私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

20 教育汚職

2008-08-30 22:49:10 | weblog
大分県教育委員会は、8月29日昨年の教員採用試験で不正な点数操作により合格した教員21人の採用を取り消す方針を決めた。当然な措置である。
この7月。大分県警が摘発した大分教育委員会の採用・昇任をめぐる贈収賄事件は底なしの様相を呈している。小学校長が、自分の子供が採用試験に合格するよう県義務教育課参事に数百万円の商品券を渡して依頼したかと思うと今度は県教委ナンバー2の教育審議監まで教員採用で便宜を図り、賄賂を受け取った疑いで逮捕されている。金品の授受は教員採用にとどまらず、昇任人事に絡んで参事に賄賂を贈ったと警察を訪れて証言する教頭クラス数人が現れるに及び、この事件が常態化された癒着や根の深さを物語っている。
関係者の話では、能力のない不適格な受験者の点数を水増しして合格させた一方で、本来なら合格していた受験者の点数を減点し不合格にしていた実態が浮かび上がっている。昇任についても同じことが行われたであろう。
教員の採用は、公教育の信頼性を支える根幹でもある。受験者の機会均等と公正な評価が保証されなくて子供の教育などできるものではない。こうした問題は大分県だけでなく、どこの県でも起こりうる。現に長野県においても県議が県教委に対し、採用に際し受験者の名前を告げての働きかけや合否の事前連絡行動があるやに報じられている。この際こうした「悪しき慣習」は断ち切り、教員ばかりでなく優秀な人材を確保するためにも公務員の採用選考制度の見直しを早急に行い、自浄能力を高めるべきではないか。

19  北京五輪考(Ⅱ)

2008-08-27 13:49:04 | weblog
第29回夏季五輪北京大会(北京オリンピック)は、8月24日男子マラソンを最後に全ての競技が終了、国家体育場での閉会式とともに17日間にわたった「中華民族100年の夢」は終幕、2012年のロンドンに引き継がれた。
スポーツの祭典としてはこれほどまでに世界的規模で、壮大、華麗、躍動、感動を極め、アスリートや見る人をしてひきつけ夢中にさせてくれる大会は、オリンピックをおいてほかにない。兎角、勝敗やメダルの色、数等現象ばかりに関心が及んだが、インフォーマルの部分では中国共産党の国威発揚を主眼に政治的な思惑から数兆円の金をかけた上、あらゆる問題を中国当局が力ずくで押さえ込み、オリンピックの一点に国力を結集させた感がしないでもない。
巨大施設建設のための住民や労働者への強制処遇、チベット・ウイグル族らの弾圧と活動家の除去、各地への「文明応援隊」の大動員、世界報道陣への厳しい報道規制等々全体主義国家の威力の片鱗を見た思いがする。100個のメダルを獲得したその陰には、恐らく国家が管理関与したことは容易に想像できる。この事態を英フィナンシャルタイム紙は「独裁主義の新時代の到来か」「偽装五輪」(BBC)と皮肉り、米学者もスポーツの国家管理制度を批判している。
80年に旧ソ連で行われたモスクワ五輪は、独裁国家であったばかりにその後孤立を深め、内部分裂を起こしソ連崩壊へと繋がっていった。北京五輪は民族問題等さまざまな問題を残して閉幕したが、これからの中国や国交のあり方など示唆に富むものがあったかしっかりと見極めたい。

