本堂や本殿前面にある屋根のかかる向背(こうはい)の、蛙股のあるところに、龍の彫刻は多くはめ込まれています。こういう狭くて不自由な空間で、龍はさぞかし窮屈だろうとは思いますが、掛軸などを好む私たちにはここちよい表現のかたちなのでしょう。
本法寺別院本堂(河和田町4382−100)
波と炎を上下にあしらった龍ですが、いかにもきゅうくつそうに見えます。
有賀神社本殿(有賀町1032)
鋭い刀さばきが印象的です。左右に伸びたヒゲにも面白さを感じます。
安国寺山門(大足町 1184-1)
下アゴがずいぶん大きな龍です。この門を通りぬけると名物のシダレザクラがあります。
大井神社本殿(飯富町3475)
彩色された龍彫刻です。わかりにくいですが、矢印のあたりが頭です。波と炎があり、右方に珠を持っています。
十二所神社本殿(牛伏町)
この龍はほかと違って向きが逆です。ウロコの形に特徴があるようです。