不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

訃報

2020-06-25 15:37:24 | 日記
 今日、訃報が届いた。歴史学者のひろたまさきさんが亡くなられた。6月17日に息を引き取ったという。

 ひろたさんは、近代に於ける被差別への差別を、封建社会の遺制ではなく、近代の差別なのだということを、岩波書店の『差別の諸相』で明らかにした。また福沢諭吉の研究が有名である。それ以外にも多岐にわたる研究があるが、近年は竹久夢二論をまとめようとしていた(それは未完に終わってしまった)。
 私も昨年、「竹久夢二とその時代」をテーマに話したこともあり、夢二について手紙でひろたさんと何度も往復していた。

 ひろたさんは温厚で、そしてとても謙虚で、やさしい方であった。学問をする者は、こうでなければならないという模範のような人であった。

 ひろたさんとは、20年以上前からのお付き合いである。静岡大学情報学部にいた田村貞雄さんが、ひろたさんに集中講義を依頼したとき、田村さんからひろたさんを紹介していただいた。浜松に滞在中、二晩ほどご一緒した。

 歴史を学びはじめた頃から読んできた歴史書の著者が次々と亡くなっていく。金沢史男さん、海野福寿さん、金原左門さん、原口清さん・・・・これらの人々から受けた学恩は計り知れない。

 今また、ひろたさんと永遠の別れをしなければならない。歴史研究について心からの信頼をもって話し合う人はいなくなった。寂しい限りだ。

 ひろたさんからいただいた本を、もう一度読み直して、勉強させていただこうと思う。 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 検察は、自民党の味方 | トップ | 都知事・小池とエジプト国家... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事