<金曜は本の紹介>
「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか(山本ケイイチ)」の購入はコチラ
この本は、NESTA公認パーソナルフィットネストレーナーで㈱エネックス代表取締役の山本ケイイチさんが、自らの体験を基にして、「トレーニングの原理原則」や「トレーニングの常識・非常識」、「トレーニングがうまくいく人、いかない人」「食事や睡眠」、「トレーニングを成功させる方法」、「筋トレで学ぶ人生の成功者の考え方」などについて、とても分かりやすく具体的に説明した本です。
特に失敗談を交えながら、続けるための工夫、効果を高める食事・睡眠、ジムの活用法なども説明してあり、とてもオススメです!
また、本の構成がとても良いとも感じました。
しかも740円(税抜)と、とても良心的なお値段の本です!
一家に1冊オススメしたい本です。
私は学生の頃パワーリフティングをしていたこともあり、筋トレには長年経験がありますので、この本の内容にはとても納得しました。
とてもオススメです!!
以下はこの本のポイント等です。
・そういうことを何回か繰り返していると、私が、「何のためにトレーニングをするのですか」「何を思ってトレーニングをしていますか」と聞くと、「こういうふうになりたいから」「こういう思いでトレーニングをしている」と、いつも決まった答えが返ってくるようになる。問いに対する答えに一貫性が出てくるのだ。そして興味深いことに、最初の「痩せたい」「健診の数値をよくしたい」といった動機は次第に薄れてきて、「トレーニングをしていると体調がいいのでこの状態を維持したい」「頭が冴えるし、気持ちが前向きになるのでトレーニングを続けたい」といった内容に落ち着いてくる。逆に、トレーニングから2週間も離れていると、理由もなく気持ちが落ち込んだり、トレーニング以外の会社や家のことについても、なんとなく冴えなくて、つまらない人生を送っているような気がしてくる。つまり、トレーニングの目的が、たんに筋肉をつけたり痩せたりすることではなく、健康・仕事・家庭といった、その人のライフスタイル全体に好影響を与えること、言い換えればQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上にまで発展するのだ。
・10歳ぐらいの男子に最も適しているのは、神経系のトレーニングだ。この時期は神経系の適応がとても早いので、サッカーだったら複雑なドリブル練習とかパス回しを練習すると、とても効果が大きい。この時期にしっかり神経系のトレーニングをしていれば、いわゆる「運動神経がいい」人になれるので、その後、何歳になってもスポーツを楽しむことができる。次の段階、だいたい年齢でいうと12歳から14歳ぐらいまでは、持久力トレーニングが適している。心臓とか肺とか、循環器系の機能が向上しやすい時期なので、この時期に走り込みなどのトレーニングをすると、とても効果がある。逆に10歳ぐらいの子どもに走りこみをやらせても、体が適応できないから辛いだけだし、トレーニングの効果も自覚できないから飽きてしまうだけだ。中学生後半ぐらいになると、男性ホルモンの分泌が盛んになって、顔つきや体つきが「男らしい」感じになってくる。この時期が筋トレを始めるのに最適な時期だ。高校生ぐらいでトレーニングを始めると、本当に劇的に変わる。何を食べても脂肪はつかないし、何を食べても筋肉がつく。また、この時期にきちんと筋肉を鍛えておくと、その後、運動をする機会がなく、40歳になってトレーニングを再開したという場合でも、まったくやっていなかった人に比べると効果が出るのが早い。
・失敗する人に共通点があるように、成功する人にも共通点がある。
・目的が明確である
・忍耐力がある
・計画性が高く実行力がある
・情報の選択力が高い
・コミュニケーション能力が高い
・仕組み化が上手い
・では、1日24時間のなかでいつトレーニングをするのが最も効果的なのだろうか。私の経験からすると寝る直前がベストだった。仮に夜の12時に寝るとしたら、11時ごろから始める。いろいろなパターンを試した結果、この時間帯が最も筋力アップの率が高く、集中することもできた。どうして集中できるかというと、1日にやるべきことが全部終わっているので、あとは寝るだけだからだ。逆に私がお勧めしないタイミングは昼の2時から5時くらいまでだ。なぜなら、昼食後のこの時間は誰だって眠い。眠いときに無理やり体を起こしてトレーニングしても、自然の摂理に逆行しているので、密度の高いトレーニングができるとは思えない。また起きぬけすぐ、朝食前の時間もお勧めできない。この時間は目が覚めてからすぐなので、血圧が低い。それに眠っている間は絶食状態だから、エネルギー物質も不足している。そのような状態でトレーニングをすると、かえって筋肉の分解が早まってしまうおそれがある。
