オオヤマフスマ。ナデシコ科オオヤマフスマ属。
山地の林縁~草原に生える多年草。根茎を伸ばして群落をつくる。
オオヤマフスマは「大山衾」と書く。衾は夜具の意味だが、牧野富太郎博士は「オオヤマフスマの語源は不明」」としている。
オオヤマサギソウ、オオヤマオダマキには「ヤマサギソウ」「ヤマオダマキ」という種があって、それらの大型のものという意味の命名。オオヤマフスマには「ヤマフスマ」という種はなく、「オオヤマ」が何を意味するか不明である。
オオヤマフスマの葉。
葉は広楕円形~倒被針形で無柄。
オオヤマフスマの花。
花弁と萼片はともに5個、萼片は花弁よりずっと短い。花弁は白色で全縁(切れ込みなし)、花柱は3個で雄しべは10個。ナデシコ科の多くは花弁の先が裂け、全縁であることは見分けやすい特徴となる。
ノミノツヅリ属も花弁は全縁で、オオヤマフスマもノミノツヅリ属に含める考え方もある。
オオヤマフスマ属の種子には種枕(しゅちん、エライオソーム)がつくが、ノミノツヅリ属の種子には種枕はつかない。それで「日本の野生(平凡社)」では別属にしている。