最近「劣化社会」の言葉が各所で散見される。精神科医師香山リカさんの出版本「なぜ日本人は劣化したか」(講談社)も好評だ。
日本語力の劣化、モラル・コンテンツ(情報の内容)の劣化、体力・辛抱強さの劣化、考える力・創造する力の劣化、社会の寛容の劣化などが指摘されているが、その最たるものが「政治力の劣化」ではないだろうか。安倍、福田、麻生と三代にわたり事実上の首相選びとなる総裁選は、解散のタイミングを失ったばかりに、国民不在の政権放棄、政治劇が行われ国民の審判を経ることなく今日に至っている。信任を得ていない政府だけにその政策に迫力や説得力にも欠け、時によってはブレ、失言、読み間違え等悪循環が続いている。ネジレ現象も、空虚な時間ばかりが過ぎ結論の出ない国会活動に政治の劣化が進んでいることを感ぜざるを得ない。
劣化は政界ばかりではない。社会のあらゆるジャンルでおきている。その原因は何だろう。規制緩和が市場競争主義を生みこれが経済利益優先主義や拝金主義(弱肉強食、勝ち組・負け組)から他人に厳しく自分に甘い排除型社会を形成、遂には味気のない自己中心的な社会が誕生し、その歪が各所で生じていると結論づけたら早計過ぎるか。
「お天道様に見られて恥ずかしいことをしてはいけない」「人様に迷惑をかけてはいけない」「自分がされて嫌なことは他人にしてはいけない」といった自己規制力や古来から伝わる日本の「恥の文化」は、健全な社会をつくるための最低限の規範として根付いていたが、こうした文化も劣化の波に呑まれて崩れつつあり寂しい。
日本語力の劣化、モラル・コンテンツ(情報の内容)の劣化、体力・辛抱強さの劣化、考える力・創造する力の劣化、社会の寛容の劣化などが指摘されているが、その最たるものが「政治力の劣化」ではないだろうか。安倍、福田、麻生と三代にわたり事実上の首相選びとなる総裁選は、解散のタイミングを失ったばかりに、国民不在の政権放棄、政治劇が行われ国民の審判を経ることなく今日に至っている。信任を得ていない政府だけにその政策に迫力や説得力にも欠け、時によってはブレ、失言、読み間違え等悪循環が続いている。ネジレ現象も、空虚な時間ばかりが過ぎ結論の出ない国会活動に政治の劣化が進んでいることを感ぜざるを得ない。
劣化は政界ばかりではない。社会のあらゆるジャンルでおきている。その原因は何だろう。規制緩和が市場競争主義を生みこれが経済利益優先主義や拝金主義(弱肉強食、勝ち組・負け組)から他人に厳しく自分に甘い排除型社会を形成、遂には味気のない自己中心的な社会が誕生し、その歪が各所で生じていると結論づけたら早計過ぎるか。
「お天道様に見られて恥ずかしいことをしてはいけない」「人様に迷惑をかけてはいけない」「自分がされて嫌なことは他人にしてはいけない」といった自己規制力や古来から伝わる日本の「恥の文化」は、健全な社会をつくるための最低限の規範として根付いていたが、こうした文化も劣化の波に呑まれて崩れつつあり寂しい。