わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

先生の声はいつも優しくて…

2015年01月21日 | 泰阜村が大学になる
今年度最後の授業のリアクションペーパーにはこう記されていた。

「先生の声はいつも優しくてききとりやすかったです」

先生とは、私である。

立教大学の「自然と人間の共生」という授業で1年間、教鞭をふるってきた。

毎回の授業ごとに、リアクションペーパーに感想や学び、そして私への「つぶやき」が記される。


▼これがリアクションペーパー






東日本大震災の直前の冬、立教大学から非常勤の授業をお願いされた。

毎週東京に出てきてくれという。

私の住む南信州泰阜村から東京までは5時間もかかる。

しかも授業名がふるっている。

「自然と人間の共生」

気の遠くなるようなテーマではないか。



往復10時間もかけて、毎週通えるわけがない。

何よりこんな壮大なテーマで私が話せるわけもない。

そう想って断りかけたが、担当者の一言がそれを押しとどめた。

「泰阜村の人々の暮らし、それがそのまま自然と人間の共生でしょう。それを語ってください。もちろんそこで展開される教育活動も。ぜひ。」

わが意を得たりとはこのことか。

常々、泰阜村の厳しい自然と向き合って暮らしてきた人々の壮絶な営みについて、若者に伝えたいと思っていたからだ。

泰阜村まで足を運べない青少年にも、この泰阜村の教育力を説くことができたら。

迷いはなかった。

2011年4月からの授業は、震災によって1ヶ月以上も開講が遅れた。

以来、今日まで約4年間、毎週東京通いを続けている。


▼おしゃれで重厚な雰囲気の立教大学




▼前期も後期も、約300人ずつの学生が履修してくれる





この授業の目標は次の通りだ。

「へき地山村に住む人々が営む自然と共存する暮らし。その暮らしに潜む教育力を学び、今求められる自然と人間の関係性を考える。」

学生諸君がこの目標を達成するために、私は渾身の力で彼らに語りかけた。

時には泰阜村から猟師が、時には福島県飯舘村から被災者が、授業に来てくれた。

今後彼らが生きる社会では、「関係性」を深く考察するチカラが必ず必要になる。

そして、「関係性」を丁寧にたどるチカラも。



ほんの少しだけ、最後のリアクションペーパーを写真で紹介したい。

14回の授業の感想である。

オマケで学生諸君の率直な「つぶやき」も紹介した(笑)


▼そうか。俺も、「がんばらなくちゃ!」と想って往復10時間かけてましたよ。授業、聞いてくれてありがとう。





▼徹底して考えた将来が、「メイクセラピスト!」 がんばれ。応援してる!





▼そうそう、夢は叶えるものだからね。





▼俺もこたつ大好きです。レポートがんばれ!





▼ほんと遠いんだよ泰阜村は。いつかみんなで遊びにおいで。授業、聞いてくれてありがとう





▼そうなんですか。女子の本音やね。





▼俺も来週沖縄に行くよ! ソーキそば、うまいよな~





▼4年間いて、考える授業が初めてなんて、立教大丈夫か!?  彼女と仲良くやってください!





▼やさしい気持ちになれたならよかった。また会おう!





▼300人と距離を縮めるのはたいへんなのだ。単位ほしけりゃ試験がんばれ!






私の声がやさしいかどうかはわからない。

ましてや聞き取りやすいかどうかも。

私は決して話が上手なほうではない。

むしろ下手の部類だろう。

でも、私には「伝えたい」という強い想いがある。

そして、「伝えたいもの」「伝えなくてはならないもの」がある。

それをどうにかして、なんとしてでも、若者の心に送り届けるのが、大学での私の使命なのだ。

聞き取りやすかったならよかった。

これからも丁寧に、伝えつづけよう。

学生諸君、がんばれよ!


代表 辻だいち

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