花夢

うたうつぶやく

004:限りないうた

2008年02月05日 | 題詠2007感想

いつまでも冷蔵室(チルドルーム)の片隅に消費期限の切れた恋愛
きじとら猫

限りの旅へ行かうとするたび呼び戻す娘に祖母は「わ か る」とこたふ
しろ

父には父の限界があるだろう わたしの姿は見えないのだろう
野樹かずみ

このへんが限界だろうと僕たちが引く線を越えのびる葉桜
みち。

限りなく受け入れたならバスタブの排水口に詰まるアネモネ
佐藤羽美



ひとの限界は、歪む。それぞれに。
形も、方法も、思いも違うけれど、
自分を保つために引かれるはずのラインを、
それぞれに越えてる感じがする作品たちでした。

しろさん、野樹かずみさん。
家族が境界線を越えるのは怖い。