私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

26 メラミン

2008-09-29 10:17:11 | weblog
2007年メラミンが混入された中国製ペットフードがアメリカ等に輸出され、犬や猫が腎不全で大量に死亡した事件は記憶に新しい。あれから一年今度は中国国内において、このメラミンが混入した粉ミルクが原因で乳幼児50,000人に腎不全が起き、中には数名の死者も出る事案が発生している。
「メラミン」は、尿素とアンモニアから合成され、耐熱、耐水、機械強度などの点で優れていることから、工業的に大量に製造されている。本来使用目的が異なるので、食料品に混入することはあり得ないはずだが、タンパク含有量(窒素含有量)を多く見せかけ、コスト安の原料を製造するため粉ミルク等に有害物質であるこのメラミンを人為的に混入したことが容易に推察できる。しかも食料品に限らず医薬品や化粧品にまで拡大し、これが検査体制の弱さからノーチェック状態で世界各国に輸出されていたとあれば、ここにも中国特有の「安全軽視」「利益至上主義」の思想がはっきりと見てとれ、中国産原材料の不信感は増すばかりだ。心配していた日本も、中国製牛乳を原料とする丸大食品の菓子、惣菜など4品目からメラミンが検出され自主回収が行われているが、同様のケースは台湾、インドネシア、オーストラリア等にも飛び火している。
中国産の食料品については、昨年来ギョウザのメタミドホス、ペットフードのメラミンが問題となり不信感とともにその兆候があったのだから、徹底した検査をしていれば防げたはずだ。事故米や汚染米が食用として流通する日本が、低価格で供給量の豊富な中国産原料を無条件で使用したとしても不思議はないし批判も出来ない。


25 金正日将軍様

2008-09-24 10:20:28 | weblog
朝鮮中央日報は米国の外交筋の話として「北朝鮮の金総書記が数週間前に脳卒中となり、現在半身不随状態だが、意識はいくらかある状態」と伝えた。
中国やフランスからも世界的に権威のある脳卒中の専門医数人が北朝鮮に向かった話や毛沢東の命日と同じ9月9日北朝鮮が挙行した建国60周年記念式典にも金正日総書記が欠席したニュース等を総合すると、金将軍様の身の上に相当重病か異常事態が発生したことが推測できる。
「ならず者」「悪の枢軸」「テロ支援国家」の国際的レッテルを貼られてもなおしたたかに抵抗し続ける北朝鮮。そのトップで采配を振るう金将軍様が君臨し続ける限り拉致も核開発も6ケ国協議も解決はしない。彼はこの国や国民をどの方向に導いていこうとしているのか全く見えてこない。私はこの将軍が死ぬか失脚し、この後継者の終身制・世襲制が廃止されない限りこの国の将来も国民の幸せもないと思っている。
終身制にせよ世襲制にせよ早晩訪れる政権交代のリスクは避けられず、今世界が観測を巡らすのは、金正日後の北朝鮮への関心にほかならない。毛沢東失脚後の中国は、文化大革命の後指導者終身制を改め定年制を敷く契機となった。
今後、若し金正日氏が3人の息子の中から跡継ぎを選ぶとしたら、同じ轍を歩むことになり民主化など到底望むべくもなく期待もできない。「多くの犠牲を払い核を保有した目的も金王朝の維持にある」(中国専門家筋)一握りの権力者によって国のありようが左右される怖さに寒気を感ずる。この国の国民は、生活を犠牲にしてまで核を持つことを決して望んではいないはずだ。

24 事故米

2008-09-16 09:36:14 | weblog
事故米の流通をめぐってその取り扱い業者、農水省をはじめとする政府機関の姿勢のあり方が食の安全を害し社会問題化している。
「事故米」はもともと政府の保管米でカビの発生や水ぬれにより品質が劣化したり、基準値を超える残留農薬を検出したため用途を限定して売却する汚染米・輸入米を含めた政府米の総称だ。品質劣化の程度により家畜の餌や接着剤など非食用原料として販売されるべきものが、心ない中間販売業者や検査によって見抜けなかった政府機関によって大量に食品として出回り、焼酎、米菓子をはじめ病院、福祉施設、保育園にまで流通していたというのだから、驚きを通り越しその根深さを感ずる。
平成15年からの5年間で政府は7,400トンの事故米を販売している。大阪市の米加工販売会社「三笠フーズ」の場合は、発ガン性のカビ毒や基準値を超える残留農薬に汚染された工業用の事故米(輸入米)を食用として販売していた。政府から安く仕入れた事故米を食用として加工することによって10数倍も高く販売し、不当な利益を得ていたことに国民は怒っている。この間、農水省は96回もの立ち入り検査を実施していたが、まったく不正を見抜くことはできなかった。検査体制の甘さもさることながら、事前に検査日を教え売却先の調査は皆無であったことを考え合わせると、こんな検査は何回やっても意味はなく、むしろ癒着構造を疑いたくなる。今までにも牛肉、ふぐ、うなぎ、ミートホープ、比内鶏の産地偽装のほか中国産毒入り餃子等は、確実に消費者の食の安全に対する不信の増大を招いた。この上は消費者庁を設置、総合的な対策を推し進めていかないと、この種の問題は縦割り行政では対処できない。

