32章ガド・ルベンの土地相続,誓い
1.ガド・ルベンの申し出(32:1-15)
イスラエルが、カナン征服に向かって突き進む歩みが始まりました。しかし、もともとは、約400年も前に、彼らの先祖アブラハム、イサク、ヤコブが住んでいた土地、そして彼らの永遠の所有として約束されていた土地でした。ですからこの戦争は侵略戦争という性質とはまた違うものでしたが、400年間留守の間に住み着いた異民族に土地を返してもらうためには、戦わざるを得なかったわけです。
ところで、その初めに、ガド、ルベン族、そしてマナセ族の一部の者が、この先には進まなくてもよい、ヨルダン川を渡らずに、今いるこの土地に住み着きたいとモーセに願いました。しかしこの土地はそもそも、先祖たちに約束された地の外側にあったものです。皆がヨルダン川を越えて、これから約束の地を手に入れようとしている時に、彼らは、またしても神のご計画に沿わない行動をとったわけです。モーセはこのような申し出は災いである、と語りました。それは、40年前カデシュで、約束の地を偵察しながら、入って行かなかったように、イスラエル人の士気を低める古い世代の人々と同じ態度でした。しかも、彼らがこの土地に住み着きたいというのは、すでに占領したこの土地が、自分たちの羊のために適していると考え始めたからでした。今の自分の状況にそこそこ満足し、神が与える祝福を小さく考えてしまう、これが罪人というものでしょう。そして、自分の関心に埋没することにより、これから苦労する仲間を傍観し、無関心になっていく危険性もそこにありました。
2.ガド・ルベン族の修正提案とその後(32:16-42)
こうした態度に、主の怒りが燃え上がったと言います。まあ、当然と言えば、当然です。そこでガド、ルベン族は、修正提案をしました。これからヨルダン川西側の土地を征服するにあたり、自分たちが先陣を切る代わり、征服出来たら、今のこの東側の土地を自分たちのものにしたい、と言うのです。その提案は受け入れられました。実際の彼らの進軍の順番は、第二グループになるのですが、ここで彼らは、皆が納得する思いきった提案をしたわけです(2:16)。モーセは、その約束を破らないように、約束を破れば重い刑罰が科せられると念には念を入れて確認しています。その後実際にはどうだったのか。後のヨシュア記を読むと、彼らが約束を守り、主な敵を征服し、土地を皆で分割するまでは、先頭に立って戦ったことがわかります。
ともあれガド、ルベン族が引き起こした問題は、私たちにも起こりうることでしょう。罪人というのは、自分のことを真っ先に考えるものです。罪深い性質は、いつでも、今ここにある物質的な祝福を求めやすいものです。信仰によって見えない、全体の祝福を考える力に乏しいものです。そして、自分が神の民の一人であることを忘れ、目先のことであくせくしてしまいやすいものです。まずは自分の思いや都合を優先し、家族、職場、教会のことは後回しとなるのです。人間は、身近な人間関係のつながりを抜きに存在しえない、共に生きているからこそ、今の自分もありうるという単純な事実を忘れやすいものです。
キリスト者というのは、他人と関わることもなく、一人で信仰を持ち、神のきよさに生きているような者ではありません。キリスト者は、まさに、神の愛に生きる者、人と人の関係の中に生きる者です。そして関係の中に生きる時に、キリストにあって罪悔い改めたことを大事にする者、つまり絶えず自分には、自分のことしか考えない自己中心な罪深い心があることをよくよく心得、そのような心に流されない思いをしっかり持って生きる者です。ガドやルベン族が、これから苦難の中に飛び込んでいく、他の部族のために意を決して先頭に立って戦いを戦うことを申し出たように、苦難の中にある人々に対する心遣い、また支えをしっかり意識化していく者たちです。
ガド、ルベン族のこうした態度が、イスラエルに、またガド、ルベン族自身にも大いなる祝福をもたらしたことは確かです。人との関りを深く考えずに歩みやすい罪人の性を心得、そのような自己中心性を悔い改めた者として、自分が置かれた共同体、たとえば教会あっての自分であることも考え、教会の戦いを先頭を切って戦う、そのような心構えも持ちたいところです。では今日もよき一日となるように祈ります。
<クイズコーナー>
最初に、昨日のクイズです。ミディアン人は、創世記ではしばしば別名何と呼ばれることがあったでしょうか?答えはイシュマエル人でした。ヨセフの兄弟たちがヨセフを奴隷として売りつけた隊商は、ミディアン人ともイシュマエル人とも呼ばれています(創37:28)では今日の聖書クイズを一つ。ルベンは、ヤコブの12人の子どものうち、何番目の子であったでしょうか?答えはまた明日。では今日もよき一日となるように祈ります。
<天草さんのフォローアップ>
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