井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

様似エンルム岬の春

2012年05月21日 | 日記
エンルム岬は様似漁港を包み込むように外洋に突き出した岬。魅力的な植相で知られているが、その魅力はむしろ秋のものかも。



エゾイヌナズナ。アブラナ科イヌナズナ属。
植物名に「イヌ」がつくものは多く、その多くは「似て非なるもの」の意で用いられるという。
イヌナズナは1・2年草で株状にならないが、エゾイヌナズナは多年草で海岸の岩場などで株状になる。
イヌナズナは黄花で、エゾイヌナズナは白花。「シロバナイヌナズナ」の別名がある。



イワヨモギ。キク科ヨモギ属。
ヨモギ属の仲間は比較的新しく進化したもので、変異に富み種の判別も難しい方だという。
ヨモギ属の多くは多年草だが、イワヨモギは半低木で茎は叢生する。
ヨモギ・オオヨモギなどの葉は1回羽状の中~深裂だが、イワヨモギは2回羽状全裂。葉裏に腺点があって異臭がする。



アオノイワレンゲ。ベンケイソウ科イワレンゲ属。
多肉葉の多年草で、開花結実の後枯れ死するから「1稔性植物」と呼ばれる。「1回繁殖型多年草」と同義である。根出葉は何枚も重なりながら放射状にロゼットをつくる。良く似ていて、葉腋から走出枝を出して幼苗をつくる近縁種に「コモチイワレンゲ」がある。アオノイワレンゲも多くの株が叢生するから、両者を見分けるのは中々難しい。
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