・痩せるのが目的なら、体がエネルギー不足の状態にある早朝に運動するのが効果的だ。もともと朝は、血糖値が低く、エネルギー源として血液中の遊離脂肪酸が消費されやすい。この状態で、さらにまた脂肪酸を消費する有酸素運動をすると、体はエネルギー源として蓄えられた体脂肪を積極的に使い始める。これによって体脂肪率が減少する。だから、私はウェイトロスをしたい人には、「朝、軽くアミノ酸とお水を飲んで、それからジョギングしてもいいですよ」という指導をしている。
・まず、筋肉をつくる目的でトレーニングする場合、トレーニング前にごはんやパンなどの炭水化物を食べて、エネルギー源を補給しておくことだ。空腹でトレーニングをすると集中力が低下するし、場合によっては筋肉の分解がかえって早まってしまう。食事をして5時間も6時間もたったところでトレーニングをするのは、時間が空きすぎだ。理想的にはトレーニングの1時間前まで、遅くとも30分くらい前までに、平均的な体格の男性なら、おにぎり1個くらいは食べたほうがいい。そしてトレーニングの時間を通して、500ミリリットル以上は水分を摂るべきだ。できればプロテインも摂ったほうがいい。トレーニングが終わった後にはやはりアミノ酸を摂る必要がある。これは総合アミノ酸がいいと思う。また、筋トレをしている人は通常よりも多くのタンパク質が必要であり、それにともなってビタミンやミネラルなども多めに摂らなければならない。
・いまは非常に多くの種類のプロテイン・サプリメントが簡単に手に入るが、サプリメント選びで一番重要なのは、味や価格ではなく、素材である。安いもののなかには、石油系の原料が使われているものもあるので、注意が必要だ。
・摂取するカロリーの総量を減らさなくても痩せる食べ方がある。それは食事の回数を増やし、できるだけ小分けにして食べることだ。1回に食べる量を少なくすると、多量に食べる場合に比べてインスリンの分泌量が減る。インスリンは、脂肪を体内に蓄える働きに関与する物質である。インスリンの分泌を抑えると、糖質の吸収が穏やかになり、脂肪として蓄積されにくい。だから全体では同じ量でも、回数を分けて食べる方が太りにくいのだ。逆にドカ食いすると、インスリンの量が一気に増えるので、糖質吸収の入り口が広がり、脂肪が蓄積されやすい。相撲取りはそれをねらって、1日2回、まとめてドカッと食うことで、体を大きくしている。理想を言えば8回くらいに分けたほうがいい。
・「寝る子は育つ」という諺どおり、トレーニングを始めたら、睡眠を長めにとる必要がある。統計的には睡眠7時間ぐらいが疾患にかかる率が一番低いと言われているが、トレーニングをしている人はそれ以上眠らないと、その日の疲れがとれない。私の経験から言って、トレーニングをしている人は1日8時間くらい寝るのが理想だ。いろいろなボディビルダーやスポーツ選手と話すと、ほとんどの人が、平均8時間は寝ている。
・睡眠は時間量だけでなく時間帯も重要だ。一般的に日本人は夜の11時~12時と2時~3時に成長ホルモンが最も多く分泌されると言われている。成長ホルモンは、傷ついた筋肉を修復し、疲労を回復させるのに使われる。だからこの時間に寝ていないと、成長ホルモンの分泌が阻害されて、疲労が回復されないまま蓄積されていくことになる。また、成長ホルモンは寝てから30分ぐらいで分泌されるため、ゴールデンタイムの1時間前にはベットに入ったほうがいい。また寝る前3時間以内の炭水化物の摂取は成長ホルモンの分泌を妨げると言われているので、その点も注意が必要だ。
・フィットネスクラブを選ぶには次の順番で検討するとよい。
1 通えるか
2 目的に合った効果的指導は受けられるか
3 施設の手入れ、掃除状況はどうか
・トレーニング開始までのフローチャートは以下のとおり。
1 目的の明確化
2 現状の把握
・身体の現状把握
・環境の現状把握
・スケジュールの把握
3 目標の明確化 →専門家、経験者に相談
・期限(いつまでに?)
