私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

飲酒と運転

2007-01-29 09:41:46 | weblog
法務省は、悲惨な自動車事故の罰則を強化した刑法と道路交通法の改正案をまとめ今国会に提出する模様だ。それによると刑法における従来の業務上過失致死傷罪とは別に「自動車運転過失致死傷罪」を新設、その最高刑も懲役・禁固7年となる。
また、道交法では酒酔い運転が最高で懲役5年(現行3年)酒気帯び運転が最高3年(現行1年)に罰則をそれぞれ引き上げる。今後、両改正案が成立すれば両罪の併合で懲役10年を超える重罪となる。これに先般改正した「危険運転致死傷罪」(懲役20年以下)と合わせて悪質な交通事故に対する法的整備と抑止効果を図らんとしている。くるま社会の時代にマッチしその要請に基づく改正であり、私も運転者の1人としてこの改正案には大賛成で一日も早い成立を望んでいる。
もともと運転は、「認知」「判断」「操作」のサイクルを変わり行く道路環境、交通状況に適合させていく作用で、飲酒はこの一連の神経、運動能力を麻痺させることによって「危険予知」「危険回避」を遅らせ、事故に直結する悪質な危険行為だ。車両は「走る凶器」「走る棺桶」と言われるほど危険なものであるだけに、運転者には最低限正常な状態で運転する社会的責任が負わされることは当然である。
「飲酒運転追放」「脱・飲酒運転」の機運は高まりつつあるが、これを絶滅させるには運転者の自覚は勿論、その取締り方法も従来の検問方式だけでなく、聞き込み、張り込み、尾行等自然犯に対する捜査手法を取り入れて強化しなければ、真の悪質な飲酒常習ドライバーは道路から排除することはできない。
昨日の運転者が今日の道路を明日の車に乗って事故を起こすことのないように・・・。

データー捏造に思う

2007-01-26 09:17:40 | weblog
フジ系列の関西テレビが放映した「発掘!あるある大事典Ⅱ」の内容が捏造データーをもとに行われたことで、番組制作のあり方が厳しく問われている。納豆のダイエット効果を紹介したものだが、その制作過程で検査、通訳、比較写真・データー等がでたらめで引用写真も無断とあれば開いた口が塞がらない。
テレビは過去にも各局が寒天、青りんご、花粉症、幻のエビ等を取り上げて特集してきたが、これらは果たして真実を伝えてきたものか部外チームによる検証作業をして欲しいものだ。今までにも気になっていたが、テレビ業界もやらせ、捏造、低俗番組に加えパパラッチまがいの節度のない取材等公共の電波を私物化し、視聴率確保の為の過当競争を展開している。
一方、新聞もインターネットの普及から購読部数、購読者とも年々減少している。大手新聞が読者の意向も考えず一方的な値上げや休刊日を設定、地方紙もこれに便乗追随するとあれば、今後この傾向はますます強まり“業界ぐるみの談合”と言われかねない。
今やマスコミは立法、司法、行政の三権に次ぐ「第四の権力」とまで言われている。「社会の公器」「権力の監視役」を自認するマスコミが事実を曲げて報道し、説明責任も自浄作用も放棄する体質では他を批判する資格などない。
今回の「あるある-」は氷山の一角であり、こうした捏造や誤報が生ずる要因の根底には「視聴率」「購読数」「スクープ合戦」等が内包していることに心し、少なくとも事実より利益が優先することのないよう今回のケースを「他山の石」「反面教師」に各局は真実の報道に取り組んでもらいたいものだ。

故人今昔

2007-01-23 10:13:55 | weblog
先日歌手の井沢八郎氏が食道ガンのため急逝した。享年69歳。私と同じ年代を生き抜いた同年代の歌手だけに、美空ひばりや江利チエミ同様身につまされる思いで当時を回顧している。昭和30年代集団就職、就職列車、金の卵達が農山村から若い労働力として大量に上京、彼らが今日の高度経済成長の礎を支えてきた。
その玄関口であった「上野駅」には着く度に“故郷の香り”がし“心の駅”として“くじけちゃならない”と自分に言い聞かせ必死に頑張った遠い昔の想いが頭をよぎる。あの17番線ホームを何十回いや百回以上降り立っただろうか。その度にハリのある声で歌い上げる人生の応援歌「あヽ上野駅」にどれほど救われ励まされたことか。あれから幾星霜・・・あの頃就職した彼らも団塊の世代を迎え、上野駅も新幹線の開通とともにその座を東京駅に譲り、そして絶唱した井沢氏も故人となるに至り時の流れは全てを呑み込み変えつつある。
また、先日89歳で逝去した日清食品社長安藤百福氏。昭和47年「即席めん」を開発。カップヌードル、チキンラーメン、ペヤングソース焼きそば等は常食のほかおやつ、非常食としても爆発的な人気があった。お湯を注ぎ3分の時間が待ちきれず乾めんのままボリボリ食べた記憶も懐かしい。この即席めんの出現によって当時の学生、企業戦士達がどれほど空腹を満たされ救われたことか。戦後の日本の台所と食生活を大きく変えた功績といっても過言ではない。
ご両人とも「歌と製品」という大きな遺産を残して他界したが、あまり美しくない今の日本を天国からどのように見ているだろうか。ご冥福をお祈りするとともに隔世と今昔の感がする。