18 ソフトボールの復活

2008-08-25 07:55:30 | weblog
北京オリンピック14日目の8月21日豊台ソフトボール場が熱く燃えた。女子ソフトボール決勝戦で、日本が宿敵アメリカを3:1で破り悲願の金メダルに輝いた瞬間だった。関東地方における瞬間最高視聴率は49%を超したと言われ、2人に1人がこの映像をテレビ観戦したことになる。
それもそのはず日本の球技では1976年モントリオール五輪のバレーボール女子以来32年振りの五輪制覇となる快挙だからだ。バレーもサッカーもそして「星野ジャパン」の野球までもが不振続きだっただけに一層輝きが増す。
ソフトボールは野球以上にビッチャーの力が勝敗を左右する。それだけに日本のエース上野由岐子投手は、2日間の3試合を一人で投げ抜きその数は400球を超す超人的なものだった。監督以下「なにがなんでも勝ちたい」といった飽くなき強い思いが映像を通じて日本中に伝わり感動を呼んだ。あの強豪アメリカを下した瞬間は信じられず、喜びで年がいもなく胸が熱くなった。日本チームは本当に強く、逞しく、カッコよかった。心からおめでとうお疲れ様と祝意を申し上げたい。
にもかかわらず、ソフトボールは野球とともに「世界的に普及していない」という理由から、次回のロンドン五輪では実施競技から外されることが既に決まっている。過去特定の強力チーム(アメリカ)が三連覇してきたことも排除理由の一つだろうが残念だ。8年後の2016年五輪に復活を目指す動きがあり、東京都もこの開催都市招致レースに立候補しているのだから、今回の快挙をバネにIOC、JOC、国際ソフトボール連盟等の関係者には復活に向けて尽力されるよう強く望みたい。


17 医療事故は聖域?

2008-08-21 15:49:19 | weblog
女性に帝王切開手術を行った産婦人科医(40)が、業務上過失致死の罪などを問われた裁判で福島地裁は昨日(8/20)無罪判決を言い渡した。
この裁判、今まで医療界は一貫して猛反発してきた。明白な医療ミスではなく、通常の医療行為の過程で発生した結果について、医師が逮捕されたり刑事責任が問われるようになったらまともな診療が出来なくなり、将来産科医のなり手がなくなる、というのだ。
過去2年余、司法試験を通った検察官と片や医師試験を突破した医師らエリート達のプライドをかけた構図が全面対決という形でこの裁判が展開されてきた。
このケースばかりではないが、産科医の不足に拍車がかかる一方、これまで数多くの医療事故を隠蔽してきた医療界への不信感も患者側には根強い。
今回医師の逮捕に関して医師会をはじめ100を超える医療系団体から、捜査に抗議する声明が出されたが、医療ミスによって死の結果が出たのであれば、どのような立場のものであれ刑事責任が免責されるものではないことは当然だ。医師不足と免責とは別次元の問題であって、医療界の事故は聖域だと勘違いされては困る。
そうは言っても、医療事故の原因究明は高度な専門性を有することから、刑事裁判にはなじまない声も聞かれる。だとするならば、刑事捜査に優先して専門家らが原因究明する組織「医療事故調」(医療安全調査委員会)を早急に立ち上げ、機能させるべきではないだろうか。それさえも出来ずに司法界と医療界とが面子をかけて争っているだけでは、被害者の死や遺族の意思は抹殺され、医療事故の再発防止にはつながらない。


16 北京五輪考

2008-08-14 08:07:09 | weblog
夏の北京オリンピック大会。8月8日北京市内国家体育場(愛称・鳥の巣)で行われた開会式は感動したのもつかの間、連続して打ち上げられた花火の映像の一部がCGによる合成映像であり、少女が歌う革命歌曲が実際には、別の少女が歌う口パクだったことが後からわかり狡猾な国民性を見た思いで興ざめだった。
大会前から不穏な空気が漂っていた大会への妨害行動は、開幕後も止みそうもない。7月の雲南省昆明市でのバス連続爆破、開幕前後に新彊ウイグル自治区で起きた警官隊・警備員襲撃事件は既に4件。開会式の翌日には北京市内で観光客の米国人刺殺事件が起き、祝賀ムードに冷水をかける結果となって中国が提唱する「安全な五輪」に暗雲が、また、開会式の当日にはロシアとグルジアの軍事衝突があり「平和の祭典」にここにも暗い影を落としている。射撃女子エアーピストル競技で同じ表彰台に上がった銀メダルのロシア選手と銅メダルのグルジア選手が抱き合って健闘をたたえ合い「戦争を起こすのも止めるのも政治家。話し合って欲しい」とはなんともいとおしい。
日本の代表選手は連日健闘し、自己ベスト日本新記録を出しながら予選敗退している現実は、世界の壁の高さ厚さを感じると同時に、そんな中にあって世界の頂点を極めた水泳の北島、柔道の谷、谷本、上野らの努力と実力には敬服する。
ところで、8月12日ショッキングなニュースが飛び込んできた。女子マラソンの金メダリスト野口みずき選手の太もも肉離れによる欠場である。連覇が期待され最有力視されていただけに残念でならない。最も苦しいのは野口本人だろうが、この層の厚い女子マラソン界で補欠の森本友(24)=天満屋=まで故障欠場ではなんとも情けない。競技はこれからさらに佳境に入って行くが本番に強い技とパワーで日本としての結果を出し、素晴らしい感動を与えてもらいたい。