・頻度(週何回?)
・具体的数値(どうするか?)
4 仕組みづくり
・パーソナルトレーナーをつける
・一緒にトレーニングする人を探す
・自宅や会社に近いフィットネスクラブに通う
・アウトプットの場を設定する(例えばマラソン大会など)
・周囲に公約・宣言する
・自分にご褒美をあげる(例えば目標達成できたら○○を買う)
5 実行!
・私のこれまでの経験からすると、ウェアのおしゃれを楽しめる人のほうが、トレーニングの効果は確実に上がっている。だから私は、クライアントのモチベーションが最近落ちているなと思ったら、「ウェアでも、替えましょうか?」とか、「シューズを替えましょうよ」などと提案することがある。その結果、またやる気がアップして状況が改善したケースが何度もあった。
・なんといっても、いま、トレーニング界で大流行なのは、「アンダーアーマー」というメーカーのウェアだ。何がいいかと言うと、まず体の動きをまったく邪魔しない。裸でいるのと同じような感覚で、一瞬、着ているのを忘れるぐらいだ。私は寝るときにもアンダーアーマーを着ている。あえて欠点をあげれば、生地が薄いせいか、摩擦に弱く穴が開きやすい。
・ランニングには、やはりクッション性の高いランニングシューズを選ぶべきだ。逆に筋トレにはランニングシューズは不向きだ。クッション性がありすぎて、重たいものを担いだとき体が弾んでしまう。筋トレには、小学生の時に履いた体育館シューズのような、底があまり厚くないものがいい。
・ポイントは、その日の自分の体調や、自分にとってのきつさを覚えているうちに次回のメニューを決めるところにある。プロの私たちでも、ウェイトや回数は覚えていても、きつかったのか、楽だったのかという感覚までは忘れてしまうからだ。
・成功者は周囲の人に対する想像力が働き、場を読んだ行動ができる。スタッフへの接し方も丁寧で、私のような年下の者にも、彼らの方からあいさつをしてくれる。また彼らは、静かに、目立たぬようにトレーニングをするという点でも共通している。どんなに重いダンベルを持ち上げても、これ見よがしな大声を出したりしない。彼らには、ジムは、地位も肩書きも関係ない、素の自分に向き合う場だという自覚がある。だから、自分を変に主張することなく、静かに目立たず振舞うことができるのだ。
・アントノフスキーという医療社会学者は、「首尾一貫感覚」という概念を提唱している。「有意味感」「把握可能感」「処理可能感」の3つの下位概念があり、この感覚を備えた人間は、ストレス対処に長け、健康保持能力が高いと言われている。私がトレーナーとして接してきた成功者たちは、すぐれた「首尾一貫感覚」の持ち主だと思う。「有意味感」は人が生きているうちに遭遇するすべてのことには意味があると思う度合いである。「把握可能感」とは、自分に起る出来事を把握でき、環境に適応できるという感覚である。「処理可能感」は、人生において起きる出来事は、すべて対処可能な経験であると感じられる度合いである。
・精神力そして人間性を高めることと、筋肉を鍛えることはまったくの同列である。「自らの意思で、自らに辛いことを課す」これは精神にも筋肉も共通する、普遍の成長原理なのである。黙々と孤独にマシンに向かう成功者の姿は、そのまま、彼らがビジネスのピンチをいかにタフに乗り越えてきたかを物語っている。筋肉だけではなく、人間性そのものが「超回復」を続けているのが分かる。私は指導をしながらいつも感動せずにはいられない。
<目次>
第1章 筋肉はビジネススキル
筋トレはメンタルに効く
自分本来の輪郭を保つ
鍛えた肉体は金で買えない
最初は俗な目的でいい
2、3ヶ月続けば気持ちが変わる
メンタルタフネスが向上する
歯磨きするように体を鍛える
トレーニング週間は成功者の条件
