井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

鬼の名をもつアメリカオニアザミ2

2016年08月16日 | 日記


アメリカオニアザミの果実。
果実は1個の種子を入れる痩果。
綿毛状になる。



アメリカオニアザミの痩果。
アザミの痩果にはタンポポと同じように萼が変化した冠毛がつく。
タンポポの場合は冠毛と種子をつなぐ果嘴(かし:くちばし)がつくが、アザミにはそれがない。
ノゲシ型と呼ばれる痩果も果嘴がつかないが、ノゲシ型の冠毛がストレートな剛毛状であるのに対して、アザミの冠毛は羽毛状になり「アザミ型」と呼ばれる。



アメリカオニアザミのロゼット葉。
アメリカオニアザミは2年草で実生はロゼット葉をつくる。ロゼット葉にも刺が多い。
翌年茎を立ち上げ、花時にはロゼット葉は消え、「一時ロゼット型」と呼ばれる。
アメリカオニアザミはスコットランドの国章にデザインされている。昔、外敵の夜襲のときアメリカオニアザミがこれを防ぐのに役立ったという伝説に由来するという。
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鬼の名をもつアメリカオニアザミ1

2016年08月15日 | 日記


アメリカオニアザミの群落。キク科アザミ属。
全体に刺が多く「鬼薊(おにあざみ)」の名をもつ。
アメリカの名がつけられているが原産地はヨーロッパで、日本へはアメリカ経由で入ってきたという。



アメリカオニアザミの花。
アザミの仲間はと筒状花だけの花。
頭花は径4cm程で、総苞は壷形で総苞片の先は鋭い刺になっている。総苞には腺体がなく粘らない。
要注意外来生物に指定されているが、花そのものは結構美しい。
在来種にも「鬼薊」の名をもつものがある。茎葉などに刺が目立つが総苞は刺状にならない。オニアザミは北海道には分布しない。



アメリカオニアザミの葉。
茎は直立して上部で枝分かれする。
中国で「翼薊」と呼ばれるように。茎には刺のある著しい翼(ひれ)がある。
茎葉は羽状に中裂し、葉縁だけでなく上面にも1mmほどの刺が密生する。葉の基部は茎を抱く。
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アザミ属ではないエゾノキツネアザミ

2016年08月14日 | 日記


エゾノキツネアザミ。キク科アレチアザミ属。
花は上向きに咲き、茎上部でよく枝分かれする。
根は横に這い、雌雄異株となる点がアザミ属と異なる。アザミとは違うということで「狐」の名がつく。
エゾノキツネアザミは在来種。



エゾノキツネアザミの頭花。
アザミ属と同じ筒状花ばかりの花。上向きに咲く。
総苞は上部が細くなる筒形。この株は雄株、雄株の方が総苞は細長となる。
総苞片は裂開しない。



エゾノキツネアザミの葉。
エゾノキツネアザミの葉は細長く(長楕円状披針形)、刺状の縁毛はつくがセイヨウトゲアザミのように切れ込むことはない。
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エゾノキツネアザミに良く似たセイヨウトゲアザミ

2016年08月13日 | 日記


セイヨウトゲアザミ。キク科アザミ属。
上向きに咲くアザミで茎上部で良く枝分かれする。在来種のエゾノキツネアザミによく似るが、セイヨウトゲアザミはヨーロッパ原産の帰化種。



セイヨウトゲアザミの頭花。
アザミの仲間は筒状花ばかりの花。総苞は上部が細くなる筒形で総苞片は開出しない。9列。
アザミ属の花は両性花で、雄性先熟。
見た目ではエゾノキツネアザミと区別しにくいが、エゾノキツネアザミは単性花で雌雄異株。



セイヨウトゲアザミの葉。
全体の草姿や花の様子ではエゾノキツネアザミと見分けにくいが、葉の形を見れば一目瞭然。
エゾノキツネアザミの葉は細長く(楕円状披針形)切れ込まないが、セイヨウトゲアザミの葉は羽状に浅~中裂し、鋭い刺がある。
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