わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【でも、これやっぱり女子大生だからいいんだろうな?】 ~7年かかった泰阜ひとねる大学の仕組みづくり~

2016年08月26日 | 泰阜村が大学になる
今年も秋に、恒例となった名古屋短期大学1年生全員が村にやってくる。

約100名が20ほどのグループに分かれて、泰阜村のひとびとの家にホームステイする。

7年目を迎える「ファミリービレッジ」という事業だ。

今年からは、泰阜ひとねる大学の一環となっている。





今日は受け入れ家庭の説明会だった。

受け入れ家庭の高齢化が進み、なかなか20家庭が集まらない年もある。

負担と考えてしまえばそれまでなのだろう。

しかし、7年目を迎えて「3年前に来た学生は今、何しとるかな?」という積極的な質問が村民の皆さんから出るようになった。

一緒に過ごした時間が、学生の学びにどのように貢献したのか。

そこを知りたい村民も増えてきた。

学生も村民も学び合う村へ、また一歩前進する。

そんなことを感じる説明会だった。



私はこの大学の1年生の前期の授業を受け持っている。

「自然と生活」という授業で、泰阜村の暮らしの営みや、それを土台にした教育活動を紹介してきた。

だから、学生にとってはすでに泰阜村のことはインプットされている。

そして、夏休みには、国内研修という単位として山賊キャンプに参加してくる。

ちなみに、国内研修の実習地の中では、泰阜村は断トツの人気を誇っている。

秋に1年生が全員やってくるまでに、すでに泰阜村での学びを事前学習し、そして何度も学生と村民が往復している。

こんな学びの仕組みをカタチにしていくことが、「ひとねる大学構想」である。

7年かかったな。

でも、これから7年かけて、また深まっていくんだろうな。



でもやっぱりこれ、女子大生だからいいんだろうな~。

これ、男子大学生100人だったら、受け入れ家庭って存在するのかな~???(笑)