「できない言い訳」をふっきる手段
自分に対してポジティブになれる
気持ちの切り替えが上手になる
アイディアがどんどん浮かぶ
直感力・集中力が高まる
危機を察知する感覚が鋭くなる
第2章 目的は「続ける」こと
半年続けば半永久的に続けられる
美しい筋肉はすぐにはつかない
人間の体はブラックボックス
他人のケースはあまり参考にならない
どんな動機だと続かないのか
他者からの情報だけに依存する「流行系」
健康診断の直前に駆け込む「メタボ系」
理想と現実の距離が縮まらない「もてたい系」
マイナスからのスタート、「コンプレックス系」
心境の変化を観察してみる
最終的な目的はQOLの向上
効果が出ないからこそ続ける
「やめたい」ときは誰にも訪れる
中断・再開はエネルギーの無駄づかい
第3章 トレーニングの原理原則
「画期的で斬新な方法」なdそうそうない
筋肉を成長させる3条件
原則をマスターすれば成果が上がる
結果を意識して行動せよ-意識性
バランスをとりながら鍛えよ-全面性
常に新しい刺激を与えよ-斬新製
個性に合った方法を考えよ-個別性
やらなければ結果は出ない-SAIDの原則
変化が定着するまで続けよ-継続性
現状維持にも「負荷」が必要
年齢の壁は越えられる
第4章 トレーニングの常識・非常識
筋トレすると体が重くなる?
筋肉をつけると痩せやすくなる?
「カロリーオフ」だったらどんなに飲んでも大丈夫?
有酸素運動をすれば痩せられる?
消費カロリーが増えても痩せない?
なぜヨガやピラティスで痩せられるのか?
なぜ胸の筋肉をつけると痩せられるのか?
有酸素運動をするとシワが増える?
筋肉はなぜ暴走するのか?
女性に筋トレは向かない?
筋肉は何歳まで鍛えられるのか?
中学生が筋トレをしても効果がない?
ピラティスで腹筋が割れるか?
第5章 トレーニングがうまくいく人、いかない人
失敗する人には共通点がある
成功する人は目的が明確
成功する人はスローラーナー
健康診断の数値は改善したが-失敗例1
体重だけを減らしても-失敗例2
ゆっくりペースで目標達成-成功例1
一度に多くを変えようとしない-成功例2
第6章 食事と睡眠の質を上げる
トレーニング効果と生活リズムの密接な関係
時間帯によって効果が異なる
痩せたかったら朝食前に運動する
筋肉をつける食事、痩せるための食事
筋トレ前には必ず炭水化物を
有酸素運動の前後は「食べない」が基本
痩せたかったら4時間おきに食べる
食べ方のバランスを変えれば痩せられる
しっかり寝ないと筋肉はつかない
睡眠にはゴールデンタイムがある
「トレーニング的昼寝」の勧め
第7章 フィットネスクラブ、トレーナーはどう選ぶ?
最優先で検討するのは「通いやすさ」
多様化するフィットネスクラブ
高いフィットネスクラブは質も高いか?
マシンは新しいほうがいいのか?
トラブル対応がちゃんとできるか?
パーソナルトレーナーの費用対効果
パーソナルトレーナーは継続のための「仕組み」
フリーランスか内部スタッフか?
トレーナーの資格から分かること
資格は能力を保証しない
口コミ、紹介は重要な判断材料
体を見ればレベルはすぐ分かる
話し方がしっかりしているか?
まずはトライアルから
契約内容は文書ではっきりと
トレーナーは替えていい
一匹狼のトレーナーはだめ
真剣に選ぶことはクライアントの責任
第8章 できる人のトレーニング
もう一度、目的を明確にする
トレーナーには大いに夢を語るべき
目標設定は正確な現状把握から
病歴、飲んでいる薬は正直に申告する
自分の要求と現実をすり合わせる
トレーニングが成功する仕組みづくり
カッコいい自分をイメージする
ウェアがおしゃれだと効果も高まる
スタイリッシュで機能的なウェアとは?
