MATTのひとりごと

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コミュニティーTV局ホリデイ・スペシャル(2014年12月3日)

2014年12月03日 | イベント

毎週月曜日のロイヤル・グローブ・ホテル(RGH)のカニカピラを主催しているレナ・ジェンキンスは「カニカピラ・アット・ダ・ラック」という別名で毎週木曜日と日曜日の夜にもカニカピラを開催しています。
会場はワイキキ海岸に沿って立ち並ぶホテル群が終わったところにあるワイキキ交番の裏手にあるサーフボード・ラックの脇の場所で、これが彼の別名の所以なのでしょう。
この場所のカニカピラは最近のRGHのそれとは違って基本的には「アンプラグド」すなわちアンプやマイクなしでの愉しみ方が中心です。

そしてここにはお年寄りの(オッと、私も立派な「お年寄り」でした・・・・汗)スチールギター奏者のかたがおられて、皆さんの演奏に合わせて楽しそうにスチールを弾いておられるので、ウクレレと違って2台のスチールが食い合って(!)しまうのは申し訳ないので、滅多に参加したことがありません。

2013年11月3日(日)に日本で組んでいるRYMというユニットの私以外のお二人がハワイに見えたときに ここでご挨拶 して以来

約一年ぶりとなる2014年の11月18日(日)に日本からの友人が参加されるとのことでしたので私もスチールとミニアンプを持って参加しました。

ここで2時間の楽しい時を過ごし、片付けも終わって友人と引き揚げようとしたときに、参加者のお一人から呼び止められました。
すなわち「地元のコミュニティーTV局で12月3日にホリデイ・スペシャルという番組を収録するので、そこでスリープウォークなどをスチールで弾いて貰えないだろうか。」というご依頼でした。
どうやらそのかたがその番組をすべて引き受けておられるようで、一度事前練習に来てほしいとのことでした。当然ブッツケというわけには行かないのは理解できましたので数日後にご自宅にお邪魔しました。

そこで渡された楽譜を拝見してちょっとビックリしました。大半の曲は私の生まれる前、ではないにしろ幼少時にアメリカで歌われたもので、ほとんどが知らない曲でした。
さらに知っている曲だけでも、と楽譜を見るとコード付けが間違っているのです。・・・・ということは知らない曲でも同様にコードが違っている可能性があるので、楽譜を一式受け取って自宅に戻ってから、あらゆる可能性のある資料をひっくり返してすべての楽譜を書き直しました。なにしろ収録日が迫っているので、3日間を連日半徹夜状態で纏め上げました。

ポピュラー曲は資料にコードネームがついているのでそれをそのまま、もしくは移調して記載すればよかったのですが、問題はシューベルトのアベ・マリアでした。
歌手のかたは当初ハーピストに伴奏のアルペジオを頼むつもりだったようですが、キーがBフラットということで、ハープで弾けるCやGではなかったためにお鉢がウクレレに回ってきました。

やむを得ず、オリジナルのピアノ譜をBフラットに移調した上でコードネームを考え出すとともに、限られたウクレレの音域にあわせて楽譜を作成しました。


楽譜はできたもののこのとおりウクレレで弾くには血のにじむような練習が必要となるのですが、最近貧血気味ですのでそれを避けて練習いたしました。でも、とにかくこの曲だけはほかの楽器が一切入らないので背水の陣で(大げさ!)収録に臨んだ次第です。

それ以外に、今回の目玉?として日本の古い曲???の「倖せはここに」と「君といつまでも」を是非歌いたい、とのことでしたが、いずれもメロディーがすこしずつ違っているのです。それを伝えると「でも私が歌ったら日本の方たちが涙を流して喜んでくれたからこれでいく。」とのことでした。
それらの「日本の方たち」は英語圏のひとが日本語で歌ったことに喜んだのであって、多少のメロディーの違いなどは気にされなかったと思うのです。でも小さいとは言え、公共性のあるTV番組で間違ったメロディーによる「日本の歌」を流すのには私としては抵抗があるので、インターネットからこの2曲を拾ってCDに焼いて渡したところ「ありがとう、一生懸命勉強する」とのことでしたが、実際の収録時にはそれがほとんど反映されていませんでした。

この2曲を含めた16枚の楽譜をお渡しし、このコードが正しいのでそれで行きましょう。と申し上げたところ「すでに今までの楽譜で散々練習したのでいまさら変更は無理」とのこと。なにしろ私に声が掛かったのが収録のわずか16日前なので無理もないのですが、折角少しでも正しいコードで、と思って書いた16枚の楽譜はすべてムダになりました。

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番組を収録・放映する地元のコミュニティーTV局「`Ōlelo TV」はコミュニティー局といっても放送チャンネルを4つも持っているハワイとしては大手(たぶん)のTV局なのです。


この局は本局を含めて各地域に7つのスタジオをもつ「地域密着型」の放送局のようで、今回の収録はその中の「カイムキ・スタジオ」でした。

カイムキ・スタジオはカイムキ高校の敷地内にあります。これが高校の正面で

道路を隔てた反対側には有名なショッピング・センターであるマーケット・シティー・ショッピング・センターがあります。

地図で示しますとこの位置にあるのです。

実際にはこの広いカイムキ高校の敷地でアラワイ・ゴルフ・コースに近いところにある平屋建ての建物がこの局の「カイムキ・スタジオ」でした。

入り口はこの建物の側面にありました。

収録のためこの建物に行ったときに、周囲が暗くなっているにもかかわらず建物の窓から光が全く漏れていないので時間を間違えたかと一瞬あせりましたが、外部の光に左右されるとTV画質に影響するのでしょう、すべての窓が密閉されていました。

