今朝読んで震撼したニュースです。
【独自】 入居者が女性職員を金づちで殺害 入居者の男（72）は自殺し不起訴
「安全対策が不十分」 と遺族が施設側を提訴 大阪・平野区 － gooニュース
ググってみたら、事件当時のニュース記事が出てきました。
女性殺害された事務室に死亡男性と似た人物出入り 大阪の老人ホーム － 朝日新聞DIGITAL
榊真希子さん死亡、ヴェルジェ平野南の老人ホーム殺人どこか特定！
大阪市平野区長吉川辺、犯人の住民男性の名前は誰？動機は何？ － NEXT-infonews
事件の舞台となったのは老人ホームとのことですが、一般的にイメージされるような高齢者養護施設とは異なり、
職員が常駐する集合住宅に高齢者が独居生活しているタイプの施設でしょうか？
とすれば、高齢者といえどもまだまだ身体機能はそれほど衰えていないと考えられます。
容疑者の72歳男性は飛び降り自殺してしまったようですが、
いったい動機は何だったのか・・・
被害に遭われた榊真希子さん（68歳）のご遺族としては、ショックとやり切れなさで一杯でしょう。
施設を提訴したそうですが、これをきっかけに養護/介護施設の職員の安全管理にも、
積極的に取り組んでもらえるようになることを祈ります。
私は10年半、精神病院でヘルスケア・アシスタントとして働きました。
そういえば私が最初の半年だけ働いたことのある病院でも、9年前に、
介護スタッフが刺殺される事件が起こりました。
介護スタッフによる患者さんや入居者さんへの暴力はすぐにニュースになっても、
その反対の場合はめったにニュースになりません。
それは患者さんや入居者さんというのは、精神的な病や認知症を抱えているから、
暴力的になっても仕方ない、と認識されているからと思われます。
でもだからといって、安全対策が十分に検討されず実行もされていないのでは困ります！
被害に遭われた榊真希子さんは、一人きりで夜勤中だったとのことですが、
一人は・・・怖いですよね。
ましてや人目がほとんどなくなる夜間は。
事務室に一人でいて悪意を持った相手に押し入られたら、逃げ場がありません。
榊さんの恐怖と絶望感を思うと、言葉もありません。
私は逃げ足が速い（？
）方ですが、一度だけ、認知症病棟で勤務中に、泣いたことがあります。
攻撃性のある70代の男性患者さんを、もう一人のヘルスケア・アシスタントと一緒に、２対１で見守っていたときでした。
患者さんが機嫌良さそうにゆっくり廊下を歩いていたので、もう一人のスタッフと私は、その患者さんを挟むように歩いていました。
もちろんすぐ隣をではなく、人一人分くらい空けた隣をです。
するとその患者さんが突然、左側を歩いていた私の右腕を両手で掴み、背中側へとねじ上げたんです。
もう一人のスタッフがすぐに携帯していた緊急時用アラームを鳴らし、複数のスタッフが駆けつけ、
患者さんを私から引き離してくれました。が・・・
痛さとショックとで、私は泣いてしまいました。
仕事中に泣いたのは、これまでの人生、あれが最初で最後です。今のところ。
怪我は負わずに済みましたが、たとえ相手に悪意がなかったとしても、
自分に落ち度があったわけではないとわかっていたとしても、
暴力を受けるのは、堪えますね。
認知症病棟にかかわらず、病院内での勤務中は、スタッフは全員、アラームを携帯していました。
どこで何が起こるかわからないですから。
病院だからできたことでしょうが、病棟を出入りするためのドアも、常時ロックされていました。
それでも、暴力を完全に未然に防ぐことはできません。
病院勤務中は、叩かれたり、引っ掻かれたり、つねられたり、蹴られたり、髪を引っ張られたり、
唾を吐きかけられたり、物を投げつけられたりする同僚を、何度も目にしました。
（病院勤務は歳を取ったらやっていたくないな）と思ったものです。
榊さんの安全を守るために、何をするべきだったのか。
榊さんが被害に遭わずに済むよう、どこをどうしていればよかったのか。
ただでさえ人出不足の介護業界なのに、こんな危険と隣り合わせとなれば、
ますます求職者が減ることでしょう。
本当に真剣に、介護スタッフの安全管理に取り組んでもらいたいです。
榊真希子さんのご冥福を、心からお祈りいたします。・・・
