寺社に米やお酒が奉納されているのをよく見ることがありますが、昔はこれが普通の姿だったようです。お金が神仏に奉納されるようになったのは、お金の使用が広まっていった中世以降だそうで、賽銭箱の最古は天文9年(1540)の鶴岡八幡のものだそうです。賽銭箱を見ていて気になるのは、寺社建築では釘を使わない(ないしは見えないようにする)のが普通であったようなのに、賽銭箱では多くで釘が見えるように(釘隠(くぎかくし)も含めて))していることです。賽銭箱が作られ出したころと、釘が見えるように使われだしたころが同じころだったことの名残なのでしょうか。今回は、水戸で有名な寺社の賽銭箱です。
吉田神社(宮内町3193-2)
中央に三つ巴紋があり、奉納となっています。
別雷皇太神(元山町1-1-57)
ハスの花をデザイン化した模様が刻まれています。この賽銭箱は釘隠に木片が使われています。
常磐神社(常磐町1-3-1)
この賽銭箱は釘を使わない、木組みでつくられているようです。
仏性寺(栗崎町1984)
背の高い昭和28年に奉納された賽銭箱のようです。きれいな釘の頭が見えています。
桂岸寺(松本町13-19)
銅板を全面にはった賽銭箱です。