中はこじんまりとした「地方局」といったイメージでスタジオは(たぶん)ひとつ、それに伴う調整室もひとつ

編集室にいたっては大部屋の一部で

頭上には4つの放映チャンネルの現在の様子を示すモニター画面が並んでいました。

スタジオで使われているTVカメラは数台のソニーのロボット風3CCDカメラBRC300で、

リモコンでズーム、チルト、パンが可能な優れものでした。

普通の民生用HDカメラですとピクセル数の大きさを競っているのですが、このカメラではなんと総ピクセル数が0.69Mpixという堅実なもので、このTV局の用途には十分なのでしょう。
このカメラを数台配置して横方向のシフトができない欠点を補っているので、この種のTV局には最適なのでしょうね。
価格も4275ドルとありますが、日本では31万円程度で買えますのであくまでも「定価」に過ぎないと思います。

スタジオの片隅にはこのカメラが登場するまで活躍していた旧式の3CCDカメラが数台置かれていました。

新型と比べるといかにも「古い!」と感じさせるものがあります。

今回初めて一緒に演奏することになったハーピストの方は本業が中国医学のお医者さんでハーピストとしても各地で演奏したりCDを出したりしているとのことでした。


演奏開始前に指馴らしをしているところです。

このスタジオから放映される放送番組のテロップです。

そして番組が始まりました。

「倖せはここに」のイントロです。

クロージングクレジットです。


今回はあまりにも違う世界に足を踏み入れてしまったので、今後は自分の感性に合ったグループと愉しんで行きたいと思います。

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6 コメント

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お疲れさまでした (iisan)
2015-01-16 16:05:09
どこの国でも年寄りは頑固なようで、なかなか主張を曲げてくれませんね。

Shiawase Wa Koko Ni とKimi To Itsumade Mo の
タイトルが面白いです。
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おかげで (MATT)
2015-01-17 12:23:46
このことがなければ死ぬまでお目にかかれない古いアメリカのポップスの勉強ができたのは収穫でした。

せっかく日本の歌を歌ってくれるのだったら、しっかりとメロディーを辿ってほしかったのですが、逆に私たちもハワイやアメリカの曲を正しく歌っているのだろうか、と考え直す機会を与えてくれたと感謝しています。

特に私たちは英語でもハワイ語でも歌詞をカタカナで歌いがちなので現地の人から見ると(聴くと?)滑稽なのかもしれないのですが、決してそんなそぶりもみせず拍手してくれる暖かさに甘えてしまうのは気をつけなければいけないですね。
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面白く読ませていただきました。 (モリパパ)
2015-01-25 18:19:36
今習っているギタ-の先生もボサノバ、ジャズの曲だと合えばいいのだと指導するけど、ポピュラ-の曲だと音符の長さ、休符の長さを守りなさいと指導されます。(笑)
人生短いから出来はどうとして、音楽は気の合った人と一緒にやるのが一番楽しいですね。
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子供の頃は (MATT)
2015-01-26 05:50:11
クラシックのピアノを勉強した(させられた?)ので音符の長さについてはかなり身についていました。
ポピュラー音楽に親しむようになっても有名な曲を有名な歌手がわざわざメロディーを変えて歌うのには抵抗があったのですが、それよりもその有名な歌手の歌い方をそっくりそのまま真似する歌手にはさらに抵抗を覚えました。
ハワイアン音楽でもオリジナルの歌詞やメロディーを知らずに人真似だけで歌う歌手が多いのにはがっかりします。
私はいつもIZを槍玉にあげているようですが、本音は周囲の人たちが彼を単に持ち上げるのではなく少なくともレコーディングの時だけは正しい歌詞やメロディーで歌わせるべきだったと思っているのです。
それをやらなかったために後世の人たちが平気でCDのIZを真似して歌うようになったのは残念です。
歌詞がデタラメなだけでなくその歌詞にフラまでつくのは原作者に失礼です。
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突貫作業 (jinjar)
2015-02-01 17:30:48
手間のかかる採譜やアレンジ。ごく短期間に、徹夜をしてまで、16枚もの譜面を書きあげるとは、凄い。
労多く、功少なしになったのは、ザンネンですが---。ジャンルを問わず、原曲を大切にするMATTさんの心情が伝わってきて、学ぶところ大です。
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「自己満足」の世界です (MATT)
2015-02-02 02:40:19
jinjarさん、古い曲にしゃれたコードを付けて「リハモナイズです」、と演奏するのも、その方だけなら勝手ですが、それをそっくり真似る人が続出するのには抵抗があります。
やはり作曲した人の思いがコードにも込められているはずですのでそれを尊重すべきでしょう。

もともと英語で書かれているハパハオレソングにわざわざハワイ語の歌詞を付けるのもどうかと思っています。
私たちが英語の歌詞をもつ曲に日本語の歌詞を付けるのとは全く違って、単に奇をてらったに過ぎないのですから。

でも、今回のことで、古いアメリカのポップス名曲に触れることができたのは良い経験と思っています。
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