わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

NPOグリーンウッド東日本大震災支援方針

2011年03月15日 | グリーンウッド震災支援方針・メッセージ
NPOグリーンウッド東日本大震災支援方針
「教育活動を通しての震災支援」



 このたびの「東日本大震災」にて被災されました皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。また、震災により尊い命を無くされました皆様のご冥福を謹んでお祈りし、ご遺族の皆様に深くお悔やみを申し上げます。

 今回の震災にあたり、東北の沿岸部では小規模自治体や集落が、根こそぎ海に持っていかれてしまいました。また、原子力発電所の被害は、福島県の小規模自治体のみならず、もはや日本全体の危機に発展しています。
 人口1900人を切る、へき地山村の泰阜村で教育活動を行う私たちにとって、それを他人事にはできません。泰阜村は、国道も信号もコンビニもないような厳しい立地条件ですが、それが故に村内の資源を総動員して、村民が支え合いながら村を維持してきました。
 その泰阜村で25年間育てられた私どもNPOグリーンウッドは、度重なる災害に際して、泰阜村が大事にし続けてきた「支え合い」や「お互い様」を土台にした本質的な支援を、次の通り地道に行ってきました。

 1995年に発生した阪神大震災では、のべ4人の被災児童(西宮、芦屋、神戸の小学生)を3年間、暮らしの学校「だいだらぼっち」に受け入れました。生活と教育はNPOグリーンウッド、学校は地元小学校、サポートは地域住民、経費は全額村が負担するという、
村をあげての受け入れ態勢を作り、長期にわたる支援を続けました。
 1997年に福井県三国町沖で転覆した重油タンカー事故では、暮らしの学校「だいだらぼっち」のこどもが中心となり、泰阜村民と共に数回にわたり猛吹雪の中で油を掬いました。その際、「神戸のお返しや」と、村で受け入れた阪神大震災被災児童も参加しました。
 2004年に発生した中越地震では、暮らしの学校「だいだらぼっち」のこどもが新潟県長岡市やまどり地区に雪かきボランティアに行き、翌年の2005年夏にはやまどり地区の小学生と、同じく北陸集中豪雨で被災した福井県美山町の小学生を「信州こども山賊キャンプ」に招待し、泰阜村の小学生と合同自然体験教育キャンプを実施するなど、特にこどもに関わる支援を続けてきました。

 NPOグリーンウッドは今回の震災に際し、自分事として認識し、全力をあげて支援活動を行います。その方針は、「教育活動を通した震災支援」です。それは、長期的かつ泰阜村行政や地域住民他との総合的な連携による支援を意味するものです。
 災害発生当初はもちろん被災地での避難生活支援のサポートをさせていただきますが、NPOグリーンウッドがすべき支援はそれだけではありません。私たちがすべきことは、私たちの本分である教育活動を通して、長期的に被災者・被災地を支えることです。
 支援内容の概要は次の通りです。

1. 暮らしの学校「だいだらぼっち」への被災児童長期受け入れ(山村留学における教育委員会や地元学校との調整も含む)
2. 「信州こども山賊キャンプ」を通した被災支援基金創設(使途は被災児童支援)
3. 「伊那谷あんじゃね自然学校」及び「あんじゃね支援学校」を通した泰阜村民の叡智の結集による義損金・物資支援
4.  全国ネットワークとの協働による支援
5.  その他

 私たちは、全力を挙げて暮らしの学校「だいだらぼっち」や「信州こども山賊キャンプ」を実施します。自然の猛威におびえきった東日本のこどもたちに、もう一度自然の素晴らしさを伝えたいと強く思います。失われた小さな集落の底力を、もう一度こどもたちに伝えたいと強く思います。
そして全国のこどもたちに、過酷な状況に陥ってもなお、周囲の人たちと協調しつつ生き抜くための「支え合いの気持ち」や「サバイバルスキル」、「的確な情報収集と判断能力」などを育成することに全力を注ぎます。

 願わくは泰阜村のような小さな地域が知恵を出し合い、それが束となって、息切れしそうな小さな地域を支える。そうした小さな地域同士の支え合いの構造を、今まさに創出すべきであると考えます。
 25年間で培ってきた、全国の自然体験活動団体ののネットワーク、へき地農山漁村で教育を通した地域づくりを行う団体のネットワークなどと有機的に協働し、今回の東日本大震災支援方針を形にしていくつもりです。

 今後、具体的な支援内容を確定し、NPOグリーンウッドに関わる皆様にご協力をお願いすることになります。どうか私どもの「支え合い」や「お互い様」を土台にした方針についてご理解をいただき、今後の支援活動にご協力をいただけますよう心よりお願い申し上げます。
 
 最後になりますが、被災地におかれましては、一日も早く普段の生活に戻れますよう、皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。

2011年3月15日


NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター
代表理事 辻 英之

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