健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

下半身不随患者に対する電極移植術

2014-04-12 08:30:03 | 研究
下半身不随患者の失われた神経機能回復を助ける下部脊髄への電気刺激の技術にさらなる進歩がみられたとの研究報告が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この技術は3年前に1人の患者に対して慎重な試験が行われた後、交通事故で下半身不随になってから少なくとも2年が経過した別の若い男性患者3人で臨床試験が行われてきたものだそうです。論文によると、下部脊椎の神経束に電気刺激を与えるための電極を移植された患者らは、自発的に膝を曲げたり、腰や足首、つま先を動かしたりできるようになったとそうです。患者4人は、歩行こそできなかったが、この目標に向けての重要なステップとなる「体重の一部を自分の力で支えること」はできるようになり、快適な生活という面で「劇的」な改善を経験したということです。また、患者のうちの2人は、両下肢のまひだけでなく、下半身の感覚喪失との診断も受けており、回復の見込みはなかったとも。この電極移植術は、リハビリ療法と並行して行われるもので、脊髄ネットワークに神経機能を習得・改善させるために必要な電気刺激量を時間とともに徐々に小さくすることを目的としているものだそうです。被験者には、筋肉量や血圧の改善、疲労の軽減などのさまざまな副効用も認められたそうです。
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