ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

サポート・ワーカーの仕事

2011-01-07 21:52:56 | 仕事

私は現在、非常勤で二つの仕事をしています。サポート・ワーカーと、老人病棟でのヘルスケア・アシスタントです。今日はサポート・ワーカーの仕事についてお話させてください 

サポート・ワーカーというのは、2人から6人くらいで共同生活をする学習障害者の家に行き、日常生活をサポートするのが役目。料理、洗濯、掃除、買物、郵便物の処理、薬の服用、収支のやりくりなど多岐にわたってサポートします。スタッフは家政婦ではないので、できることは何でもサービス利用者さんにやってもらうのがポイント。必要な部分だけ手を貸します。スタッフが代わりに何でもやってしまうと、サービス利用者さんが持っている生活スキルを奪うことになるからです。時には映画鑑賞や日帰りの遠出に付き合ったりも。そういう場合、スタッフの費用はすべてサービス利用者さんもちです。

私がもっともよく働きに行くホームのサービス利用者さんたち。2007年の12月に撮った写真です。

左からMさん、Nさん、Dさん。Mさんの50歳の誕生日にちょうど仕事が入っていたので、右のケーキを自宅で作って持って行きプレゼントしました。スーパーマンの大ファンのMさん、とても喜んでくれました。
(ケーキ上面のアイシングにひびが入っていることには気づかないでいただければ幸いです。・・・ ←って、ムリな注文ですね。キンチョーしてたのか Birthday のスペルも間違ってるし・・・

学習障害者は1990年頃までは、大きな施設で何十人単位で共同生活していたそうです。が、「学習障害者にももっと普通の暮らしを」という気運が高まり、その結果学習障害者はグループ・ホームのような形態で、数人ずつが一単位となって地域社会に溶け込んで暮らせるようになりました。 

そういう家で彼等の生活に支障が出ないようサポートするのが、サポート・ワーカーの仕事です。サービス利用者さんの障害の程度により、サポートの時間は異なります。一日数時間の家もあれば、24時間スタッフがいることが必要なのでお泊り勤務が要求される家も。24時間スタッフがいる家では、勤務時間として時給が支払われるのは午前7時から午後10時まで。午後10時から午前7時までは『お泊り手当』として、一晩につき月-木曜日の夜が29ポンド(3700円)、金-日曜日の夜が33ポンド(4300円)がつきます。(これは私の雇用主の場合で、他の組織は一律一晩30ポンドくらいのところが多いです。)

オットーのイラストの仕事の将来がおぼつかなくなりつつあったので、ムスメが学齢に達したら私も何かしらして働くつもりでした。(幸いイギリスでは、子供は4歳を過ぎた9月から学校に上がれるのです。)でも言葉のハンデがあるから、できても掃除とか老人ホームの下働きとかだろうなーと思っていました。

さて、オットー妹のご主人は、ウクライナ人です。この義弟、ウクライナではお医者さんだったのですが、自由を求めてイギリスに来、義妹と知り合い結婚。しかしながら、ウクライナの医者の資格はイギリスでは認められず、イギリスの国家試験?に合格しないと医者として働けません。そのため10年前の当時、病院でボランティアをし、サポート・ワーカーとしてパートで働きながら一生懸命勉強していました。その彼に「今の仕事場、もう一人スタッフが要るからやってみない?」とタイミングよく誘われ、私もサポート・ワーカーになったというわけです。2001年1月2日が初仕事だったから、ちょうど10年前の今月のことでした。

サポート・ワーカーはパートで始めました。その頃はオットーが家でイラストの仕事をしており、私はいつでも気軽に仕事に行けたので。でもオットーがお勤めを始めた2007年2月から、非常勤に変わりました。学校を終えて帰宅するムスメのため、できるだけ家にいる必要があったからです。時には有料の『アフター・スクール・クラブ』(小学校での放課後の児童預かりサービス)や『チャイルドマインダー』(放課後のムスメを自宅で預かり、迎えに来たオットーに渡してくれる子守さん←中学校には放課後の預かりサービスがなかったため)を利用したりもしながら。イギリスでは子供の安全に関する意識が高く、少なくとも16歳くらいになるまでは長時間子供を一人にはしません。小学生の『鍵っ子』なんてトンデモナイ話なのです。

