健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

脳腫瘍と抗がん剤

2014-01-06 08:30:32 | 研究
一部の抗がん剤を使い続けると、グリオーマと呼ぶ脳腫瘍が増殖しやすくなるとした論文が発表されたそうです(日本経済新聞)。抗がん剤の使用中に遺伝子の変異が修復されずに残り、脳腫瘍が増えやすくなるそうです。その一方で、がんを小さくする効果自体はあり、使い方の工夫が必要ということも。代表的な脳腫瘍であるグリオーマは、脳腫瘍全体の4分の1を占めるそうです。研究では、腫瘍を切除した後で再発した患者で抗がん剤の「テモゾロミド」を使い続けた患者の約半数に、特定の遺伝子変異を見つけたそうです。脳腫瘍に使う抗がん剤はアルキル化剤とも呼ばれ、一般にがん細胞のDNAにくっつき腫瘍が複製できないように妨げ、がん細胞が分裂・増殖できないようにするそうです。今回の研究では、腫瘍細胞にDNAの変異が蓄積し、再発時に腫瘍の増殖に関する信号伝達が活発になっていたというのです。がん細胞の働きを妨げる遺伝子の機能も抑えていたとも。結果としてがんが増殖しやすくなると考えられるそうです。抗腫瘍効果はあるものの、使い続けると逆の効果を持つようになるということで、一定期間使ったら別の薬剤に変えるなど適切な使い方が必要となるということです。
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