このドラマについて書こう書こうと思いながら大分遅れてしまった。放送が終わってから一月以上経ってしまって、今さらな感じもするけど、自分にとっては思い出深いドラマだったので、書きたいと思う。
私にとってこのドラマが特別なのは、「熊本バンド」を取り上げてくれたから。これが本当に嬉しくて、彼らが登場すると分かったときは興奮した。
このドラマに出てくる、熊本から出てきた人たちはほとんどが私の血縁者で、そういう意味で親しみを感じる存在だった。といっても、直接の祖先はいなくて、曾祖父母のいとことか兄弟とかその程度だけど。
その中でも特に気になる人だったのが、徳富蘇峰。私の祖父はこの人と付き合いがあって、時々家にお邪魔したりしていたらしい。そして、その人柄を尊敬していたようだ、父の話によると。
蘇峰は何やら歴史上ではそこそこ重要な人物らしいと聞いたけど、知り合いの人に「徳富蘇峰って知ってる?」と聞いても、知らない人がほとんどだった。でも今回、大河の各種感想などを見ていたら、蘇峰はやっぱり有名人で、多少日本史に興味がある人ならみんな知っている程度の人なのだということが分かって嬉しかった。それに今回の大河がきっかけで蘇峰を知ってくれた人もたくさんいると思う。
このドラマを見てモヤモヤしたところも、たくさんあった。そんなに歴史に詳しいわけじゃないから、いつも歴史ドラマを何の疑問もなく見ていたんだけど、今回は「これは違う」「この人はこうじゃない」などいろいろ感じてしまって。史実がどうだとかあまり考えすぎるのはナンセンスだってことはわかってるんだけど。私はこういう感覚を味わうのは初めてだけど、歴史に詳しい人はいつもこんなモヤモヤを感じながら大河ドラマを見ているのかな、と今回思った。
私は蘇峰に親しみを持っているんだけど、でもその蘇峰を目立たせすぎたのが、実は一番の不満だったりする。なんだろう、便利に使われすぎているというか。有名だからとりあえずいろんなところに絡ませておけ、という感じで。
蘇峰こんなに出すくらいなら、その分海老名弾正、金森通倫、小崎弘道の出番を増やしてやれよ。蘇峰はいっそモブでもいいよ。蘆花はいらん。
蘇峰は同志社を中退しているし、日本史の有名人ということじゃなく、「同志社の人」というイメージは、蘇峰よりも海老名弾正や金森通倫のほうがずっと強いんだ、私の中では。このドラマだと、まるで蘇峰が新島襄の一番弟子だったみたいに見えるけど、実際そのポジションだったのって金森通倫じゃない?
蘇峰は他のメンバーより4、5歳くらい若くて、熊本バンドの中ではそんなに影響力なかったと思うんだ。だから、熊本バンドの連中が新島先生に反抗しまくっていたときに、「新島先生の涙に感動した」と言って、みんながこの言葉に動かされるシーンがあったんだけど、これにはちょっと違和感あったかな。こんなガキの言うことなんて一蹴されそうな気がして。