本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

大阪名物?フェスティバルゲート

2005-06-21 14:00:45 | 政治
*JR新今宮の改札の目の前にフェスティバルゲートはある。元市バス車庫があった土地を信託銀行に貸し、受託者はそこへ遊園地というか、温泉あり遊具ありレストランありの所謂テーマパークを作ったが10年も保たずに不入りで倒産、残ったのは借金380億円だけ。うち、銀行側は180億を負担、残り200億円は市税で穴埋めしているということらしい。何のことはない。大阪市民は税金を無駄遣いされた上その尻拭いまでさせられているのである。大阪箱物行政の一角だが、尤も市当局は「一義的には責任は受託者にある」と繰り返していた。

*・・・とまあ、そういう報道番組を朝やっていたのである。
 あそこはジェットコースターとかはもう運転されていないようだが、まだ全面閉鎖されているわけではない。「世界の温泉に入れる」とかいう謳い文句の《スパワ-ルド》もまだ営業している。
 あれは当初¥3,000だったかとんでもない入湯料を取っていたが、客が来ないとわかると今度は天王寺駅前で¥1,000で束の間入れるサービス券(?)を配ったりしていたが、後の祭りだった。大阪のしみったれ(私や!)が「ひとっぷろ浴びようか?」と大枚をはたくだろうか。

 大阪は銭湯が多く今でも400円くらいで入れる筈で、サウナや薬湯も備えているから、何が有難いか知らないがそんな高い《温泉》へ、まして《家族連れ》を呼び込もうなんて企画は無謀としか思えない。ここへ来たからには温泉巡り(?)だけでは済まないのだから、まごまごしているとディズニーランドより高くつく。

*JRの高架を挟んでゲートの反対側には太子の交差点がある。ここはもう釜ヶ崎の入り口である。 釜ヶ崎という言葉は差別用語(?)ということで今は《愛隣地区》などと言われたりするが、ホームレスの支援団体ではその方がむしろ差別的ではないかということで、敢て釜ヶ崎という以前からの歴史的地名を踏襲して使用している。

 番組では見張り番という市民オンブズマンの人が市当局を批判するのに、「あそこは乳母車を押して子供連れで安心して通れるような場所ではない。立地が悪い」と平然と言い放って私を驚かせた。 あの人たちは結局そういう自称《お上品な上流市民たち》の代表なのかとがっかりしたわけだが、考えてみると私が関西へ来た当初も「《地下鉄動物園前》だけは(ガラが悪いから)行くな!」とご丁寧に忠告してくれた人もいたのだった。

*ところで、もはや死に体のフェスティバルゲートだが、そこを拠点に定期的なライヴ活動をしている風変わりなミュージシャンのグループに一度会ったことがある。上の方の階に彼らが自由に(?)使える部屋(スペース?)があるという話だった。また別の人には詩の朗読会をやはりフェスティバルゲートのどこかでやるから来てくれと誘われたが、料金が¥3,000と高かったので行かなかった。

*それで思い出したがフェスティバルゲートの409《ココルーム》というところを拠点に広汎な活動をしている「上田伽奈代=かなよ(←漢字が出ない。本当はカの字は暇の偏が人偏という字)」さんという詩人がいる。ここ→だから興味のある人は寄ってやって下さい。

*バブルの時代、国中が熱病に罹ったように浮かれて「東京の土地を全部売ればその金でカナダ一国が買える」などと自嘲していたのだから、そのツケはやはり全ての人で払わなければならないだろう。単に役人たちのみが愚かだったわけではない。774兆円もの借金は政府役人だけで作ったわけではない。

*「大阪市はもしこれが民間だったらとっくに破産している」とはよく言われることだ。
「植木鉢から世界が見える」ではないが「フェスティバルゲートから日本が見える」とも言えそうである。
*リンク先に田中康夫長野県知事のサイトを追加したので、まだの人どうぞ。


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2 コメント

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残念です・・・ (差異)
2006-08-22 16:59:29
久しぶりに大阪に旅行にきてフェスティバルゲートへいったのですがなんとも残念な光景でした。

いっさいこんなことになるとは思いもしませんでした。
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コメント御礼。 (goodmiwatya)
2006-08-22 22:54:40
それはお気の毒でした。どこの自治体もそうかも知れませんが、大阪の箱物はことごとく失敗しています。「そんなものを作ってもゼネコンが潤うだけじゃないか」と批判すると「いや末端の土木作業員にも雇用機会が生じるんだ」という反論が返って来ますが、孫受け~曾孫受けの彼らは過酷なピン撥ねの結果、最後は数千円の日当に甘んじることを強いられ、仕事が終われば再び食うや食わずやの生活に舞い戻ることを余儀なくされるようです。
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