ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
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太田三郎展「人と災いとのありよう」

2022-08-09 21:07:47 | 美術鑑賞
太田三郎展「人と災いとのありよう」 2022年7月5日~9月11日 BBプラザ美術館
開館時間=午前10時~午後5時  休館日=月曜日



Bird Net-世界はつながっている 「献花」
 菊の切手を2枚貼り合わせて、農業用防鳥ネットに絡め、180cm幅の展示台に「安置」。新型コロナウイルスで亡くなった方の数の切手。今も学芸員さんが、亡くなった方の分だけ切手を入れる。菊の花の切手は、まさしく「献花」


Disposal masks
 

POST WAR 75 広島の種子 モミジバスズカケノキ
 原子爆弾で市街地が焦土と化し、「75年間草木も生えない」と言われた広島で 原子爆弾投下の75年後に採取した種子。


POST WAR 60 被爆者
 広島・長崎以外に住む被爆者には、周囲に理解してくれる人が少なく、被爆体験を語らず孤独に生きていた人が多いという。太田氏は、2005年、当時岡山県原爆被爆者会副会長・木原氏に協力を依頼し、実在人物の取材を行う。顔写真の下部には、太田氏が聞き取った「被爆時の状況」「未来の人々への願い」が小さい文字で書かれている。


宛名のない手紙 
  2018年7月の西日本豪雨により、写った像が流れ落ちてマーブル模様になった写真。「アートとして残すことができますか」と尋ねれる。被災した写真・子どもの絵などを無償で洗浄している「西日本豪雨災害『大切なもの』無償応急処置、出来ることをできるだけやるチーム」に感銘を受けた太田氏は写真を受け取った。


可部のおにぎり
 2014年8月の広島土砂災害。川が氾濫し田んぼに土砂が流れ込み、瓦や石の下敷きとなった稲穂。しかし、一か月後泥に埋もれながらも実をつけている稲穂が。この時分けてもらった稲籾と真砂土を混ぜて作ったおにぎり。

 災害や戦争にあった人々の圧倒的な悲しみに呆然と立ち尽くした。被災者一人一人にかけがえのない生活があることを改めて思う。そして、太田三郎氏は優しい。被災者に寄り添う。祈りのような希望を見出す。
 忘れられない美術展になった。
 
コメント
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