代表 辻だいち


【泰阜村のひとびと】 ~身の丈の支援だからいいのだ~

2016年08月25日 | 泰阜村のひとびと
泰阜村のひとびとが、熊本のこどもたちのために野菜を次々に持ってきてくる。

その一部を紹介したい。


宮島康夫さん吉子さんご夫妻。

いっつもやさしい顔の康夫さんは、泰阜ひとねる大学を一緒に進める同志。

スレンダーな吉子さんは地元泰阜の老人ホームの施設長さんだった。

集落でも評判のおしどり夫婦。とれたて野菜をたくさんいただいた。







お隣のちえこおばあま(おばあ様の意味)とよしあきおじいま(おじい様の意味)。

山賊キャンプ全体で消費する野菜の9割を、村内農家13軒が栽培してくれる。

「おばちゃん、きゅうりは嫌いだったけれど、泰阜の野菜は食べれた! ありがとう!」。

こんな言葉を聞いてやる気にならないわけがない。

お二人は今日はこどもたちからお礼のカボチャケーキと寄せ書きのプレゼントがあったらしくすこぶる喜んでいた。

こどもたちもタマネギとジャガイモを仕入れ、大きなスイカをお駄賃にいただいて、すこぶる上機嫌。

それでいいのだ。






読み聞かせグループ「カンガルークラブ」の松島房子さん。

3年前には、同じく山賊キャンプに招待した福島のこどもたちの地元に行って、読み聞かせまでしてくれた。

そんな彼女は、野菜とともにとびきりの笑顔も持ってきた。






村の人びとは、何も無理はしていない。

特別なことはせずに、自分の得意技の中で熊本のこどもたちを支えている。

この身の丈にあった支援がいいのだ。

だからこそ、泰阜村のソコヂカラがこどもたちの身体に流れる。


代表 辻だいち


【この村が、大学になる】 ~泰阜ひとねる大学(九州大学バージョン?)~

2016年08月24日 | 泰阜村が大学になる
ひとねる大学(九州大学バージョン)。

泰阜ひとねる大学とは、小さな村と大学が真剣に力を合わせ、2年~4年かけて学生を育てる仕組みづくりの挑戦だ。



この夏、信州こども山賊キャンプのボランティアに、九州から若者がやって来た。

この若者は、私が、今年2月に九州大学で担当した集中講義「社会教育編成論実習」を履修した学生だ。

このブログでも紹介したが、注中講義は私にとっても手応えのあるものだった。

その時の学生の学びも確かなものがあったと勝手に想っているが、まさにその時の学びが彼を衝き動かしたということらしい。



その時の様子を記したブログの記事がある。→ こちらへ

もしお時間があればご笑覧いただきたい。



特に九州大学と泰阜村、NPOグリーンウッドの間に、実習契約やインターンシップの仕組みがあるわけでもない。

それにもかかわらず、彼は来た。

自分の時間と労力を使って、こんな遠くまで来なくとも、とも想う。

でも、ここまで来たからこそ得られる学びがあるのだ。

そう想うと、やっぱりうれしくなる。





教室で得た「学び」を自分のものだけにするのではなく、次の行動につなげてオープンしていく。

きっと今年2月の彼の学びが、この夏の子供たちの学びを支えたのだろう。

そしてまた、彼は学んだのだ。

この行動を伴った「学びの循環」がなんとも心地よい。

まだまだ九州大学と泰阜村の仕組みはわずかである。

でも、こんな小さな縁を丁寧に紡いでいくことが、今、求められている。

やっぱりわが村、若者をひとねる(育てる)チカラがあるぜ、ほんとにそう想う。


代表 辻だいち


【その力を今、発揮する時】 ~泰阜ひとねる大学が新聞に掲載された~

2016年08月23日 | 泰阜村が大学になる
小さな村に学生や若者を育てる力がある。

その力を今、発揮する時。

地元新聞に掲載された。

お時間がある時でもご笑覧ください。



2016年8月18日 南信州新聞

持続可能な地域へ
外部人材うまく活用


 少子高齢化に伴う人口減少時代を迎え、自治体は持続可能な地域づくりに向け、人手不足を補い、外からの視点で新たな風を呼び込む「外部人材」の活用に着目している。売木村や泰阜村でも取り組みは進み、村がもともと持つ資源を有効活用したり復活させることで価値を見出し、地域経済の好循環につなげようとしている。


 泰阜村が本年度取り組む村と都市部の学生が学びを通して交流する「ひとねる大学構想」が環境省の支援を受け、持続可能な地域づくりに取り組むモデルケースとして動き始めた。

 環境教育におけるESD推進(持続可能な社会形成に資する行動)のための先導的実践拠点支援事業として環境省が活動費や人件費を補助する。活動メンバーは来年1月までに都市部の学生の学びや体験を通じて村の新たな価値を発見するプログラムを作成して実践する。

 選ばれたメンバーは実施拠点や自治体、有識者、地域からの9人と、環境省や愛知教育大などからの参加も含め総勢15人。うち泰阜村出身者は2人で、地域おこし協力隊やIターンなどほとんどが外部人材の構成メンバーだ。

 村出身者の横前明副村長は「外部人材による新たな交流は、村民が村の良さを再認識するいい機会になる」と指摘する。Iターンして24年目になるグリーンウッドの辻英之代表理事は「村の持続性を高めるために頑張っている。小さな村でも学生や若者をひとねる力がある。その力をいま発揮するとき」と語る。

 環境省中部環境パートナーシップオフィス(EPO中部)の新海洋子チーフプロデューサーは「村に訪れるようになって、人との出会い、人とのつながりが本当に面白い。その人とともにつくり出す時間や空間の中で交わす議論が、日本や世界を少しでも良くすれば」と期待を寄せる。

 人口1700人の村生活の価値観を共有できる若者をどう増やせるか。横前明副村長は「お客様ではだめ。一緒になって汗をかく事が大事」と指摘。外部の視点から村の新たな価値を見出し、村民のモチベーションを高めながら持続可能な地域づくりに励んでいく。






【この村が、大学になる】 ~泰阜ひとねる大学(飯田女子短期大学バージョン)~

2016年08月22日 | 泰阜村が大学になる
泰阜ひとねる大学(飯田女子短期大学バージョン)。

泰阜ひとねる大学とは、小さな村と大学が真剣に力を合わせ、2年~4年かけて学生を育てる仕組みづくりの挑戦だ。

地元の飯田女子短期大学で養護教諭のタマゴを対象に授業を受け持って7年になる。

3つの授業を持っているが、今回の学生は「青少年体験活動演習」の履修生。

明確に養護教諭(要は保健室の先生)を目指す5名が泰阜村にやってきた。

この5名は、短大の専攻科に属している。

専攻科というのは、本科2年の後にさらに設けられた2年の研究科である。

あわせて4年制大学と同じ学士を得られるのだろう。

それもあってか、本当に目標にめがけて学ぶ姿勢が多い5名である。









前期には大学で何度か事前講義を行った。

泰阜村のこと、NPOグリーンウッドのこと、キャンプを通した学びのこと。

7月には名古屋で開催された、山賊キャンプボランティア研修会にも参加した。

高度かつ自発的な学びを身に纏い、彼女たちは山賊キャンプのこどもたちと向き合った。

養護教諭は学校内、とりわけ保健室の中での対応が主になる。

しかし、こどもたちを取り巻く環境は常に学校・保健室ではない。

遠足もあれば宿泊を伴う学習、修学旅行もあるだろう。

施設や機器がそろっていない状況でこどもたちと向き合う経験が、彼女たちには決定的に必要なのだ。

その経験を、泰阜村全体が提供する。

ちょうど熊本地震で被災したこどもたちも参加するコースだった。

全国から集まるこどもたち、青年たちと向き合い、泰阜村の自然と格闘し、村の土で育った野菜を食べながら、彼女たちは感覚を総動員させて学びを手にした。














「わたしは養護教諭を目指しています。大人や教員が笑顔でいることで、子どもたちは安心することができるのではないかということをこのキャンプを通して改めて学ぶことができました。子どもたち一人一人のことを理解し、一人一人の力・可能性を信じ伸ばしていけるような養護教諭を目指していきたいです」

キャンプ終了後のレポートに記してあった学生の言葉だ。

9月には、学びを改めて腑に落とす事後講義がある。

きっと彼女たちは、素敵な養護教諭になってくれるに違いない。

それを泰阜村から信じ続けたい。


代表 辻だいち