『しろがねの葉』 千早茜 新潮社
戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。
文句なしの直木賞受賞作。野性的なウメが女であることに傷つきながらも、骨太に生き抜いていく話。
ウメが母とはぐれ山をさまよううちに光る蛇の寝ござを見つけた場面。ウメと隼人が赤い躑躅の蜜を一心に吸い、足元に赤い花弁をまき散らす場面。なんと印象的で美しい場面だろうか。
ヨキから聞かされる喜兵衛のことを読んだときは、「ウメよかったね」と涙ぐんだ。そして、ウメの業の深さに間歩の暗闇をのぞきこんだような気がした。
重厚な話だった。
戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。
文句なしの直木賞受賞作。野性的なウメが女であることに傷つきながらも、骨太に生き抜いていく話。
ウメが母とはぐれ山をさまよううちに光る蛇の寝ござを見つけた場面。ウメと隼人が赤い躑躅の蜜を一心に吸い、足元に赤い花弁をまき散らす場面。なんと印象的で美しい場面だろうか。
ヨキから聞かされる喜兵衛のことを読んだときは、「ウメよかったね」と涙ぐんだ。そして、ウメの業の深さに間歩の暗闇をのぞきこんだような気がした。
重厚な話だった。