ツボカビ症

2007-01-19 23:22:33 | weblog
世界各地でカエル等両生類を絶滅に追いやっている「ツボカビ症」が、昨年12月ついに東京で初めて確認された。アジアでも初めてだそうでこの感染力は強く致死率90%を超えるとあれば、両生類の絶滅が危惧され由々しき問題だ。
ツボカビは真菌の一種。もともとアフリカ固有の菌だったものが日本に入ってきたことが推定されるが、すでに豪州、中南米の両生類がこのツボカビによって壊滅的被害を受けているという。人への感染が確認されていないという理由だけで、この事態を放置してよいものか。
H5N1型鳥インフルエンザのウイルスにはあれほど神経質だった国もこの問題については対策も示さず、かろうじて生物学関係の学会や民間団体が共同の「緊急事態宣言」を出したにすぎない。はたして原因は何か。土地開発による自然破壊、化学物質による汚染・消毒、無節操な輸入・販売等がカエル減少の理由だろうが、このツボカビ症がさらにこれに追い討ちをかけることになる。
カエルは人間には何の害も与えない。日本の多様な自然の生態系は、陸でも水中でも彼らの生存なくして形成されない。古来から日本人の精神風土や文化に深く係わってきたこの愛すべき彼らを恐ろしいツボカビ症から守ってやりたい。
「ぼくらは日に何ミリずつ傾きを加えていき、実はこの60年間ですっかり倒れる寸前の体勢になっているのに気付かないでいる。」   - 阿久 悠 ー
阿久氏のこの忠告はツボカビへの警告ばかりでなく、今の荒廃した日本人の歪んだ精神構造に警鐘を乱打しているような気がしてならない。

品質管理

2007-01-16 08:54:29 | weblog
大手菓子メーカー「不二家」が消費期限や賞味期限を偽り、シュークリーム等の生菓子を製造していた問題で、同社の法令順守・管理体制の不備に批判が集まっている。人身の実害はなかったものの消費者の安全に対する信頼を裏切った背信行為で社長の辞任をはじめ社会からペナルティーを受けるのは当然である。
同社は昨年11月事実を把握していながら、これを隠蔽してかき入れ時のクリスマス、年末商戦を乗り切ったわけだ。公表を遅らせたことについて、社長の藤井氏は「認識があまかった」と謝罪したがこの隠蔽体質と会社ぐるみの不正に批判が集まり、全国の主要百貨店、スーパー等からの製品撤去や株価の急落が続いている。
昭和13年設立。約70年の創業歴史をもち「ペコちゃんポコちゃん」の人気とともに業界トップの座を築いた老舗が、一夜にして奈落の道を辿り地に堕ちることとなった。過去にも記憶に新しいところでは「雪印」「国土」「パロマ」といったブランドを誇り名門の優良企業がその対応を誤り、そのタイミングが遅れたばかりに組織の存亡にまで発展した事例は枚挙にいとまがない。またしても前者と同じ轍を踏むことになった不二家には学習効果がみとめられないばかりか同族経営、甘い認識、ずさんな品質管理、馴れ合い人事等が見え隠れする。
今や国、自治体、企業の多くは「危機管理室」「コンプライアンス室」を設けて意識改革をはじめ守りの部分を強化している。国民の意識変化や内部告発など時代の変化に対応できない組織はサバイバルに生き残れない時代だ。不二家も脇を固め、製品の管理以前に「人の品質管理」を高め、社是である「愛と真心をこめて」お客の信頼を取り戻し、再生を図って欲しいと願っている。

2007-01-13 11:09:06 | weblog
毎年一字でその年を表す試みが行われており、昨年は「命」が選ばれ清水寺貫主が墨痕鮮やかに揮毫したのはつい先頃のことだった。
確かに昨年は災害に加え事件・事故、虐待、自殺等多くの命が失われ、人命軽視の風潮さえ蔓延しかねない年でもあっただけに、この「命」が報道された時にはある意味で納得した。ところがあれから何日も経たない年末から年始にかけ、この命にかかわるとんでもない殺人事件が次々に発生している。
・1月 4日 都内渋谷区歯科医宅で自分の妹を殺害、バラバラにして屋内に隠匿していた実兄の武藤勇貴(21)を逮捕
・1月11日  都内新宿区のマンションで夫が殺され、バラバラにされたうえ都内3ケ所に遺棄された事件で妻の三橋歌織(32)を逮捕
・1月11日  茨城県坂東市の川辺に切断された胴体部分が発見、未解決
両容疑者とも犯行後「妹は傲慢で恩知らず」「夫は私の存在や夢を全て否定した」と自供しているところをみると憎悪に満ち満ちており、その後のバラバラにする行為は運搬を容易にするための事後行為であってさして稀有なケースでもない。「愛」と「憎」の裏表は紙一重だ。
複雑な人間関係の社会にあっては、内心では殺したいと思っている予備軍はこの他にも万といるだろうが、理性やしがらみがこれに歯止めをかけているにすぎない。ゲームセンターもまんがの世界もホラー映画も画面のうえで簡単に人の命を奪うシーンが多く、こうしたバーチャルリアリティー(仮想現実感)が理性を麻痺させ、抑制力や耐える力を弱めているような気がしてならない。第3第4のバラバラ事件が発生しないことを願うのみである。

