ささやかな幸せ

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初春文楽公演 第一部

2016-01-25 20:41:43 | 文楽
初春文楽公演 第一部 平成28年1/3~1/26 国立文楽劇場
<新版歌祭文(しんぱんうただいもん)>
●座摩社の段
 油屋の丁稚久松は、座摩の社で手代の小助に商いの金を贋金にすり替えられる。
●野崎村の段
 野崎村では、久松の養父久作と病の女房、女房の連れ子のおみつが暮らしている。そこに、座摩の社の一件で久松が戻されてくる。久作は、久松とおみつを結婚させることにする。しかし、久松は奉公先の娘お染と恋仲であり、お染は久松を追って野崎村へとやってくる。門口に立つお染を見て気もそぞろな久松に嫉妬するおみつを久作が奥へ連れて行く。その間にお染は久松と会い、二人は心中を決心する。奥から現われた久作の諌めに、互いに思い切ることを約束する二人。そこへ、二人の決意を聞いて身をひこうと髪を下ろし尼の姿となって現われるおみつであった。
 嫉妬するおみつが、お染の姿を久松に見せまいとわざと戸を閉めたり意地悪をするふりがおかしい。くたびれた久作にお灸をすえる場面では、お香のいい香りがするただよう。本当のお灸をすえているのか、人形の上でもぐさが煙を立てている。遠目だから、本当のもぐさかどうかわからないが。

<関取千両幟>
●口上
 豊竹嶋大夫さん、鶴澤寛治さん、豊竹呂勢大夫さんが床に登場。呂勢大夫さんが、口上を述べる。歌舞伎の口上では本人の挨拶があるが、嶋大夫さんの挨拶はなかった。
●猪名川内
 人気力士の猪名川は、贔屓から錦木太夫の身請けの金の工面を請け負っている。同じ力士の鉄ヶ嶽といるところへ、使いが来て、今日中に金を用意できなければ、太夫はほかの客に渡すと言う。その客とは、鉄ヶ嶽であった。身請けをあきらめるように頼む猪名川に、今日の猪名川と鉄ヶ嶽の取り組みで八百長をするようほのめかす鉄ヶ嶽。勝ちを譲らなければならないのかと悩む猪名川の髪をすきながら、女房のおとわは心を痛める。

 三味線鶴澤寛治さん、人形遣いの吉田蓑助さん、そして引退する豊竹嶋大夫さんと人間国宝そろい踏みの豪華な顔ぶれ。
●曲弾き
 鶴澤寛太郎さんが、三味線の曲弾き。棹の糸を手で弾いたり、撥の反対側で弾いたり、胴をはじいたり、糸締めの上に撥をのせて手で弾いたり、三味線を縦にして弾いたり。すごい!
●相撲場
 猪名川と鉄ヶ嶽の取り組みで、勝利すれば二百両の祝儀が贈られるという声が聞こえ、猪名川は鉄ヶ嶽を倒す。その帰り道、猪名川は駕籠に乗った祝儀を出した人に会う。それは、夫の苦境を救うため自らの身を売って二百両を工面したおとわであった。
 相撲の場面では、実際に塩をまく。立会いのにらみあいなど本当の相撲を見ている感じ。二体の人形を遣うのに6人の人間が動くので、人形が回しをとると人形遣いさんで人形が見えなくなるのではと心配したが、心配無用。きちんと見えた。

<釣女>
独身の大名と太郎冠者は、妻を授かろうと西宮戎に参詣し、お告げで釣竿を見つける。恵比寿様は釣りが好きなので、釣糸をたらすと美女がかかる。太郎冠者も美しい妻を釣ろうと竿を借りるが、釣れたのは醜女だった。

豊竹嶋大夫さんは、まだまだ声も出ているし、「本当に引退してしまうの?」と思ってしまう。
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