前回は乙女の姿を描かさせていただきました。
今回は乙女の歌と書でまいりましょう。
歌は、「をとめ歌」として、文芸春秋デラックス(1974年12月号)に掲載されたものとのことです。
いろは歌、鳥なく歌などと同じく、48文字が異なる文字で出来たものです。
これまた、イヤハヤです。
をとめはなつむ のへみえて (乙女花摘む 野辺見えて)
われま(万)ちゐたる ゆふか(可)せよ (我待ち居たる 夕風よ)
うくひすきけ(介)ん おほそらに (鴬来けん 大空に)
ねいろもやさし こゑあり(利)ぬ (音色も優し 声ありぬ)
この歌を、今練習中の、西行の筆と伝えられている「中務(なかつかさ)集」の字体を模して書いてみました。
中務集にでてくる仮名文字から48文字を拾い集め、
この歌に合わせて綴り直したものです(小筆使用 50×35cm)。
中務集は練習を始めたばかり(9.19拙ブログ)で、アップするのは恥ずかしいのですが、
自分への励みということでご容赦いただきたく。
上の構図に決めてからも、なかなか納得出来るものが書けず、数十枚は練習したでしょうか・・・。
特に意識したのは一応伸びやかさです。
西行法師が、中務集という女性歌人の歌集の筆をとり、
その筆跡を模して、喜寿間近かの爺が乙女の歌を書いてみる・・・
なんだか変な気持ちではあります。