健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

体重増の死亡リスク

2016-05-28 08:30:55 | 研究
体重が標準より重い部類に入ることは現在、少なくとも死亡リスクに関してみると、1970年代ほど危険ではなくなっていることを示唆する研究結果がJAMAに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。体重と身長の比率の最適値である体格指数(BMI)は現在、健康とされる範囲の上限側にあるそうです。今回の調査報告は、デンマークに住む10万人以上のデータに基づくものだそうです。調査は3つの対象集団にわたって実施され、1976~1978年、1991~1994年、2003~2013年の3期間にすべての理由による死亡率をそれぞれ調査。体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割って算出するBMIについて、医師らは現在、18.5~24.9を普通体重と定義し、BMIが25~29.9で過体重、30以上で肥満とみなされています。1970年代では、死亡率が最低となるBMIの最適値は23.7。この値は、男性では身長183センチで体重77キロ、女性では身長165センチで体重65キロに相当。ですが、このBMI最適値は、1991~94年の調査では24.6に増加し、2003~13年では27に。これは40年前と比較して、身長183センチの男性で体重が14キロ、身長165センチの女性で体重が9キロ、それぞれ増加したことに相当するそうです。1970年代には、肥満とされる人は標準体重の人に比べて死亡率が高かったが、2000年代になるとこの関連性が消失。普通体重と比較して肥満の方が、原因を問わない死亡率がどれだけ上がるかは、1976~78年には30%だったが、2003~13年には0%となっているそうです。今回の最新成果は、過体重になることが死を防ぐことを意味するわけではなく、多くの外的影響(交絡)因子がこの結果をもたらしている可能性があるとみるのが正しいということです。
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