健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

抗生物質の処方

2016-05-21 08:30:07 | 研究
米国で処方されている抗生物質の3分の1近くは「不適当」であるとする研究論文がJAMAに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。抗生物質の過剰使用が原因で、米国では年間200万人が罹患、2万3000人が死亡している抗生物質耐性菌による感染症が増えているそうです。米国では2011年、2億6200万人の外来患者が抗生物質を処方されたそうで、人口約3億人の同国において、1人あたり1回処方の計算に迫る数字です。これら処方の不必要性を調べるため、国内で行われた複数の医療調査を分析し、年齢別と診断別に外来患者の経口抗生物質処方の割合を推測。その結果、対象となった外来受診18万4000件のうち、12.6%で抗生物質が処方されていたことが明らかに。全ての症状および年齢で、1000人あたりの抗生物質の処方は推定506件に。このうち、適切と考えられるのは353件にとどまったそうです。つまり、外来患者の推定30%に出された経口抗生物質処方は不適当だった可能性があるというのです。米国は、薬剤耐性菌に対抗するための国家行動計画において、2020年までに外来患者への不適切な抗生物質使用を50%削減する目標を設定しているそうです。
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年齢より老けて見える遺伝子

2016-05-20 08:30:52 | 研究
実際の年齢より約2歳老けて見える原因となり得る遺伝子変異がCurrent Biologyに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。その遺伝子は「MC1R」で、この遺伝子は、赤毛や白い肌の発生に関与することが、すでに科学的に解明されていたそうですが、今回人を実際より早く老けさせると思われる変異が特定されたというもの。見た目の年齢については、個人の遺伝的要因と環境的要因とが同等に関与していることが、これまでの研究で明らかになっていたそうです。また、何歳に見えるかは、その人の実際の健康状態と若死にするリスクに関連している可能性があるため、重要な特性であることが、別の研究で示唆されていたそうです。今回の研究では、オランダの高齢者2600人あまりのゲノム(全遺伝情報)を対象に、顔のデジタル画像から推定される顔の見かけの年齢としわの差異に関連するDNA変異がないかを調べたそうです。その結果、顔の見かけの年齢に関して最も強い関連性が認められたのが、MC1R遺伝子のDNA変異だったというのです。欧州で行われた別の2つの大型研究でも、今回の結果を検証することができたそうです。MC1R遺伝子変異の影響は、年齢、性別、肌の色、日焼けによる損傷などに左右されなかったそうです。またMC1Rは、炎症とDNA損傷の修復に関与することが知られているそうで、これらのプロセスは、人がどれほど若く見えるかに影響を及ぼす可能性があるということです。
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脳動脈瘤の治療

2016-05-19 08:30:09 | 研究
国立循環器病研究センターが、脳の血管にこぶができ、脳出血の原因となる「脳動脈瘤」の新しい治療機器の臨床試験(治験)を5月9日に始めると発表したそうです(YOMIURI ONLINE)。治験で使うのは、特殊なフィルムで覆われた長さ2~3センチ、直径3~5ミリの筒状の機器(ステント)で、国立循環器病研究センターが開発したものだそうです。脚の血管から送り込んだこの機器をこぶ周辺の脳の血管に挿入するとフィルムが血流を完全に遮断し、こぶが縮んで破裂を防ぐというもので、こぶに直接触れないため安全性が高いそうです。従来は、こぶの根元をクリップで留める外科手術などで血流を遮断していたそうですが、こぶが大きいと完全に遮断できず破裂するケースもあったそうです。治験は、国立循環器病研究センターなど3施設で実施し、現在の治療で根治が難しい患者12人に使い、2年かけて安全性と効果を調べるそうです。
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卵巣バンク

2016-05-18 08:30:15 | 研究
乳がんの治療などで卵巣機能を損なう恐れがある女性を対象に、摘出した卵巣を凍結保存して妊娠の可能性を残す「卵巣バンク」を今月にも設立するという発表があったそうです(YOMIURI ONLIEN)。抗がん剤治療などで不妊になる恐れがある女性がん患者が、妊娠の可能性を残す方法として卵子の凍結保存がありますが、十分な数を採卵できるとは限りません。卵巣には卵子の元になる細胞が多く含まれており、がんの治癒後、解凍した卵巣を本人の体に戻すと周期的な排卵が数年続き、自然妊娠の可能性もあるそうです。卵巣バンクは主に東京都内に設け、大学病院など提携医療機関から搬送された卵巣を凍結保存するそうです。また、患者の年齢は37歳以下とするそうです。
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人工知能と診断・治療

