旅 愁
♪ 更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとり悩む
恋しやふるさと なつかし父母 夢路にたどるは 故郷の家路
(アメリカ民謡)
明治40年から文部省育唱歌として歌われてきた「旅愁」の一節である。
紅葉盛んな10月28日は長兄が他界してから40年目の命日に当たる。生きていれば84歳になるだろうか。母の20年とあわせて残った三人の姉弟夫婦で伊那の実家に帰り供養してきた。母は貧農の次女として生まれ村内で結婚、83歳の生涯を終えるまで五人の子供の成育に奔走した感がする。戦前戦後を通じ食糧難・生活苦の中にあっても人としての道をはずすことなくしつけ、その成長を見守り続けてきてくれた。そんな母あればこそ苦難を乗り越えてきた現在の自分があると感謝の気持ちとともに孝行出来なかった自分を悔いている。墓参の後、一時幼いころの思い出話に興じ故人を偲んだが、身内の数が少なくなるにつれ故郷との距離がだんだん遠くなる思いがするのはなんとしても寂しい。
先人はそうした思いを希薄にさせないためか、外国の曲に故郷にまつわる詩をつけ、古くから国民的唱歌として歌い継ぎ学ばせてきた。
「故郷の廃家」(アメリカ民謡)「故郷を離るる歌」(ドイツ民謡)「故郷の空」(スコットランド民謡)「望郷の歌」(ドイツ民謡)等々。
時代はすすみ各地で田舎ほど過疎化、後継者問題が生起しているが、祖先や故郷は心の支えとしていつまでも大切にしていきたい。そんな気持ちを強くした今回の帰省だった。
♪ 更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとり悩む
恋しやふるさと なつかし父母 夢路にたどるは 故郷の家路
(アメリカ民謡)
明治40年から文部省育唱歌として歌われてきた「旅愁」の一節である。
紅葉盛んな10月28日は長兄が他界してから40年目の命日に当たる。生きていれば84歳になるだろうか。母の20年とあわせて残った三人の姉弟夫婦で伊那の実家に帰り供養してきた。母は貧農の次女として生まれ村内で結婚、83歳の生涯を終えるまで五人の子供の成育に奔走した感がする。戦前戦後を通じ食糧難・生活苦の中にあっても人としての道をはずすことなくしつけ、その成長を見守り続けてきてくれた。そんな母あればこそ苦難を乗り越えてきた現在の自分があると感謝の気持ちとともに孝行出来なかった自分を悔いている。墓参の後、一時幼いころの思い出話に興じ故人を偲んだが、身内の数が少なくなるにつれ故郷との距離がだんだん遠くなる思いがするのはなんとしても寂しい。
先人はそうした思いを希薄にさせないためか、外国の曲に故郷にまつわる詩をつけ、古くから国民的唱歌として歌い継ぎ学ばせてきた。
「故郷の廃家」(アメリカ民謡)「故郷を離るる歌」(ドイツ民謡)「故郷の空」(スコットランド民謡)「望郷の歌」(ドイツ民謡)等々。
時代はすすみ各地で田舎ほど過疎化、後継者問題が生起しているが、祖先や故郷は心の支えとしていつまでも大切にしていきたい。そんな気持ちを強くした今回の帰省だった。