浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

今日の「中日春秋」

2014-09-03 20:10:51 | メディア
 今日の「中日春秋」の内容はよい。しかし「防衛予算」の社説はいただけない。

 ウィリアム・バスビーさんは米軍の兵士だった。アフガニスタンの戦場から戻ってきた彼は異様なふるまいを見せ始める。水道でいつまでも手を洗い続けて言う。「落ちないんだよ」。手に汚れはない。「何のこと?」と母親が聞くと答える。「血だよ」。彼は二十三歳で死んだ。銃を自らに向け撃ったのだ

▼米兵の命を奪うものは何か。一昨年、自ら命を絶った兵員の数が、軍事行動で命を落とした兵員の数を上回ったそうだ。米兵の自殺率は一般の人の二倍前後といわれる

▼戦場で無残な死を見続け、悪夢にさいなまれた人ばかりではない。部隊内での暴行などで追い詰められた兵らにも自殺が目立つという。今や米軍にとって自殺防止は恐るべき“戦線”となっている

▼一人の戦死者も出していない自衛隊でも、自ら命を絶つ隊員は後を絶たない。海上自衛隊で上司からいじめを受けた隊員がまた自ら命を絶った。いじめは同僚らに目撃され、この隊員は転勤を願い出ていたが、無視されたという

▼東京高裁はこの春、いじめで起きた隊員の自殺をめぐり、海自が実態解明の鍵となる文書を隠していたと断じる判決を出している。やまぬ悲劇が暴いているのは、隊員の心の痛みと向き合わぬその体質だろう

▼自衛官の自殺率はかつて一般の人と同じ水準だったが、一・五倍にもなっているそうだ。米軍並みになっていくのか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【本】日本史研究会など『天... | トップ | りんご »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

メディア」カテゴリの最新記事