5.35ポンド(今のレートを128円/ポンドとして換算すると・・・たったの685円!)で始まった私の時給は10年の間に少しずつ上がり、今では8.74ポンド(1119円)とまずまずになりました。ムスメも大きくなったので非常勤からパートに戻ってもいいのですが、昨夏マネージャーに打診したところ、「それをすると新しい契約を結ぶことになるので、時給は7.05ポンド(902円)に落ちる」とのオハナシ 

雇用主である組織にも、この10年の間にいろいろあったようです。数年前に別組織と合併してから、各ホームに置かれていたスタッフ用のコンピューターやコピー機が撤去されたり、仕事に必要な文房具が申請してもなかなか届かなかったりと、出費に関して厳しくなったな、と感じてはいたのですが・・・ 

それでもこれ、納得できませんでした。今の時給は長期にわたって勤めてきたことに対する『ご褒美』というのが私の解釈。7.05ポンド以上の時給をくれる雇用主は他にもあるので、考えた末、非常勤のままでいることにしました。(もちろん、単に私の仕事に対する評価が低かったのが理由ということも考えられますが、それは私は考えていません、ワタクシ有能ですから!?)

サポート・ワーカー未経験者の現在のスタート時の時給は6.28ポンド(804円)。この分野の仕事の時給としてはかなり少ない方です。そのためか、新聞やネットで求人広告を出してもなかなか応募がありませんでした。(新しい契約を結んだ場合の私の時給が7.05ポンドになるというのは、三年前に費用は雇用主もちで、初級の介護資格を取ったからです。)そのため慢性的に人手不足で、非常勤の私にもたっぷり仕事が回ってきていました。

しかしながら、長期にわたる不景気の影響か昨年後半に次々と応募があり、人手が足りるようになりました。そのため今月から、非常勤の私の出番はなくなってしまいました  

でもちょうどいい機会?なので、ここしばらくは病院の仕事が入ったときだけ働いて、ちょっとゆっくりしちゃおうと思っています。だって私、サポート・ワーカーの仕事が入るに任せて、ここ2年ほどほーんとたくさん働いたんです。週60時間働いたこともありました。2009年の後半の6ヶ月はオットーが失業していたので、私が唯一の稼ぎ手でしたしね。

ついでながら、失業したオットーはイラストの仕事のエージェントに一応連絡したのですが、半年の間、仕事は一つも入りませんでした。エージェントによると、オフィスはすでに開店休業状態で、ただ畳むのが面倒なので放置しているだけ、とのこと。求人広告はそれは乏しく、オットーはしばらく自分の絵を描きたいということだったので、私は一年の期限付きでオットーが充電期間を取ることに同意。オットーはずっと頑張って働いてくれてきたし、今は私も働いているから何とかなるさ、と思ったので。(実際にはオットーは、以前勤めていたスタジオが再開し呼び戻されたので、失業期間は半年で済みました。)

どれだけ働いたか興味が沸いたので去年のある日、2009年4月から2010年3月までの一年間の労働時間を合計してみたんです。1833.75時間でした。52週で割ると週35時間しか働いたことになりませんが、ムスメの学校のお休みの平日は家にいるようにしたし、2009年4月にはムスメと、2010年3月後半は一人で日本に里帰りもしたので、実際は週平均で42時間くらい働いたように思います。お泊りもずいぶんしたし。でもそのおかげで年収は、ちょっとしたオフィスの副マネージャーほどになりました。

その代わり家事は必要最低限、料理も手抜きでずっときてしまったので、時間ができそうな今、しばらく充電期間を取らせてもらおうと思います。
オットー自身も半年の充電期間があったし、反対はしないことでしょう 

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

昨日の天気予報は幸い外れて、今日はこの地域は全然雪が降らず、代わりに雨になりました。
おかげで何事もなく帰宅できました。天気の神様、ありがとう~ 


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