健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

STAP細胞

2014-04-02 08:30:21 | 研究
STAP細胞をめぐる問題について、理化学研究所の調査委員会は昨日、最終報告書を発表しました。ニュースなどで報道されているので、もうすでにご存じの方がほとんどだと思います。一部では、STAP細胞は存在するのか否かについて焦点が当てられているものもありますが、今回の最終報告書つまり調査委員会のミッションにSTAP細胞細胞の存在の真偽は含まれていません。調査委員会は、STAP細胞に係る2つのNature誌の論文に意図的な不正があったかどうかを調査していました。その結果、調査項目6個の内で2つに不正があったと認定したというものでした。サイエンスに関わる研究者として、今回の騒動は大きな問題をあぶりだしました。データの不正な加工と剽窃(いわゆるコピペ)だと思います。そもそもサイエンスでは、こうした不正行為はないという性善説の上に成立しているような印象を持ちます。特に実験サイエンスでは、実験して結果が出ることが研究者の醍醐味であると思います。もちろん、その結果が予想と違うものが出ることもあります、たとえ結果がどのようなものであろうとも結果が最も重要なものです。もちろん、その結果を正確にかつ丁寧に説明しないと、完全な自己満足の世界に陥ってしまいますので、公表して批判を仰ぐという作業をすることになります。その公表の過程で、データの不正な加工と剽窃があったとなると、何も信じられなくなってしまいます。正直、怪しい研究発表や論文に遭遇したこともありますが、今回はあまりにもインパクトが大きいものでした。今後、研究者を育成していく上での倫理教育を充実させていかなければならないと肝に銘じています。そのSTAP細胞問題。ひょっとしたら裁判になるかもですね。
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