爽やか成人式

2007-01-09 13:49:12 | weblog
昨日(1月8日)は成人の日。全国で139万人の新成人がそれぞれの形で祝ったが、戦後その数は2番目に少なく総人口に占める割合は1.09% 100人に1人の計算で、まさに高齢化を反映し少子化の進行を投影している。
市町村合併での分散開催や飲酒運転追放の風潮から“荒れる成人式”を防ぐための試みもなされたが、残念ながら今年も一部会場では逮捕者まで出る始末となった。
そんな中でひときわ目をひき脚光を浴びたのが、財政破綻した北海道夕張市の成人祭である。市からの補助は全くなく前年からの繰越金1万円。地元の仲間6人でつくった実行委員が中心となり地元や周辺、全国に呼びかけカンパを募った。その結果なんと230万円余の善意が集まり20万円をこの成人祭の費用として使ったという。看板、風船、飾りつけ等はすべて自分達のボランティア“手づくり”で形よりも内容を重視、若者らしいセンスと演出で、祝福の真心と感謝の気持ちが随所に表現されていた。
喜びと涙の中で開催されたこの成人祭は、従来の形式的な式典とは異なりお互いに期するものを感じ取り充実した爽やかなものだったに違いない。
逆境にあってなお自分達で自立しようとする若竹達の気概に思わず拍手をおくった。こうした若者達が地元にいて活動している限り夕張は必ずや再生し、以前の平穏で豊かな住処になって欲しいと願い陰ながら応援している。

素晴らしい年賀状

2007-01-05 23:03:23 | weblog
今年も沢山の年賀状が全国各地各所から到達し、今その返信に追われている。
おそらく今年も何億枚という大量の年賀状が日本列島いや海外にまで行き来したことだろう。毎年恒例となり歴史のある年賀状ではあるが、形式、虚礼に流れたパフォーマンスでその不要論さえ出ているが、私は「脱・年賀状」の意見にはにわかに賛成も出来ずまして実行に移す勇気もない。1年間のご無沙汰を謝し、近況や抱負等が添え書きされていることによってお互いの無事な存在を確認し合えれば年賀状の果たす役割り意義は限りなく大きい。
過日、作家曾野綾子氏が全国の子供に宛てて「優しい英雄になるための6つの提案」と題して年賀状形式で新聞に投稿した記事を読み感服した。その6つの提案とは
  ・ある日曜日に朝飯と昼飯を抜いてみること。
  ・一家で食事をする時はテレビを消すこと。
  ・毎日少しずつでもよいから本を読むこと。
  ・男の子も女の子も家の手伝いをすること。
  ・荷物をもって歩けるようにすること。
  ・優しい同情の心をもてる人になること。
であり、実行するには決して難しいことでもなく一見奇抜のように感ずるが、実は現代の子供の成長過程での本質的な弱点を指摘している。
今年は年初めからこんな教育的効果のある分かりやすく素晴らしい年賀状に出会えた新年の幕開けだった。

希 望

2007-01-03 11:18:08 | weblog
あけましておめでとうございます。
今年は里に雪のない穏やかな正月で新年を迎えることができました。地球温暖化が問題となっている昨今、こうした日々が続き喜んでいることがはたして将来にわたってよいことなのか疑問です。目先の環境だけにとらわれず巡りくる自然の恵みや厳しさを素直に受け止めそれに耐え、順応していくことが自然界の法則のような気がします。
ところで、昨年1年間このブログを通じその時々の問題について私なりの思い、怒り、提言等を投稿してきました。また、その一部は昨年5月「ヤゴ自嘲記」として出版もしました。その結果多くのブロガーから年間
閲覧数15,715件(月平均1,309件) アクセス数7,866件(月平均655件)
の訪問をいただき感謝しております。ありがとうございました。また、年初めから年賀状等を通じて読後の感想やコメントを寄せてくれる方も多く、本当に投稿を続けてきてよかったと実感しているところです。時には挫折しそうな時もありましたが、年間、週間目標を樹て、これを継続することの大切さや喜びを教えていただき大きな力となりました。本年も老体、老脳にムチを入れ、希望(目標)を持ち、機会あるごとに駄文の投稿を続けて行きたいと考えております。どうぞお気軽に訪問、刺激を与えていただくようお願いする次第です。
    「希望は賢人を育て 絶望は廃人を生む」  -ヤゴ-