23 力士とドーピング

2008-09-10 10:49:27 | weblog
本年8月2日日本相撲協会が全力士に行った抜き打ちドーピング検査(尿検査)の際、ロシア出身の兄弟力士露鵬(大嶽部屋)と白露山(北の湖部屋)の二人から大麻に陽性の簡易鑑定結果が公表された。
ドーピングは、競技能力を増幅させる可能性ある手段(例えば薬物)を不正に使用することで、スポーツ界においてはアンフェアーな行為として世界的に禁止されている。もちろん相撲界においても例外ではなく、これが厳禁されていることは当然である。この抜き打ち検査は、若ノ鵬(間垣部屋)が大麻を所持していた疑いで警視庁に逮捕されるという衝撃的な事件が発生、これが引き金となっている。さらにその前には時津風部屋の力士死亡事件、横綱朝青龍の品格騒動問題等国技を冒涜するような兆候があったのに、日本相撲協会は「いずれも師弟間の問題」としてその責任を部屋の親方に押し付け回避してきた。
財団法人「日本相撲協会」が、部屋や外国人の指導を怠り野放しにしてきた希薄な危機管理能力・意識がここまで問題を大きくしてしまったと言っても過言ではない。
結局、北の湖理事長、大嶽親方の辞任、降格と露鵬ら三力士の解雇で幕を引いた感じだが問題が解決したわけではない。改革すべき点はいっぱいあるだろうが、当面外国人力士対策である。秋場所の番付で外国人力士は720人中59人、十両以上の関取では69人中21人(30.4%)にのぼる。彼らは実力ランキング至上主義者でひたすら番付のランクアップのみを目指す。そして「強くなればなんでも許される」と勘違いをして行動に出る。これが問題だ。かつては高見山、曙、武蔵丸等「日本人以上に日本人らしい」外国人力士がいた。武蔵川新理事長には、今の「体・技・心」の風潮を「心・技・体」に変えるようその指導に期待している。

22 「NGO」と「ODA」

2008-09-05 11:14:13 | weblog
「NGO」(Non - Govemmental Organization)
国際協力に携わる「非政府組織」「民間団体」を意味する。国連と政府以外の民間団体との協力関係について定めた国連憲章第71条の中で使われている用語であって、NPO(「民間非営利団体」「民間公益組織」)とは異なる。
「ODA」(Official Development Assistance)
政府開発援助。先進工業国の政府及び政府機関が発展途上国に対して行う援助や出資のことで国際貢献の一つでもある。日本は、2007年において約7,800億円を拠出、世界第5位である。
このNGOとODAの活動をめぐり、海外で最近象徴的な事案が発生した。
アフガニスタンで非政府組織「ペシャワール会」の会員として地域住民のために活動していた邦人伊藤和也さん(31)が、8月26日アフガン東部ナンガハル州で拉致され、翌27日遺体で発見された。
一方、急激な経済成長が進むベトナムでは、ODAの大型事業の請負いをねらい、東京都の大手コンサルタント会社「PCI」がホーチミン市の業務管理局長に贈賄攻勢をかけ、その総額は3億円近いと報じられている。
片や自衛隊も警察も引き上げた危険地帯において、丸腰で命の危険にさらされながら崇高な使命感に燃えて地域住民のために人道支援活動をしている若者がいる一方で、自分の利益のために政府資金(税金)を湯水のごとく使い、甘い汁を吸っていた業者との落差はあまりにも大き過ぎる。不正競走防止法では、3億円を受領した収賄側の罰則規定がないのも納得がいかない。 ああ無情!

21 福田首相の退陣

2008-09-02 15:56:01 | weblog
防災の日の9月1日永田町に激震が走った。福田首相による総理・総裁の辞任記者会見である。奇しくもこの日は民主党の小沢一郎代表が、代表選への正式な出馬表明をした日と重なった。この辞任会見を聞き1年前の9月12日安部晋三前首相の政権投げ出し辞任とオーバーラップし、あまりにも突然の辞任に゛福田さんあなたもか゛と同じ轍を踏んだ福田首相の言動を疑った。
「背水の陣内閣」として華々しく登場、柔らかな物腰の割りにはしぶとさ、したたかさを感じ、ねじれ国会の運営には適しているだろうと期待されていた。必ずしも良くない政治環境の中にあって、道路財源の一般財源化、消費者庁創設への道筋、中国との関係改善(東シナ海・ギョウザ問題)、C型肝炎訴訟の決断等々一定の成果は認めるにしても、景気対策、年金・医療問題、国際貢献等これから先与党として首相としてやるべきことは山ほどあるはずだ。それを臨時国会の開会を目前にしてこのタイミングで辞任を表明する真の理由を知りたい。
政界において野党が反対するのは想定内であり折込済みずみのはずだ。会見を聞く限りでは、自民党・公明党内から退陣の不協和音が出た話や洞爺湖サミットや改造内閣後も内閣支持率は低迷し、「福田首相では衆院選は戦えない」といった辞任理由は全く話題にもならなかった。「国民の目線」をモットーとしていた福田首相は、「政治空白をつくらない」「新体制で政策実現を」と言うが、国民の目線では今回の突然の辞任劇は、どのような理屈をつけても政権を投げ出した無責任な敵前逃亡としか受け止められない。頼りのない野党も含めて世界から「日本政治は三流」の烙印を押されることのないよう願うのみである。