浜菊会のブログ

半泣き老狼団。一道民が生き抜く為の記録。

関西電力の需給について

2012-08-02 20:49:32 | 原発
全国的に、数日間の猛暑だったわけですが、それでも電力需要は全く問題なかったようです。


本日の関西電力の供給力は以下のようになっていました。

 原子力 236
 火力  1375
 水力  249
 揚水  402
 他社  696
 (融通140)

 合計 2958万kW 


原発なしであると、236万kW分が減少するので、2722万kW、ということになります。
予備率5%だとすると、2585万kWですから、他社の需給が安定している限り、融通を更に上積みできるので、何ら問題なかっただろうと思われます。


ここ暫くの揚水発電の供給力を見ていましたが、一時期低下している時があって、確か368万kWくらいまで下がっていた時がありました。これでも、関電・経産省・エネ庁の事前説明よりもはるかに多い供給力なのです。彼らが4月や5月に提示していた揚水発電の供給力は200万kWを切るかどうか、という水準でした。


で、実際の所、これは原発の稼働には関係ないですね。

よく原発稼働を正当化する為に、揚水発電を行うには夜間に火力もフル稼働させて、揚水発電用貯水池を満水(満充電)にする為に電力を必要とするんだ、といった盲目的意見を言ってきた方々が大勢います。それは、本当に原発稼働によるものですか?(笑)


いいえ、違います。
はっきり言って、それはデマでしょう。


どうして、そう思うかって?
理由は、後述します。


関西電力では、揚水発電をジャンジャン使うので、満水にする為に夜間も必死で火力発電をフル稼働させている、と言いますかね?
火力発電所は、いくつか停止してますね。気温は連日高温が続いたにも関わらず、火力発電所の必要性が乏しかった為です。壊れたわけでもありますまい。電力供給は、足りている、ということです。


それなのに、揚水発電の供給力を402万kWで固定しているのは、本当は450万とか480万とかまで持っていくことができるのに、「供給が足りている」というのがバレると、関電や政府や経産省やエネ庁への批判が強まるから、ですね。これを何よりも恐れている、というわけです。


単に頭が悪いのか、政府発表の情報を鵜呑みにするといった権威主義者たちなのか、理由ははっきりりませんが、原発肯定派たちは関電の火力がフル稼働になると、もうおしまいだ、みたいにしか考えないわけです。揚水発電に回す電力というのは、関電以外からももらえるんじゃありませんか?


そういうことを警告している人がいても、完全無視するのが、頭の悪い原発肯定派たちなのです。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/5a31b5e10d875580b5426b272d8d4ed6


北陸電力は、夜間の揚水発電に回す電力は必要ないので、余剰分は他に回すことができます。火力を停止せず、北陸電力の夜間電力を受電すれば、どう考えても関電の揚水発電が間に合わない、なんてことはないとしか思えませんね。北陸電力の低い方の需要量は約300万kW、最大供給力が570万kWもあるわけで、仮に100万kWくらいを関電に回せばいいだけですよね。



更に、不思議なことがあったわけです。

それは、中部電力の供給力についてです。

今日の供給力は、次のようになっていました。

 原子力 0
 火力  2126
 水力  90
 揚水  389
 他社  8
 (融通-166)

 合計 2613万kW 


数日前から揚水発電の供給力を見ていましたが、大体変わってないですね。若干減ったりしてた時に、その際の理由というのが「補修停止終了による増」みたいな、不思議な文言だったように記憶しています(382万kWから373万に減った時)。正確な文言をメモしておけばよかった。


で、とても不思議なのが、揚水発電の供給力なのですよ。

中部電力さんの揚水発電の供給量は、施設の説明を見ると、全部で336万kWしかないみたいなのですね。

150+78+34+28.8+31.5+13.7=336


こういう感じになっているわけです。


なのに、何故か389万とか、設備容量を大幅に超える量になっていたんですよ。
これって、関西電力の揚水発電の供給量を432万から368万くらいまで落とした後に、きっと増えたんじゃないですかね、と思うわけです。


