MATTのひとりごと

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パロロのデビュー・アルバム「パロロ」(1995年)

2007年02月15日 | DVD,CD

ハワイアン専門誌「ハワイアン・ウェーブ」2007年3月号に「次世代に残したいハワイアン名盤セレクション 第25回」記事としてトロイ・フェルナンデスたちのユニット「パロロ」のデビュー・アルバムであった「パロロ」を紹介しましたので転載いたします。

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Pālolo/Pālolo (Roy Sakuma Productions RSCD-1007/ 1995)

ワイキキの海岸から山の方角を眺めると、コオラウ山脈を比較的近距離に望むことができ、その山脈の裾がワイキキに向かう部分がいくつもの高低を持つ襞のように見えますが、その高低の場所のいずれもが宅地として開発されていることがよく分かります。このいくつかの高低部分で高い場所は「○○ハイツ(高地)」、低い場所は「○○ヴァレー(谷)」と呼ばれ、普通は「○○ハイツ」の方が高級住宅地となっています。ホノルル市ではこの低い場所のなかでパーロロ・ヴァレーという地域に低所得者用の住宅を設けているのですが、住民の子供達が健全に成長するようにと小さいときからウクレレやサーフボードを市が供与していました。このためパーロロ谷からはたくさんのウクレレ奏者たちが輩出し、ハワイアン音楽を支えてきました。 IZことイズラエル・カマカヴィヴォオレの一家もマカハに移住する前はこの地域に住んでいましたが、今回ご紹介します「パロロ」というグループもまさにこの地域の出身者たちが組んだユニットなのです。

パロロがアルバム「パロロ」でデビューした1995年はこのグループの中心人物トロイ・フェルナンデスが同じくこの地域出身のアーニー・クルス・ジュニアと1991年に結成したデュオ「カアウ・クレイター・ボーイズ(カアウ・クレイターとはパーロロ谷をさかのぼった地点にある古い噴火口跡で恐竜の化石も発見されている場所とのことです)」が人気絶頂のころでしたので、しばらくの間はふたつのグループに在籍しておりました。ただ、ふたつのグループが目指しているジャンルが多少異なり、カアウ・クレイター・ボーイズのほうがジャワイアン的な音楽が多かったのに対してパロロのほうはコンテンポラリーも演奏しますが基本的にはトラディショナル・ハワイアン、それもフイ・オハナやサンデイ・マノアのヒット曲のカバーを中心に演奏していました。

グループのメンバーはウクレレとヴォーカルのトロイ・フェルナンデス、ウクレレ、ギター、ベース、ヴォーカル等万能のチノ・モンテロ、そしてベースとヴォーカルのネイザン・ナヒヌの3名ですが、20年も前のまだ少年時代にロイ・サクマ主宰のウクレレ・フェスティバルに3名が出演した経緯からこのデビュー・アルバムはロイ・サクマのプロダクションよりリリースされました。写真は彼らの少年時代(CDジャケットから)



アルバム「パロロ」は上述の先輩達のカバーにはじまり、各メンバーのお気に入りの曲、そして唯一のオリジナル曲「TNC(トロイ、ネイザン、チノのイニシャルから名づけた曲)」まで12曲が収録されていますが、フイ・オハナやサンデイ・マノアの演奏を上回るほどの3名の演奏テクニックによりこのアルバムは若者達から熱い支持を得ました。

ただ、残念なことにカアウ・クレイター・ボーイズが4枚のアルバムを出したのち1997年に解散したのに続き、パロロのほうもわずか3枚のアルバム、それも3枚目は事情があってネイザンが部分的に参加する形でリリースし、1999年に解散してしまいました。現在、トロイはウクレレ・ソロ奏者として、チノは別なグループのリーダーとしてそれぞれ活躍していますが、ネイザンのみは音楽の世界から離れてしまったようです。                            マット・コバヤシ

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3 コメント

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パーロロ (芹澤由美)
2007-02-28 10:18:06
はじめまして。ハワイ音研のカネバンさんのブログからジャンプして来ました。
面白いお話がてんこ盛りで、嬉しいです!
読ませていただけてホントラッキーです!

パーロロは、アンティ・マイキの故郷でもあって、
かの有名な【プア・リリレフア】という歌が生まれた場所でもありますね。
3週間後にハワイに参りますので、時間があれば訪れてみたいです。
カアウクレーターのことは初めて知りました。
うちのだんなさんが、カアウクレーターボーイズのファンなので、
アーニー・クルーズ・ジュニアがライブをしているという
ダイアモンドヘッドの公園入り口にある、ダイアモンド・ヘッド・コーブという店も偵察する予定です!
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Pālolo (MATT)
2007-02-28 18:56:23
芹澤さま コメント有難うございます。
実は正確に「パーロロ」と書こうと思っていたのですが、ジャケットを見たら「パロロ」になっているではないですか!あわてて文中のカハコー相当の長音を削除して歩きました。同じロイ・サクマ・プロダクションから昨年デビューしたマーノアDNAのアルバムは正しく「Mānoa DNA」になっていましたが・・・・
ところで「Pua Līlīlehua」の背景にあるモオという怪獣も、そに地域に住んでいる女性に横恋慕をしたわけですが、カハウアヌ・レイクは自分の容貌を怪獣になぞらえたのですね。

               
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ごぶさたです!! (manna)
2007-04-11 02:26:12
カラマウラの歌詞を検索していたら、
演奏者パロロとなっていましたので反応して書き込みさせていただきます。このCDに収録されてますね!!
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