わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【パンの耳は刺身に変わり、コーヒーは酒に変わった】 ~北海道苫小牧で旧友と再会~

2017年01月22日 | 私のルーツ・私の物語
昔の友の家を訪ねた。

苫小牧という北の街に単身赴任している。

部屋に入ると、笑えるくらいに昔のまんまだった。

もちろん、昔の部屋は6畳一間の狭さだったけれど。








大学時代に過ごした札幌で出会った友人だ。

私の下宿「永幸荘」のすぐ近くの貸間「友和荘」に暮らしてた。

彼は文学青年。

6畳の部屋びっしりと本で埋まっていた。

体育会だった私とは何から何まで違う。

なのにむちゃくちゃウマがあうから不思議なものだ。

夜の9時まで体育会ハンドボール部の部活がある。

その後バイトをして夜中の1時くらいに彼の部屋に転がり込む。

近くのパン屋で10円で処分されたパンの耳をかじり、淹れ立てのコーヒーをすすりながらで朝まで語れた。

ゲーテやニーチェを語る彼と彼の仲間たちの話題にはついていけなかった。

けれども、恋の悩みは毎晩のように語ったな。








そんなことを想いだしながら、タイムスリップしたかのような雰囲気に、思わず口も滑らかになる

懐かしのサッポロクラシックを飲んだ。

「とっておきだ」という刺身を肴に、あの頃の極貧生活でありながら、なんと豊かな時間だったのか、ということを語り明かした。

パンの耳は刺身に変わり、コーヒーは酒に変わった。

でも、あの日そのままに語り明かした朝は、あやうく帰りの飛行機に乗り遅れるギリギリの時間に飛び起きた。

あぶないあぶない。





彼と共通の友人が、27年前の2月に雪崩でこの世を去った。

札幌で出会って、11カ月後のことである。

死んだ親友のことはまた記そう。

次はヤツの墓前で再会しようと約束して別れた。

やっぱり昔の友は大事にしたい。


代表 辻だいち


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