普通に考えて、ヘンですよね?
まず、設備とのギャップが53万もある。これは、他にそういう設備が存在している、ということかな?調べた時、揚水発電所を見落としたかな?
でもね、そんな大きな揚水発電所が新たに作られた、とか、出てこないんですよ。だから謎。

じゃあ、設備がないのに、数字だけあるとすればどうだろう?
それは、どこから来たかと言えば、関電からでは?
そう考えると、辻褄が合うわけなんですね。


それと、中部電力は原発はゼロなわけです。
でも、揚水発電所が336万kWだけだとしても、これが毎日満充電、満水になっている、ということを意味するわけなんですよ。

原発派は、「それは、大飯原発の電力が供給されて、発電してるんだ!」くらいを言うつもりですかな?


大笑い。

違うでしょう?中部電力管内で揚水発電をやっているのに、336万kWもの供給力がある、ということでしょう?原発なんか動いてないですよ?


要するに、原発肯定派たちというのは、ただ単に頭が悪い、ということなのでは。
中部電力では、原発稼働がゼロでも、揚水発電は、毎日毎日336万kWを大きく上回る供給力を有している、ということでいいですね?


そうすると、中部電力では、電力が余るので、何と関電に76万kW、はるか遠くの九電にまで90万kWもの融通をしているわけです。


ちょっと待って下さい。
中部電力は、どうしてはるか遠くの九電にまで90万kWも送るんでしょう?
西の方が逼迫しているから、でしょうか?

でも、揚水発電を100%使って予備率を8%程度保っているに過ぎない中部電力さんが、何故九電と関電に合計166万kWも供給するんでしょう?

おかしいですよね?
だったら、揚水発電を止めて、関電の火力を動かした方がいいに決まってますよね?
エネルギー効率の観点からも、九電に供給する電圧低下などの問題から見ても、関電の火力を動かす方がはるかに得だ。


だが、現実には、関電自身は火力発電を100万kW級で止めてしまい、わざわざ中部電力から76万kを買い、中部電力さんは九電に90万kWも送る、という複雑怪奇なことをやっている、ということだ。



これはですね、理屈に合わないわけです。かなり中部電力さんの火力の発電効率がよいとしても、揚水発電を使い続けていれば、圧倒的に不利です。

なのに、何故166万kWも西側に送るのか?


それは、思いつく唯一の答えが、関電管内での電力需給が、かなり余裕がある、ということしかないわけだ。

中部電力さんは原発をゼロでも、揚水発電の供給力が設備容量をはるかに上回るほどになっている、ということは、ほぼ想定できない。あるとすれば、関電の供給力が中部電力さんに付け変えられている、という可能性だけだ。


そうすると、玉突き現象ではないが、中部での余力を関西に送り、それは関電管内で使い切れないのだから、九電が使う、ということになる。関電は中継というだけなのだが、実際には中部に供給力をわざと上乗せしているはずなので、少なくとも50~60万kWくらいは上乗せされているはずだ。

単純に揚水発電分だけでもそれくらいは行くから。


そうすると、関西電力管内の供給力はもっと余裕があるはずで、関西以西に90万kWを供給できるくらいだ、ということは間違いない。


北陸電力さんだって、第1Qは売電が好調の為、かなり黒字決算になったらしい。
つまり、中部電力と北陸電力の余剰分を関西以西に供給する体制にすれば、大飯の稼働は必要がなかったわけだし、これまでのところは間に合っている、というのが結論だ。


それなのに、原発派とか、電力足りないオバケの原発を動かせという連中は、まんまと関電や霞が関のクズの作戦に引っ掛かって、「動かせ、動かせ」と言ってきた、というわけだ。


原発を動かせ、と言ってきた連中の誰でもいいが、「本当に足りない」という証拠を未だ誰一人提示できていない。


むしろ、誤魔化しと矛盾だけが、どんどん露わになっただけ。


性根の腐った官僚たちというのは正すこともできず、これにまんまと煽動される頭の悪い原発派の連中は、未だに気付くこともなく反省もない、ということであろう。