わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【時空の彼方から聞こえる声】 ~万里の長城に立って世界を俯瞰する~

2016年08月19日 | 私のルーツ・私の物語
中国の続きです。


想えば、私は中国には5回ほど来ている。

主には、地元泰阜村が満蒙開拓時代に分村を作った黒竜江省を、その文脈から訪問してきた。

そのうち、親父と一緒に訪問(部分的に)したのが、1度か2度か。

記憶が薄れていく自分がもどかしい。

けれども、万里の長城には初めて来た。


1986年、詳しい事情は割愛するが、親父はこの長城に立ち、「乾坤一擲(のるかそるかの勝負をかける)」の決断をした。

その決断があったからこそ、私もこうやって生きていられる。

だからこそ、米寿にみんなで万里の長城だったのだ。

今はローブウェーで長城に立てるようになっていて、おふくろなどは「隔世の感」と驚くやら喜ぶやら。

時節柄、中国の地方の人々が観光で動くらしく、長城は人、人、人でごったがえしていた。

暑い中、長時間並んで、歩いて、ようやく長城に立つ。

もちろん、亡き親父の遺影を持って。







初めて見る長城は、圧倒的スケールだった。

山の稜線を伝い、向こうの向こうまで続く長城を、いつまでも見ていたかったが、そんな余裕はなかった。

それでもいろんな想いが私の身体をかけめぐる。

平和を考える機会が多い8月に、息子や娘と共にこの場に立てたことは感慨深い。

30年も前に、親父はここでのるかそるかの決断をしたのかあ。

そして45年前(親父が46歳の時に)、無謀な勝負に打って出て勝利したのかあ。

今、私も46歳。

その「時」に、私もこの場に立てたことは、何かの運命かもしれない。

私は、いったい、何を決断するのだろう。

時空の彼方から、そして果てしなく続く長城の彼方から、「そんなことは自分で考えて決めろ」という親父の声が聞こえた気がした。

私は教育を通して平和を創ろう。

それが、日中友好に生涯を懸けた親父の遺志を継ぐことだと信じたい。






長城を降りてから日本への帰路につくときに、そういえば大学の採点業務を大量に残してきたことに気がついてしまった。

返ってからの業務を考えると恐ろしい。

それでも、すっきりして日本に帰れる。

強行だったが、来てよかった。


代表 辻だいち



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