15 七   夕

2008-08-08 10:00:54 | weblog
立秋が過ぎたというのにここ数日の暑さは異常というほかない。連日35度を超える猛暑日では残暑お見舞いどころの話ではない。毎年8月を迎えると唯一原爆の被爆国日本は、「怒りの広島」(8/6)「祈りの長崎」(8/9)「終戦記念日」(8/15)にそれぞれ国を挙げて国家的行事が行われるが、原爆症認定、核廃絶、領土問題等なにひとつ解決しておらず、戦後はまだまだ遠い感じがする。そんな猛暑の中8月6日友人から竹をもらったので、七夕に6歳になった孫と考え諸願いを短冊にして飾りつけた。
「バトリオでかちたい」「100えんだまがほしい」「キャンプにゆきたい」「カルピスがのみたい」「フルフルファンタがたべたい」「すしがたべたい」「コーラはがまんする」こどもの願望は遊ぶこと食べることに集中しているが正直でよい。その反面「ばあちゃんのてがなおりますように」「じいちゃんおしごとがんばって」とお世辞や殺し文句を書くことも忘れない。判読しなければわからない文字ではあるが、その思いに可愛さがつのるばかりだ。
 一方、私は5月兄を病死で失い新盆を迎える今年の心境もひとしおだ。「兄貴よ 天国で母と会えたか」「新盆には帰ってこいよ」「タバコをやめて3ケ月」「健康第一」「世界平和」「北京五輪日本がんばれ!」「燃料・物価高騰かんべんしてよ」「福田新内閣しっかり頼みますよ」等昨年に比べて明るい話題の短冊が少ない。
折から8月7日は七夕で公民館役員研修。小川村に行き、同村のプラネタリュウムで昼間から壮大な星空の世界に没頭、ゼウスの神話に接し得たのは奇遇な体験だった。


14 地雷除去

2008-08-01 22:53:47 | weblog
地雷は、地上又は地中に設置され人や車両の接近や接触によって爆発して危害を加える兵器である。こうした兵器は時代とともに高度化され、従来のものに加えタイマーをセットしたり無線で遠隔操作をして能動的な攻撃に使用しその威力を発揮している。また、地雷の材質、形状も金属に限らず、その素材にはプラスチック、ゴム、木製等を使用するため金属探知機による発見をより困難ならしめている。対人地雷は、卑怯にも人を殺してはならないらしい。殺すよりも地雷で足を吹き飛ばせば、負傷者を護送するために敵の戦力は確実に減るという残忍な計画がなされ、これが後年戦力とは関係のない子供や住民に多くの犠牲が出ている実態がある。
今カンボジアだけでも地雷がどれだけ埋まっているか。との質問に正確に答えられる人はいない。おそらく何百万個であろう。年間1万個処理しても数百年かかることになる。先日2年間に旧ソ連、中国製の対人地雷715個、対戦車地雷15個、不発弾331個を処理したニュースに接したが、気の遠くなるような話だ。地雷の発見・処理は、全て危険な手作業に頼っており、その処理費も製造費とは比較にならないほど高く遅々として進んでいない。昨年日本でTNT火薬に含まれる化学物質に反応し緑色に光る酵素を発見したという。リモコンのヘリコプターからこの酵素を散布して地雷を発見し、産業ロボットによって処理活動ができれば、安全かつ低コストの除去作業が効率的に行われる。
そんな日本の国際貢献の夢は、真夏の夜の幻想だろうか。