面白かった本まとめ(2008年)
<今日の独り言>
4歳の鉄道オタクな息子が、念願の東京メトロ「副都心線」に乗って大喜びです。さすがにできたばかりで、副都心線は電車も壁のコンクリートなどもきれいでした。気持ちがいいですね。
「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか(山本ケイイチ)」の購入はコチラ
この本は、NESTA公認パーソナルフィットネストレーナーで㈱エネックス代表取締役の山本ケイイチさんが、自らの体験を基にして、「トレーニングの原理原則」や「トレーニングの常識・非常識」、「トレーニングがうまくいく人、いかない人」「食事や睡眠」、「トレーニングを成功させる方法」、「筋トレで学ぶ人生の成功者の考え方」などについて、とても分かりやすく具体的に説明した本です。
特に失敗談を交えながら、続けるための工夫、効果を高める食事・睡眠、ジムの活用法なども説明してあり、とてもオススメです!
また、本の構成がとても良いとも感じました。
しかも740円(税抜)と、とても良心的なお値段の本です!
一家に1冊オススメしたい本です。
私は学生の頃パワーリフティングをしていたこともあり、筋トレには長年経験がありますので、この本の内容にはとても納得しました。
とてもオススメです!!
以下はこの本のポイント等です。
・そういうことを何回か繰り返していると、私が、「何のためにトレーニングをするのですか」「何を思ってトレーニングをしていますか」と聞くと、「こういうふうになりたいから」「こういう思いでトレーニングをしている」と、いつも決まった答えが返ってくるようになる。問いに対する答えに一貫性が出てくるのだ。そして興味深いことに、最初の「痩せたい」「健診の数値をよくしたい」といった動機は次第に薄れてきて、「トレーニングをしていると体調がいいのでこの状態を維持したい」「頭が冴えるし、気持ちが前向きになるのでトレーニングを続けたい」といった内容に落ち着いてくる。逆に、トレーニングから2週間も離れていると、理由もなく気持ちが落ち込んだり、トレーニング以外の会社や家のことについても、なんとなく冴えなくて、つまらない人生を送っているような気がしてくる。つまり、トレーニングの目的が、たんに筋肉をつけたり痩せたりすることではなく、健康・仕事・家庭といった、その人のライフスタイル全体に好影響を与えること、言い換えればQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上にまで発展するのだ。
・10歳ぐらいの男子に最も適しているのは、神経系のトレーニングだ。この時期は神経系の適応がとても早いので、サッカーだったら複雑なドリブル練習とかパス回しを練習すると、とても効果が大きい。この時期にしっかり神経系のトレーニングをしていれば、いわゆる「運動神経がいい」人になれるので、その後、何歳になってもスポーツを楽しむことができる。次の段階、だいたい年齢でいうと12歳から14歳ぐらいまでは、持久力トレーニングが適している。心臓とか肺とか、循環器系の機能が向上しやすい時期なので、この時期に走り込みなどのトレーニングをすると、とても効果がある。逆に10歳ぐらいの子どもに走りこみをやらせても、体が適応できないから辛いだけだし、トレーニングの効果も自覚できないから飽きてしまうだけだ。中学生後半ぐらいになると、男性ホルモンの分泌が盛んになって、顔つきや体つきが「男らしい」感じになってくる。この時期が筋トレを始めるのに最適な時期だ。高校生ぐらいでトレーニングを始めると、本当に劇的に変わる。何を食べても脂肪はつかないし、何を食べても筋肉がつく。また、この時期にきちんと筋肉を鍛えておくと、その後、運動をする機会がなく、40歳になってトレーニングを再開したという場合でも、まったくやっていなかった人に比べると効果が出るのが早い。
・失敗する人に共通点があるように、成功する人にも共通点がある。
・目的が明確である
・忍耐力がある
・計画性が高く実行力がある
・情報の選択力が高い
・コミュニケーション能力が高い
・仕組み化が上手い