2016-05-17 08:30:43 | 研究
厚生労働省は、人工知能(AI)を活用した治療や診断の支援システムを製品化するための指針を策定したそうです(YOMIURI ONLINE)。人工知能を活用して病気の見落としを防ぐなど、医療の質を高めるとともに新たな産業の育成を図る狙いだそうです。人工知能は大量のデータを扱い、画像認識や情報検索が的確にできるため、医療分野への応用が期待されているそうです。具体的には、コンピューター断層撮影法(CT)の画像を入力すると自動的にがんを発見するシステムや、電子カルテの情報をもとに病名や治療法の候補を提示するシステムなどの研究開発が進んでいるそうです。厚生労働省は、こうしたシステムを医療機器として位置付け、メーカーが製造販売の承認を円滑に取得できるための指針を作ったということです。
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2018年にも火星に無人宇宙船

2016-05-16 08:30:48 | 研究
先日、米宇宙企業スペースX社が、2018年にも火星に無人宇宙船を民間企業として初めて打ち上げると発表したそうです(YOMIURI ONLINE)。同社は今月初めに、ロケットの1段目を洋上の無人船に着陸させるなど、高い技術力で注目されています。米国航空宇宙局(NASA)も協力する方針で、有人火星探査の実現に向けて、弾みがつくことが予想されているようです。同社はツイッターでスケジュールを発表。詳しい計画は明らかにしていないそうですが、米メディアによると、年内にも大型ロケットの打ち上げ試験を行う見込みだそうです。NASAの副長官は同社の発表後、資金提供はしないが、技術的な情報交換を進めていく方針を明らかにしたそうです。ちなみに、NASAは30年代の有人火星探査の実現を目指しています。
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精子の数をスマホで

2016-05-15 08:30:32 | 研究
少量の精液をスマートフォンで撮影し、精子の数を自分で確認できる器具が開発されたそうです(YOMIURI ONLINE)。器具はプラスチック製で、拡大機能のある直径0・8ミリの球形レンズが組み込まれているそうです。器具をスマホのカメラ部分に装着し、球形レンズの上に透明のフィルムを敷いたうえでスポイトで採取した精液を1滴滴下。約1秒間、動画を撮影し、その画像から精子を数え、精子濃度を推定するそうです。男性50人の精液について、3種類のスマホで撮影した結果と、医療機関で行われる自動解析の結果を比較した結果、医療機関で自然妊娠が難しいと判定された男性の場合、75~91%はスマホでも判定が可能だったそうです。
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アインシュタインの一般相対性理論

2016-05-14 05:30:31 | 研究
フランスが新たに打ち上げた人工衛星で、アインシュタインの一般相対性理論の検証実験が行われるそうです(AFPBB NEWS)。現代における重力の理解の基礎となっているアインシュタインの有名な理論を検証するのは、フランスの衛星「マイクロスコープ(Microscope)」。実験チームは、測定キットを使って、チタンと白金ロジウム合金という異なる2種類の金属片が軌道上でどう動くかを調べるそうです。宇宙空間では、地球で遭遇する摂動から逃れた状態で、ほぼ完ぺきな自由落下の状態にある2つの物体の相対運動を観察することができるそうです。さて、結果かはいかに。
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音楽を使った遊び

2016-05-13 08:30:27 | 研究
赤ちゃんの遊びに音楽の要素を取り入れると、言語能力習得の一助となる可能性があるとする研究論文がPNASに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、生後9か月の赤ちゃん39人とその保護者を対象とした小規模なもので、毎回15分間のセッション(遊び)を1か月にわたり12回ずつ行ったそうです。赤ちゃん20人のグループには、保護者と一緒に座ってもらい、童謡を聴きながら、音楽に合わせて太鼓を叩かせたそうです。音楽は、古くからある童謡のほか、野球の試合で定番となっている「私を野球に連れてって(Take Me Out to the Ballgame)」やワルツが使われたそうです。残りの赤ちゃん19人にも、玩具やブロックなどで活動的に遊ばせたそうですが、音楽の要素は排除したそうです。1か月後、それぞれの赤ちゃんに脳磁図(MEG)と呼ばれる脳検査を受けてもらい、グループ間での違いの有無を調査。その結果、遊びに音楽を取り入れたグループの赤ちゃんは、注意力の制御やパターンの検知に関わる聴覚皮質と前頭前皮質の反応がより強かったというものです。
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出生前検査

2016-05-12 08:30:05 | 研究
妊婦の血液を採取して、ダウン症などの胎児の染色体の病気を調べる新型出生前検査の共同研究組織は、2013年4月の開始から昨年12月までに2万7696人が検査を受けたことを明らかにしたそうです(YOMIURI ONLINE)。新型検査では469人が陽性となり、羊水検査などで434人が胎児の病気が確定。そのうち約8割の334人が人工妊娠中絶をしたそうです。妊娠を継続したのは12人で、残りは子宮内で胎児が死亡するなどしたそうです。新型検査は、日本医学会が67施設を認定して、臨床研究として実施。妊婦の血液に含まれる微量の胎児のDNAを分析し、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの三つの染色体の病気の可能性を調べるもの。主に35歳以上の妊婦が対象で、妊娠、出産を望む女性の年齢が上がっているため、検査を受ける人は毎年増加しているそうです。
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