浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

歴史に学ばないということ

2012-11-18 09:40:19 | 日記
 総選挙が始まる。今日の新聞に、全国の立候補者の名前が載せられていた。候補の中に社民党公認がほとんどいない。「東京」の比例区でも、ひとりも立候補していない。反原発、TPP反対、消費税反対などを主張する政策としてはもっとも純粋な政党なのに、立候補者がいない。考えてみれば、小選挙区制が導入されるとき、小選挙区制では当選がおぼつかなくなることをわかっていて社民党(当時日本社会党)は、導入に賛成した。「自滅」である。当時の日本社会党も、マスメディアに扇動された「政治改革」という波に呑まれたのだ。

 小選挙区制は二大政党制をつくりだす、日本では二大政党制が必要なのだというかけ声が一斉に、政界やマスメディアからだされ、「政治改革」という名の下に小選挙区制が導入された。しかし戦前、日本でも小選挙区制が導入された時期があった。しかし、それが日本の政治風土にはあわないということから、小選挙区制は導入されずに来ていたのだ。

 今日の『中日新聞』の書評欄に、『昭和戦前期の政党政治』(筒井清忠、ちくま新書)の紹介があった。私は未読ではあるが、「“内輪の政争に明け暮れ、実行力・決断力なく没落していく既成政党と一挙的問題解決を呼号し、もてはやされる『維新』勢力”という図式が作られやすいという意味で、歴史は繰り返す」が引用されていた。1930年代、その『維新』勢力が、無謀な戦争へと歩んでいく戦時体制構築の露払いを行ったという歴史的な過去を思うとき、今回の総選挙に不安を覚える。

 その不安は、以下の事実によって増幅される。

 「日本維新の会」と「太陽の党」が合体し、石原慎太郎が代表となったという記事もあった。石原は、最後のチャンスとして、内閣総理大臣の座を射止めようとしているのだろう。日本企業に莫大な損失を招いた「尖閣」を引き金にした日中の不毛の対立を引き起こした張本人である。もし彼が首相になったら、東アジアは外向的に対立が渦巻く危機的状況になり、また日本の輸出入のトップを占める中国との貿易関係も吹っ飛び日本経済も危機的状況になるであろう。

 永遠の隣国である中国や韓国などとの間に「領土問題」などがあっても、すぐに解決することは無理であるから、とにかく話し合いで信頼関係を築き(信頼関係をつくりだすのは長い時間が必要だが、信頼をなくすのは一瞬でできる)、双方が譲歩しながら平和共存関係にもっていくこと、これしか解決策はない。

 失礼ながら、高齢の石原に2010年代の国政をまかせるわけにはいかないのだ。

 歴史に学ぶという姿勢が求められる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【本】高田昌幸『真実 新聞... | トップ | 侮辱 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事