私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

見返り

2008-01-03 08:39:25 | weblog
明けましておめでとうございます。
消えた年金から食品偽装、政官業界の疑惑、おぞましい殺傷事件に明け暮れた年も大晦日の大雪とともにイノシシからネズミにバトンタッチされた。年末から年始にかけてなんの変化もなく時間は刻んで行くだけなのに、それでも改まって神に願い事をし良い年であれかしと手を合わせる。「月日は百代の過客」といわれる一過性の時間に節目をつけて気持ちも新たに祈りをするのは、人間の力ではどうにもならないものをなにかに頼り助けてもらおうとする霊長類の考えた知恵だろうか。
運命は衣・食・住。チャンスは人・金・物・情報だとすれば、今の世の中あまりにも快楽主義、刹那主義、拝金主義が横行して味気ない人間関係を生み、これが秩序を乱し経済を混乱させ果ては戦争・自然破壊へと愚かな道を歩みつつある。「豊かな生活のためのシステムや道具は、人間から情感を奪っていく」という阿久悠氏のことばも素直にうなずける。
防衛省疑惑は、その立場を利用した次官が欲望の赴くまま見返り(反対給付)を求めたことが原因で人間の欲に対する弱さを露呈したものだ。小額のお賽銭を上げて神に願い事の見返りを一方的に求めるのであれば、まずは自ら目的達成の努力をし健康で生きられたことへの感謝の気持ちを表すことが大前提となる。毎日食べ、眠り、運動できるそんな普通の単純なことがどれほど幸せなことか。現役の頃には考えてもみなかったことが、気がつけばこんなにも大切なことであることを感ずる歳となった。年頭にあたり天の恵みである現在の境遇に感謝しながら高望みをせず家族全員の健康を願い産土神社を後にした。