・では、1日24時間のなかでいつトレーニングをするのが最も効果的なのだろうか。私の経験からすると寝る直前がベストだった。仮に夜の12時に寝るとしたら、11時ごろから始める。いろいろなパターンを試した結果、この時間帯が最も筋力アップの率が高く、集中することもできた。どうして集中できるかというと、1日にやるべきことが全部終わっているので、あとは寝るだけだからだ。逆に私がお勧めしないタイミングは昼の2時から5時くらいまでだ。なぜなら、昼食後のこの時間は誰だって眠い。眠いときに無理やり体を起こしてトレーニングしても、自然の摂理に逆行しているので、密度の高いトレーニングができるとは思えない。また起きぬけすぐ、朝食前の時間もお勧めできない。この時間は目が覚めてからすぐなので、血圧が低い。それに眠っている間は絶食状態だから、エネルギー物質も不足している。そのような状態でトレーニングをすると、かえって筋肉の分解が早まってしまうおそれがある。
・痩せるのが目的なら、体がエネルギー不足の状態にある早朝に運動するのが効果的だ。もともと朝は、血糖値が低く、エネルギー源として血液中の遊離脂肪酸が消費されやすい。この状態で、さらにまた脂肪酸を消費する有酸素運動をすると、体はエネルギー源として蓄えられた体脂肪を積極的に使い始める。これによって体脂肪率が減少する。だから、私はウェイトロスをしたい人には、「朝、軽くアミノ酸とお水を飲んで、それからジョギングしてもいいですよ」という指導をしている。
・まず、筋肉をつくる目的でトレーニングする場合、トレーニング前にごはんやパンなどの炭水化物を食べて、エネルギー源を補給しておくことだ。空腹でトレーニングをすると集中力が低下するし、場合によっては筋肉の分解がかえって早まってしまう。食事をして5時間も6時間もたったところでトレーニングをするのは、時間が空きすぎだ。理想的にはトレーニングの1時間前まで、遅くとも30分くらい前までに、平均的な体格の男性なら、おにぎり1個くらいは食べたほうがいい。そしてトレーニングの時間を通して、500ミリリットル以上は水分を摂るべきだ。できればプロテインも摂ったほうがいい。トレーニングが終わった後にはやはりアミノ酸を摂る必要がある。これは総合アミノ酸がいいと思う。また、筋トレをしている人は通常よりも多くのタンパク質が必要であり、それにともなってビタミンやミネラルなども多めに摂らなければならない。
・いまは非常に多くの種類のプロテイン・サプリメントが簡単に手に入るが、サプリメント選びで一番重要なのは、味や価格ではなく、素材である。安いもののなかには、石油系の原料が使われているものもあるので、注意が必要だ。
・摂取するカロリーの総量を減らさなくても痩せる食べ方がある。それは食事の回数を増やし、できるだけ小分けにして食べることだ。1回に食べる量を少なくすると、多量に食べる場合に比べてインスリンの分泌量が減る。インスリンは、脂肪を体内に蓄える働きに関与する物質である。インスリンの分泌を抑えると、糖質の吸収が穏やかになり、脂肪として蓄積されにくい。だから全体では同じ量でも、回数を分けて食べる方が太りにくいのだ。逆にドカ食いすると、インスリンの量が一気に増えるので、糖質吸収の入り口が広がり、脂肪が蓄積されやすい。相撲取りはそれをねらって、1日2回、まとめてドカッと食うことで、体を大きくしている。理想を言えば8回くらいに分けたほうがいい。
・「寝る子は育つ」という諺どおり、トレーニングを始めたら、睡眠を長めにとる必要がある。統計的には睡眠7時間ぐらいが疾患にかかる率が一番低いと言われているが、トレーニングをしている人はそれ以上眠らないと、その日の疲れがとれない。私の経験から言って、トレーニングをしている人は1日8時間くらい寝るのが理想だ。いろいろなボディビルダーやスポーツ選手と話すと、ほとんどの人が、平均8時間は寝ている。
・睡眠は時間量だけでなく時間帯も重要だ。一般的に日本人は夜の11時~12時と2時~3時に成長ホルモンが最も多く分泌されると言われている。成長ホルモンは、傷ついた筋肉を修復し、疲労を回復させるのに使われる。だからこの時間に寝ていないと、成長ホルモンの分泌が阻害されて、疲労が回復されないまま蓄積されていくことになる。また、成長ホルモンは寝てから30分ぐらいで分泌されるため、ゴールデンタイムの1時間前にはベットに入ったほうがいい。また寝る前3時間以内の炭水化物の摂取は成長ホルモンの分泌を妨げると言われているので、その点も注意が必要だ。
・フィットネスクラブを選ぶには次の順番で検討するとよい。
1 通えるか
2 目的に合った効果的指導は受けられるか
3 施設の手入れ、掃除状況はどうか
・トレーニング開始までのフローチャートは以下のとおり。
1 目的の明確化
2 現状の把握
・身体の現状把握
・環境の現状把握
・スケジュールの把握
3 目標の明確化 →専門家、経験者に相談
・期限(いつまでに?)
