源氏物語と共に

源氏物語関連

お知らせ

2008-11-13 08:36:30 | その他
源氏千年紀委員会で見つけました。


女性フォーラム募集12/14(日)
http://www.2008genji.jp/iinkai/index.html#081111



神戸山手短期大学 諏訪山祭 村井利彦先生の講演
11/15(土)午後1時~
http://www.kobe-yamate.ac.jp/college/campuslife/suwayamasai.shtml



女郎花(追加)

2008-11-13 08:20:33 | 
京都府立植物園サイトで、
女郎花(おみなえし)は京都ゆかりの花の名前という記事を見つけました。


女郎花の画像もあります。
http://www.pref.kyoto.jp/plant/1199417249745.html


『オミナエシは秋の七草では唯一、黄色の花で、ススキなどとともに秋の風情を感じさせてくれる女性的なやさしい花です。名前の語源はいろいろな説がありますが、「オミナ」は「女(娘)」であり、美しい女性にたとえられます。源氏物語や枕草子にも登場するなど、古くから愛でられている美しい花です。


京都府八幡市の松花堂があるところは小字名を「女郎花(おみなえし)」といいます。平安時代に八幡の男山に住む小野頼風とその恋人の悲恋の物語に由来があり、恋のもつれから、山吹重ねの衣をぬぎすてた女が川に身を投げたあとに咲いた黄色い花がオミナエシでした。現在、女郎花塚が同地に残っています。』



紫苑(しおん)色に女郎花(おみなえし)の織物 (東屋)

2008-11-12 11:44:18 | 

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東屋では、匂宮が中の君の所にいた浮舟を見つけてしまい、
後ろから衣の裾をとらえ、「誰?名前が聞きたい」と問いかけます。


浮舟の乳母がそれに気づいて側に来て、何とか事なきを得たという場面があります。
匂宮・浮舟・乳母の3者の緊迫した場面です。


匂宮が中の君の所へやってくると、
あいにく中の君は洗髪中で、若君も昼寝中。しかたなくあたりをぶらぶらします。
すると目なれない童が見え、新しくきた女房かとふすま障子の間からのぞきます。



障子のあなたに、一尺ばかりひきさけて、屏風たてたり。
そのつまに、几帳、簾(す)に添えへて立てたり。

帷(かたびら)一重(ひとえ)をうちかけて、
紫苑色のはなやかなるに、女郎花の織物と見ゆる重なりて、袖口さしいでたり。
屏風の一枚たたまれたるより、心にもあらで見ゆるなめり。(東屋)




帷(かたびら)とは几帳の布のことのようです。
宇治や城南宮で見た通り、紫苑の花は薄い紫色。それに女郎花は黄色の花です。
吉岡幸雄氏は「日本の色辞典」で、「女郎花の織物」を
「装束抄」の用例より、経(たて)青、緯(よこ)黄とされています


トップ画像は「源氏物語の色辞典」と「日本の色辞典」より。
1000年前の本当の色はわかりませんが、こんな雰囲気なんでしょうか。


こちらは「源氏物語の色辞典」より、紫苑かさねと女郎花かさね。
きっと実物の色布の方が綺麗だと思います。
自然界の植物の色から着物に取り入れる
季節に合った王朝感覚美は素晴らしいですね☆



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最古級の写本「梅枝」

2008-11-11 10:07:01 | 日記
甲南女子大学で発見された最古級の写本「梅枝」を見てきました。
さすがにとても綺麗な図書館です。



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隣には同じく鎌倉時代の写本「紅葉賀」が展示。
どちらも同じ時代のものですが、
中期と後期の違いのせいか、冊子の大きさが違っていました。


たしか片桐洋一先生が
写本は大きさの寸法で時代が判明するといわれていましたので、
今回の発見本とのあきらかな寸法の違いに、興味深く思いました。


勝海舟の所蔵したしるしである「勝安芳」の蔵書印が押してありました。


この写本は為家(ためいえ)の筆(藤原定家の子)だそうです。
箱に入っていて、為家卿筆という「極札(きわめふだ)」もあります。
極札とは、古い書物を鑑定した鑑定書のようなものだそう。
今回も仰々しく和紙包みの表書きがありました。


昭和48年からこの大学に渡り、ずっと「河内本」の写本とされていましたが、
この度米田明美先生が文が青表紙や河内本にもない箇所があると気づかれ、
鑑定に出された結果、最古級の鎌倉中期の写本という事がわかったようです。


表紙や裏見返しに金が使用されていたことも
この時代の写本の素晴らしさを感じました。


貴重な写本をガラス越しに直に見ましたが、変体仮名が読めません~(笑)


