろたえます。

やがて1億円の身代金とテレビ中継を要求する電話が入り、無理してなんとか金を工面した佐原は、全国から注目を浴びつつ取引現場へと向かうのですが……



我々タベリスト(※多部未華子ファン)には「王様」「男爵」など横柄なキャラでお馴染みの奥田瑛二さんが、ここでは腰が低くて覇気のない、蛭子能収さんチックな刑事を演じておられるのがとても新鮮。そしてやっぱり上手い!

そんな奥田さんの上司にあたる主任刑事に倍賞美津子、エリート警視に石黒賢、同僚刑事に山口馬木也、義母に冨士眞奈美、婦女暴行事件の生存被害者に田中千絵、そして事件の鍵を握るスクールカウンセラーに杉田かおる等々、脇を固めるキャスト陣も豪華かつ実力派揃いで、さすがは高橋伴明作品、見応えあります。



誘拐事件の真犯人が父親によるDVの被害者で、佐原家の父娘関係を修復させるのが真の動機っていうのは「んなヤツはおらんやろ」なんだけど、まぁそれくらいの飛躍が無いとミステリーやサスペンスはなかなか成立しません。

で、深雪のために土下座する父の姿をテレビで観た深雪が心を打たれ、絆を取り戻す人情ドラマもベタと言えばベタだけど、そこに至るまでの父娘の苦しみが丁寧に描かれてるもんで、私は素直に泣けました。

やっぱり一流のスタッフ&キャストの手に掛かると、ありがちな2時間サスペンスも見応えある作品に仕上がる、これは良い手本になるんじゃないかと思います。

セクシーショットは山田まりやさん。1996年デビューのボインぼよよ~ん!なグラビアアイドルで、『ウルトラマンダイナ』のミドリカワ隊員役やNHK版『浪花少年探偵団』のしのぶ先生役など、女優としても幅広く活躍されてます。ぼいぃぃ~ん!

(追記/この記事を書いてから約6年、今も変わらずボインぼよよ〜ん!を連呼する私のブレない姿勢に惚れ惚れします)

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『鈴原りこ/天使なんかじゃない』

2024-06-30 11:22:35 | 写真集&イメージビデオ

昨年、プータローをこじらせてヒマだった時期に読んだ本が、文庫版『“宇宙戦艦ヤマト”をつくった男/西崎義展の狂気』なんだけど、これがメチャクチャ面白かったです。

『宇宙戦艦ヤマト』シリーズは松本零士さんの作品だと思ってる方が多いでしょうけど、松本さんはキャラクターとメカのデザイナーとして雇われ、メディアミックス宣伝の一環としてコミックを描かれたに過ぎず、実質的な作者はプロデューサーの西崎義展氏。

だから間違いなく凄い人なんだけど、残念なことに『ヤマト』シリーズは続編が創られるたび迷走の色を濃くし、その原因は我々素人の眼から見ても明らかに「西崎氏が作品を私物化してるから」でした。



ことに西崎氏が自ら監督を務めた劇場版『宇宙戦艦ヤマト 完結篇』と『同 復活篇』は本当にトホホな出来栄えで、商売のセンスと芸術のセンスは(当たり前だけど)相反するもんだってことを実に判りやすく証明してくれました。

ゆえに、西崎義展って人が一体どういう性格で、なぜ『宇宙戦艦ヤマト』というBIGタイトルをあそこまでオモチャに出来たのか、なぜ彼の暴走を誰も止められなかったのか、以前からすごく興味があったワケです。

ビジネスマンとしては本当に凄い人だけどクリエイターとしての才能は皆無。優秀なスタッフのお陰で『ヤマト』は一世を風靡したけど、それを全部自分ひとりの手柄にしちゃう傲慢さが転落を招き、挙げ句に覚醒剤所持で逮捕されるって顛末が角川春樹氏そっくりだなと思ってたら、実際この2人は互いに気の合う数少ない友達だったみたいです。

そりゃそうでしょう。よほど強欲な人でないとショウビジネスであれだけの成功は掴めないし、掴んだ後はもう“裸の王様”への道しかない。その孤独さを理解し合える相手が1人いただけでもラッキーかも知れない。



世間にはプロデューサー(製作)とディレクター(監督)の違いが判らない人も多いらしいけど、お金と人員を調達する代償として作品の所有権を得るのがプロデューサー、そして実際に現場で作品創りを指揮するのがディレクターの仕事。

だから前者はビジネスマン、後者はクリエイターで持つべき才能が正反対。オオタニサンみたいに二刀流で成功するには、それこそオオタニサン並みの才能とストイックさが必要でしょう。いかにもギャンブルが好きそうな西崎氏も角川氏もプロデュースのみに徹するべきでした。


西崎氏は2010年11月に海難事故で亡くなった(とされてる)けど、それが『ヤマト』の実写映画版とリブートアニメ版の企画が、西崎氏のエゴ(全部自分に監督させろと言い張って譲らなかった)のせいで暗礁に乗り上げつつあった時期なもんで、本当に事故死だったの?って思わずにいられません。なにせどえらいマネーが動くBIGビジネスですから。

それほど初期『ヤマト』大ヒットの栄光にしがみつき、周りの人々をないがしろにした挙げ句の転落人生。まったく同情しないワケじゃないけど、私自身も後期『ヤマト』の迷走ぶりにガッカリしたファンの1人ですから、“因果応報”の見本みたいな末路をちょっと面白がっても罰は当たらないかと思います。



今回もイメージビデオの内容とまったく関係ないこと書きましたが、『宇宙戦艦ヤマト』をつくった男は決して“天使なんかじゃない”って、強引にまとめられなくもありません。

鈴原りこさんは介護士を務めながらグラビアアイドルも兼任されてる元·地下アイドルで、趣味は散歩とライブ鑑賞、料理、そしてラーメン店巡りなんだそうです。

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