・頻度(週何回?)
・具体的数値(どうするか?)
4 仕組みづくり
・パーソナルトレーナーをつける
・一緒にトレーニングする人を探す
・自宅や会社に近いフィットネスクラブに通う
・アウトプットの場を設定する(例えばマラソン大会など)
・周囲に公約・宣言する
・自分にご褒美をあげる(例えば目標達成できたら○○を買う)
5 実行!
・私のこれまでの経験からすると、ウェアのおしゃれを楽しめる人のほうが、トレーニングの効果は確実に上がっている。だから私は、クライアントのモチベーションが最近落ちているなと思ったら、「ウェアでも、替えましょうか?」とか、「シューズを替えましょうよ」などと提案することがある。その結果、またやる気がアップして状況が改善したケースが何度もあった。
・なんといっても、いま、トレーニング界で大流行なのは、「アンダーアーマー」というメーカーのウェアだ。何がいいかと言うと、まず体の動きをまったく邪魔しない。裸でいるのと同じような感覚で、一瞬、着ているのを忘れるぐらいだ。私は寝るときにもアンダーアーマーを着ている。あえて欠点をあげれば、生地が薄いせいか、摩擦に弱く穴が開きやすい。
・ランニングには、やはりクッション性の高いランニングシューズを選ぶべきだ。逆に筋トレにはランニングシューズは不向きだ。クッション性がありすぎて、重たいものを担いだとき体が弾んでしまう。筋トレには、小学生の時に履いた体育館シューズのような、底があまり厚くないものがいい。
・ポイントは、その日の自分の体調や、自分にとってのきつさを覚えているうちに次回のメニューを決めるところにある。プロの私たちでも、ウェイトや回数は覚えていても、きつかったのか、楽だったのかという感覚までは忘れてしまうからだ。
・成功者は周囲の人に対する想像力が働き、場を読んだ行動ができる。スタッフへの接し方も丁寧で、私のような年下の者にも、彼らの方からあいさつをしてくれる。また彼らは、静かに、目立たぬようにトレーニングをするという点でも共通している。どんなに重いダンベルを持ち上げても、これ見よがしな大声を出したりしない。彼らには、ジムは、地位も肩書きも関係ない、素の自分に向き合う場だという自覚がある。だから、自分を変に主張することなく、静かに目立たず振舞うことができるのだ。
・アントノフスキーという医療社会学者は、「首尾一貫感覚」という概念を提唱している。「有意味感」「把握可能感」「処理可能感」の3つの下位概念があり、この感覚を備えた人間は、ストレス対処に長け、健康保持能力が高いと言われている。私がトレーナーとして接してきた成功者たちは、すぐれた「首尾一貫感覚」の持ち主だと思う。「有意味感」は人が生きているうちに遭遇するすべてのことには意味があると思う度合いである。「把握可能感」とは、自分に起る出来事を把握でき、環境に適応できるという感覚である。「処理可能感」は、人生において起きる出来事は、すべて対処可能な経験であると感じられる度合いである。
・精神力そして人間性を高めることと、筋肉を鍛えることはまったくの同列である。「自らの意思で、自らに辛いことを課す」これは精神にも筋肉も共通する、普遍の成長原理なのである。黙々と孤独にマシンに向かう成功者の姿は、そのまま、彼らがビジネスのピンチをいかにタフに乗り越えてきたかを物語っている。筋肉だけではなく、人間性そのものが「超回復」を続けているのが分かる。私は指導をしながらいつも感動せずにはいられない。
<目次>
第1章 筋肉はビジネススキル
筋トレはメンタルに効く
自分本来の輪郭を保つ
鍛えた肉体は金で買えない
最初は俗な目的でいい
2、3ヶ月続けば気持ちが変わる
メンタルタフネスが向上する
歯磨きするように体を鍛える
トレーニング週間は成功者の条件
「できない言い訳」をふっきる手段
自分に対してポジティブになれる
気持ちの切り替えが上手になる