ありがたくも、
現代に流布している注釈つき古文を側に置いてくださったので、
何とか想像力で読めそうでした。
句読点はないし、段落もわからないし、漢字もくずしてあるし、
読むのも非常に疲れます~
しかし、皆さん熱心に見ておられました~


紅葉賀の方は青表紙本系のようで、為家の子、為相(ためすけ)筆と。
この表紙の模様が陽明文庫に伝わるものと似ているそうです。


恥ずかしながら、定家の子供の事も知らなかったので勉強になりました。


他にも江戸時代の源氏物語版本や注釈書、
また復元された昔の本や絵巻、紫式部日記なども。


谷崎潤一郎の源氏物語初版本複製?もありました。
澪漂ではあの住吉大社の松のような絵に文章がありました。
その巻ごとの絵、風流ですね~


江戸時代の柳亭種彦「にせ紫源氏物語」の浮世絵が綺麗でした。


また後世に書かれたとされる源氏物語のその後「山路の露」の江戸時代版本や、
影響を受けたとされる室町末期の「こはたの時雨」なども。


「こはた・・」はじめて知ったこの物語。文章から京大や高松本の親本とか。


契沖の注釈書や湖月抄、玉の小櫛、奥入りなども面白かったです。


定家は本当に文章の横に小さな和紙をはり、もとの和歌などを載せています。
そして何度も本をめくったであろう手垢のあとも右下についています。
本居宣長の字もまた定家や為家と違っていて、面白かったです。


この大学のガラス本棚には他にも万葉集をはじめ、
様々な本がずらっと整理して並んでありました~


名誉教授である大槻修先生も古い本を手に入れるために、
古本屋と大学にかけあった話を
以前に何かの一般講座の折にちらっとされていたと思います。


米田先生の講演を今回聞きましたが、
何故か昼食後でちょうど眠くなり、うろ覚えでした^^;


関西で発見されたこの写本、
今後の研究に期待したいと思います。



源氏物語国際フォーラムⅡ

2008-11-10 14:07:58 | 日記

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最終日に何とか参加してきました。


プログラムをもらって、あれ、前日の方がミーハーの私向きだったと思いました(笑)
前日には、三田村雅子先生や山本淳子先生をはじめ、
吉岡幸雄先生の講演もあったようです。


今回は海外の研究者の発表が主でしたが、とても興味深いものでした。


以前にこちらで紹介しました「紫式部物語」を書かれた
ライザ・ダルビーさんのお話もとても面白かったです♪


特に印象的だったのは、お歯黒のお話。
まだ若若しいご自分の娘さんにやってみたそうです。


その結果、やはり黒髪とあの白塗りの顔には黄色の歯では美しくなく、汚い。
やはり黒い影のお歯黒の方が綺麗☆といわれたのにはびっくりしました(笑)


お嬢さんはお母さんのためにいい迷惑だったことでしょうね~
でも、私はすご~く納得しました。


それから海外の方は、やはり源氏物語の訳に苦労したというお話でした。
トルコ語で訳された方は女性の名前ひとつとってもどう伝えるか難しいと。
花の名前でも変な意味にとらえられる言葉があると。


トルコ人にはない平安時代役職をどうやって伝えるか、
また和歌の言葉(掛詞)の表現をどうするか、
その点に大変苦労したといわれたのが印象的でした。


英訳にしても、文章を1人称、2人称にするかそういう文法も含めた
訳の難しさと文章の比較もありました。


そして、中国では源氏物語のような恋愛小説が
式部の時代にまだ生まれていなかった事にも驚きました。


紫式部はいったい漢詩からどうやってこんな心理的にも優れた小説を
1000年前に作れたのでしょう。まさしく天才ですね。


海外でも、若い世代は源氏物語を知らなくても、
登場人物などがSF小説になっていて知るという発表もありました。


日本ではマンガなどもありますが、、
日本が誇れるこの源氏物語をちゃんと知らないままに終わるのが常なようです。


江戸時代には絵入りであらすじと人物を紹介した版本も出ていますが、
現代では、源氏物語=プレーイボーイのお話?で終わってしまうのが残念です。


でも、千年紀で色々な方が興味を持ってくださるのは嬉しいです。


個人的には秋山虔先生をはじめ、伊井春樹先生、川添房江先生と、
ご本でしか拝見できなかった諸先生のお顔を見られた事が嬉しかったです♪


お昼に出たお弁当。それにしても、頭が大変疲れました~(笑)(全部参加された方はすごい!)
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