場末の雑文置き場

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戦争責任から目を逸らしたい人たち

2017年01月18日 | 政治・社会

少女像の件に関する報道を見ていると、嫌な気持ちになってくる。私の見た限りでは日本のメディアは大体日本政府寄りの論調で、日本政府はきちんとしていて韓国側が大人げない態度をとっているかのような言い草。自称左寄りの私の両親も、少女像については撤去した方がいいという考えみたい。なんだか悲しいなあ。 

変なプライドで凝り固まってて、元慰安婦の人たちの受けた心の傷について考えもしないか、ものすごく軽視しているんだよな。ひどい場合には、かれらを嘘つき呼ばわり。百田なんかこういう類だけど、日本政府はこれを牽制するどころか逆に権力を与えて承認している。この問題を蒸し返してきたのは日本側じゃないか。
国と国との戦いじゃなくて、人権問題として考えることがどうしてできないのかな。いや、韓国嫌いと人権嫌いの層は被っていそうだからダメか。

なんで日本は加害者のくせにあんなに偉そうな上から目線なのか。なんであんなに被害者意識が強いのか。例えば犯罪の加害者が被害者に「過去のことは水に流すべき」と言ったり、追求される自分こそが被害者、みたいな態度をとってたら最悪じゃないか?

この手の人達は大体国益、国益うるさいけど像があることで被る具体的な不利益ってなによ。むしろ不誠実な態度が日本の評判を落としていて、国益の点から言うならこっちのほうがかなりマイナス。「毅然とした態度」なんて他国の人は評価してくれないよ。

この国が過去になんの汚点もなかったと信じたくて必死な人は結構な割合で存在している。強制連行も南京大虐殺もなかった、みんな捏造で陰謀なんだと。歴史学者の言うことにも耳を傾けない。そうしないと自分が保てないのか? 何か信じたいものがあって、それにすがってしまう感覚はわからなくはない。でもその対象が国で、他者(特に被害者)への攻撃を伴っているところがダメなんだよな。
国を愛するということ自体に私は最近懐疑的だけど、それはそれとして日本を愛せる国にしたいなら、こんな不誠実なことはやめたらいいのにと思う。


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