わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

言葉の力が試される

2011年09月02日 | 日々雑感
 2日前に、晩秋に出版予定の本の原稿〆切です!と言っていました。

 そんなに簡単に終わらせてくれるわけがありませんでした(笑)。

 実はさきほどまで、最後の原稿修正と写真や図表データの細かい指定作業が続いていました。

 NPOなので資金が潤沢にあるわけでもなく、ライターさんに依頼することもできません。

 そこで、ホームページのコラムを10年ほど書き続けてきたり、新聞の連載をしたこともある私が、執筆者となって書き下ろすことになりました。

 ただ、口で言うのは簡単ですが、やっぱり書くというのは本当にたいへんな作業です。

 ここまで8ヶ月かかりました。


 その執筆の最中の東日本大震災でした。

 この本は、泰阜村の風土や文化から導き出した教育力によって事業を行い、支えあいの村づくりに挑戦してきたグリーンウッドの25年の歴史と実践をまとめています。

 そして、その泰阜村の「支え合い」「お互い様」の教育力が、震災支援に役立つのではないか、そう信じて立ち上げたのがグリーンウッドの震災支援プロジェクトです。

 改めて私たちグリーンウッドの震災支援方針をご覧下さい。こちらへ

 私たちは、4月1日から暮らしの学校「だいだらぼっち」(山村留学)において、被災したこども2人を一年間の長期にわたり受け入れています。

 6月には、放射線量の高い福島市からも1人のこどもを長期で受け入れています。

 そしてご存知のように、信州こども山賊キャンプに、フクシマのこども47人を招待しました。その活動の様子や支援の様子はこのブログで紹介してきたとおりです。

 そしてきっと、冬のキャンプにも、来年の夏のキャンプにも被災したこどもを招待するでしょうし、来年の暮らしの学校「だいだらぼっち」でも受けれ入ると想います。

 支援は長期でなければ意味がありません。


 長期にわたる支援活動、それはしっかりとやりぬいている自負はあります。

 現場の活動を生み出すNPOなのですから。

 しかし、この本では、これらの活動の意義を言葉に替えて、伝えられるかどうかが試されています。


 四半世紀にわたって続けてきたグリーンウッドの教育活動。

 その教育的意義、そして社会的意義が、村の人びと、全国の人々に伝わるのか。そして被災地のみなさんに伝わるのか。

 そして、伝わるような噛み砕いた言い回しができるのか。

 私たちの揺るぎない強い意志が試されています。

 磨かれた言葉の力が試されています。

 一文字一文字の小さな力を侮るなかれ。

 私が振り絞って生み出した言葉には、このフクシマのキャンプを支えてくれた多くの人びとの重い重い「想い」と、泰阜村の人びとの暮らしの営み、そして私の人生を支えてくれる多くの人びとの歴史が込められています。


 ようやく脱稿の運びとなりました。

 実際はまだまだ作業は積み残していますが、本文原稿はこれで私の手から離れます。
  
 晩秋に「社団法人農山漁村文化協会」から出版予定です。ご期待下さい(ちゃっかり宣伝で申し訳ありません)


 このブログでも、一日一日の暮らしの積み重ねから生まれる言葉の力が試されていると想っています。

 読んでいただいているみなさんの心に届いているのでしょうか。

 ちょっぴり心配です。

代表 辻だいち