アイディアがどんどん浮かぶ
直感力・集中力が高まる
危機を察知する感覚が鋭くなる
第2章 目的は「続ける」こと
半年続けば半永久的に続けられる
美しい筋肉はすぐにはつかない
人間の体はブラックボックス
他人のケースはあまり参考にならない
どんな動機だと続かないのか
他者からの情報だけに依存する「流行系」
健康診断の直前に駆け込む「メタボ系」
理想と現実の距離が縮まらない「もてたい系」
マイナスからのスタート、「コンプレックス系」
心境の変化を観察してみる
最終的な目的はQOLの向上
効果が出ないからこそ続ける
「やめたい」ときは誰にも訪れる
中断・再開はエネルギーの無駄づかい
第3章 トレーニングの原理原則
「画期的で斬新な方法」なdそうそうない
筋肉を成長させる3条件
原則をマスターすれば成果が上がる
結果を意識して行動せよ-意識性
バランスをとりながら鍛えよ-全面性
常に新しい刺激を与えよ-斬新製
個性に合った方法を考えよ-個別性
やらなければ結果は出ない-SAIDの原則
変化が定着するまで続けよ-継続性
現状維持にも「負荷」が必要
年齢の壁は越えられる
第4章 トレーニングの常識・非常識
筋トレすると体が重くなる?
筋肉をつけると痩せやすくなる?
「カロリーオフ」だったらどんなに飲んでも大丈夫?
有酸素運動をすれば痩せられる?
消費カロリーが増えても痩せない?
なぜヨガやピラティスで痩せられるのか?
なぜ胸の筋肉をつけると痩せられるのか?
有酸素運動をするとシワが増える?
筋肉はなぜ暴走するのか?
女性に筋トレは向かない?
筋肉は何歳まで鍛えられるのか?
中学生が筋トレをしても効果がない?
ピラティスで腹筋が割れるか?
第5章 トレーニングがうまくいく人、いかない人
失敗する人には共通点がある
成功する人は目的が明確
成功する人はスローラーナー
健康診断の数値は改善したが-失敗例1
体重だけを減らしても-失敗例2
ゆっくりペースで目標達成-成功例1
一度に多くを変えようとしない-成功例2
第6章 食事と睡眠の質を上げる
トレーニング効果と生活リズムの密接な関係
時間帯によって効果が異なる
痩せたかったら朝食前に運動する
筋肉をつける食事、痩せるための食事
筋トレ前には必ず炭水化物を
有酸素運動の前後は「食べない」が基本
痩せたかったら4時間おきに食べる
食べ方のバランスを変えれば痩せられる
しっかり寝ないと筋肉はつかない
睡眠にはゴールデンタイムがある
「トレーニング的昼寝」の勧め
第7章 フィットネスクラブ、トレーナーはどう選ぶ?
最優先で検討するのは「通いやすさ」
多様化するフィットネスクラブ
高いフィットネスクラブは質も高いか?
マシンは新しいほうがいいのか?
トラブル対応がちゃんとできるか?
パーソナルトレーナーの費用対効果
パーソナルトレーナーは継続のための「仕組み」
フリーランスか内部スタッフか?
トレーナーの資格から分かること
資格は能力を保証しない
口コミ、紹介は重要な判断材料
体を見ればレベルはすぐ分かる
話し方がしっかりしているか?
まずはトライアルから
契約内容は文書ではっきりと
トレーナーは替えていい
一匹狼のトレーナーはだめ
真剣に選ぶことはクライアントの責任
第8章 できる人のトレーニング
もう一度、目的を明確にする
トレーナーには大いに夢を語るべき
目標設定は正確な現状把握から
病歴、飲んでいる薬は正直に申告する
自分の要求と現実をすり合わせる
トレーニングが成功する仕組みづくり
カッコいい自分をイメージする
ウェアがおしゃれだと効果も高まる
スタイリッシュで機能的なウェアとは?
面白かった本まとめ(2008年)
<今日の独り言>
4歳の鉄道オタクな息子が、念願の東京メトロ「副都心線」に乗って大喜びです。さすがにできたばかりで、副都心線は電車も壁のコンクリートなどもきれいでした。気持ちがいいですね。