「今度は保健室でがんばります!」
学生が最高の笑顔を残して教室を出ていった。
私の住む泰阜村は、長野県南部に位置する。
南部の拠点都市は人口10万人程度の飯田市。
飯田市には4年制大学がなく、唯一女子短大がある。
ということは、南部出身の進学希望の若者は、一度は南部から出ていく運命にある。
だから今、飯田市に4年制大学を創設する動きもある。
さて、私はこの飯田女子短期大学で、5年間授業を受け持ち続けている。
5年前までは、短大と正直あまり接点がなかった。
村のこどもたちの未来を考える「あんじゃね支援学校」に、短大の教授を招いたのがきっかけだ。
彼は議論を通して、飯田市の隣村に「かくも力強い実践とノウハウ」があると感じたらしい。
短大の教育の質を上げるためには、地域の教育資源と連携しなければ。
彼は奔走したそうだ。
そして、翌年から私は非常勤として授業を持つことになった。
▼学生の興味は、私の出張土産(笑)
現在、養護教諭(保健室の先生と言ったほうがわかりやすい?)を育てるコースで3つの授業を持っている。
「養護処置」という授業では、こどもたちの日常に潜むリスクについて教えている。
「ファーストエイド演習」という授業では、応急処置の国際認定コース(MFA:メディックファーストエイド)を実施する。
「青少年体験活動演習」という授業では、実際のキャンプボランティア実習を通して全国的な自然体験指導者資格を取得する。
いずれも私たちNPOグリーンウッドの得意分野がカバーされている。
それは逆に、短大が教室の中だけれは実践的な学びを提供しにくい分野であることに他ならない。
今年度後期は「養護処置」のみだった。
教科書には書いていないリスクがたくさんあること、それに瞬時に立ち向かって状況判断をしなければならないということ、それを15回の授業でワークショップを主体に考えてもらった。
ただ座って黒板に書かれる文字を暗記するだけだった学生には、私の授業はずいぶんと新鮮だったらしい。
彼女たちはまだ20歳になったばかりだ。
しかし短大ではもう卒業で、4月には社会に出ていく。
まだ赴任するところが決まっていない学生もいる。
それでも彼女たちは元気に出て行った。
「今度は保健室でがんばります!」
その底抜けに明るい笑顔を最後にプレゼントされた私は想う。
人生を前向きにとらえることができる若者が地域の未来を変えていく、と。
信州南部の若者が2年とはいえ地元の大学で学んだ。
そして、信州のために社会に出ていこうとしている。
がんばれよ。
信州の未来は君たちにかかっている。
▼NPOグリーンウッドのスタッフもゲストスピークしてくれた
▼教え子は、ほんとうにかわいい
しかし、もしかすると私の息子や娘の小中学校に赴任してくるかもしれない。
そう考えると不思議というか腑に落ちるというか。
まさに「学びは循環している」と感じる。
人を育てる醍醐味を私も感じている。
学生が最高の笑顔を残して教室を出ていった。
私の住む泰阜村は、長野県南部に位置する。
南部の拠点都市は人口10万人程度の飯田市。
飯田市には4年制大学がなく、唯一女子短大がある。
ということは、南部出身の進学希望の若者は、一度は南部から出ていく運命にある。
だから今、飯田市に4年制大学を創設する動きもある。
さて、私はこの飯田女子短期大学で、5年間授業を受け持ち続けている。
5年前までは、短大と正直あまり接点がなかった。
村のこどもたちの未来を考える「あんじゃね支援学校」に、短大の教授を招いたのがきっかけだ。
彼は議論を通して、飯田市の隣村に「かくも力強い実践とノウハウ」があると感じたらしい。
短大の教育の質を上げるためには、地域の教育資源と連携しなければ。
彼は奔走したそうだ。
そして、翌年から私は非常勤として授業を持つことになった。
▼学生の興味は、私の出張土産(笑)
現在、養護教諭(保健室の先生と言ったほうがわかりやすい?)を育てるコースで3つの授業を持っている。
「養護処置」という授業では、こどもたちの日常に潜むリスクについて教えている。
「ファーストエイド演習」という授業では、応急処置の国際認定コース(MFA:メディックファーストエイド)を実施する。
「青少年体験活動演習」という授業では、実際のキャンプボランティア実習を通して全国的な自然体験指導者資格を取得する。
いずれも私たちNPOグリーンウッドの得意分野がカバーされている。
それは逆に、短大が教室の中だけれは実践的な学びを提供しにくい分野であることに他ならない。
今年度後期は「養護処置」のみだった。
教科書には書いていないリスクがたくさんあること、それに瞬時に立ち向かって状況判断をしなければならないということ、それを15回の授業でワークショップを主体に考えてもらった。
ただ座って黒板に書かれる文字を暗記するだけだった学生には、私の授業はずいぶんと新鮮だったらしい。
彼女たちはまだ20歳になったばかりだ。
しかし短大ではもう卒業で、4月には社会に出ていく。
まだ赴任するところが決まっていない学生もいる。
それでも彼女たちは元気に出て行った。
「今度は保健室でがんばります!」
その底抜けに明るい笑顔を最後にプレゼントされた私は想う。
人生を前向きにとらえることができる若者が地域の未来を変えていく、と。
信州南部の若者が2年とはいえ地元の大学で学んだ。
そして、信州のために社会に出ていこうとしている。
がんばれよ。
信州の未来は君たちにかかっている。
▼NPOグリーンウッドのスタッフもゲストスピークしてくれた
▼教え子は、ほんとうにかわいい
しかし、もしかすると私の息子や娘の小中学校に赴任してくるかもしれない。
そう考えると不思議というか腑に落ちるというか。
まさに「学びは循環している」と感じる。
人を育てる醍醐味を私も感じている。
代表 辻だいち