カヴィカ・ウクレレでおなじみのハワイ島ヒロの名工であるデイヴィッド(ハワイ語でカヴィカ)・ハードさんとは10年近いお付き合いをさせていただいていますが、手工ウクレレという事もあって価格も安くはなく、一台も購入した事がありませんでした。しかし購入の有無にかかわらず大変親しくお付き合いをしていただき、我が家にも来日中のカヴィカ夫妻にお越しいただいたり、当方からもカヴィカ宅へ何度もお邪魔したりしていました。その間、NUA(日本ウクレレ協会)の40周年記念行事に参加して頂いたり、神戸ウクレレ交流会に来られた際にNUAでワークショップを開いていただいたりというお付き合いを続けてきました。
もともとカヴィカ・ウクレレはネット経由または販売店からの注文に応じて制作していたのですが、人気が高くなるに連れて数年先までのバックオーダー(受注残)をかかえるようになってしまったので、カヴィカさんとしては2004年制作分を最後に注文制作をやめにし、あとは自分の作りたいウクレレを作りたいときに制作する、という生活に切り替えてしまいました。この「作りたい時に制作したウクレレ」はその都度オークションで販売していますが、かならず「希望価格」より高く落ちるので、カヴィカさんとしてもハッピーのようでした。
今でもバックオーダーをかかえていた頃の生活を「刑務所でノルマの仕事を強制されているような生活だった!」と言っていますが、現在は「シャバに出られた」という心境でしょうか。
ところで、あるときカヴィカさんに「あなたに注文しないうちに注文制作をやめてしまったのは大変残念」と言ったところ「MATTの注文だったらいつでも作ってあげるよ!」というありがたい返事をいただきました。・・・・が・・・・その結果、資金を捻出しなければいけない羽目に陥ったのです。なにしろ量産品のコアロハだったら何台も買えるほどの価格のため、そうオイソレとは調達できません。
それでも折角そう言ってもらえたので、「借金を質において!」資金を捻出しました。カヴィカさんから「どんなウクレレをどの材質で作って欲しいか?」と訊かれたので、即座に「トラ杢のコアを使い、カッタウェイ・テナーを!」と返事しました。実はカヴィカさんはイタヅラ程度のカッタウェイを作ったことはあっても、私の注文のようなカッタウェイは未経験とのことでした。そして技術者のカヴィカさんはボディーの共鳴周波数の検討から、側板の成形用の型の検討までじっくりと計算、実験を繰り返し、その都度「進行状況報告」というレポートを送ってくれました。
たかが私の希望したモデルのために、ゼロから設計をスタートさせ、いろいろと実験してくれる姿勢に大変感動いたしました。もちろんこの成果は今後のカヴィカさんの製品に生かされるとは思いますが、私の希望に対してこれほど真剣に打ち込んでいただけるのは、とても嬉しく、その後送られてきた完成品は即時「家宝のウクレレ」となりました。
その後弾き心地をさらによくしたいという私の希望に対し、徹夜で対応していただけるなど、カヴィカさんの製品だけでなく、カヴィカさんご自身も私の大切な「お宝友人」であるという気持ちを一層深くいたしました。
ここに掲載した写真はカヴィカさんから何度も送られてきたレポートに添付されたたくさんの写真のうちの一枚で、こういうエビデンスは注文者に強い安心感を与えるものですね。
現在はこの「家宝のカヴィカ・ウクレレ」にレイラニのツイン・ピックアップを装着して演奏を楽しんでいます。
===追記===
ハワイ島の3人の名工(カヴィカ、ペガサス、ゴウムス)のうちカヴィカだけ持っていないという日本の方からのご希望でこのウクレレは嫁入りいたしました。
すでにあれとおなじものを狙っているかたがすぐ近くにもおられますので急いだほうがよいかも。(笑)
ジャカソロを弾いても構わないのです。楽器は弾くためのものですから、キズがつくのは当然です。
ピック・アップが装着されたら例会に持参しますね!
毎日覗かせていただいています。
カヴィカさんのカッタウェイ・テナー!いいですねぇ~
でも、注文制作をやめてしまったのですね。残念。。。
(受けていてもコアロハ数台分なのでそう簡単にはオーダーできませんが)
いつか触らせて下さい。ジャカはしませんから(笑)