二宮読売販売(佐崎新聞店)は、こうして佐崎徹哉と青山Mというコンビ
が新聞店を経営することになった。二人は新聞作業にはそれほど関心が
なく現場にはまったくと言っていいほど出ない。汚れ作業や重労働など現
場の店員にまかせておけばいいといった態度である。労務や品質管理もま
るでわかっていない。野口新聞店主・野口久枝とは大違いだ。二人とも
朝8時半か9時に出てきて事務所の机に向かっているのである。とりわけ問
題は主任の青山Mだ。主任というのは現場と店主のあいだを取り持つのが
大きな仕事だが、この元トラック運転手はまったく現場には出ず、ただパソ
コン画面に向かって何やらセコセコとひたすら入力していたのである。後
でわかったが二宮町の住宅地図を造っていたのだ。これには唖然とした、
既成品の一般販売されているものがあり、1万8千円ほどで手に入るというの
に。業務で使用するには必要かつ十分な地図だ。青山Mは自前の住宅地図
に5年ばかりもかかりきりだった。それがおわり手持ち沙汰になると今度は
自分のために勝手に別の仕事を考え出した。パンフ仕立ての無料広告とい
うチラシ作りに没頭するようになった。つまり、ただで不特定多数の会社
広告をつくってやり、読売新聞折り込んで毎月一回配るというのである。
無料サービスなので申し込みはのべつ幕なしである。法律のことはよく知
らないが、これってなんだかの法律や慣習、もしかしたら新聞法みたいな
ものに違背しているのではと勘ぐる。それはともかく実際こんな無料広告
作りを正々堂々とやっているのだ。こんなこと費用対効果という面から考
えても新聞店にとってはこれぽちもなんの価値も意味もありゃしない仕事
だ。すなわち青山という怠惰で狡猾な男は、素人でなんにも知らない佐崎
徹哉が所長であり自分にたいして何も言わないことをいいことに、自分で
勝手に都合のいいを仕事つくりあげ机にへばりついているのが実態である。
仰天したのは、この程度の仕事で50万円という破格な給料を彼はもらって
いるというもっぱらな話だ。元トラック運転手でギャンブルで身をもちく
ずして借金のためにこの地にたどりついた男のこの変わりようである。
競馬などのギャンブルでは負けがこんだが、なんの運命のいたずらか新聞
販売店で主任という地位にありつき、一山あたてしまったということなの
か。もしかしたら野口に借金もまだ完済してないのではないかという疑念
がのこる。
一言でいうと事務所で青山がやっている仕事はアリバイ作りである。それ
を黙認している佐崎徹哉所長は無双のだらしない経営者であり読者にたい
する責任はまぬがれない。けだしこれら二人が商品の品質管理をまったく
してこなかったのは明瞭であるからだ。だが何度もいうようにこれらふた
りを二宮読売の経営者として認定したのは読売本社である。最終的責任は
当然読売にある。このような態度の新聞販売店が東日本大震災に際してな
んだきわだった対策をとらなかったことで購読者にめいわくをかけたのも
事実である。話が長くなったので、そのことはまた今度やって来たときに
話して聞かそう。こういって古株の店員は言葉をきった。