秋麗(あきうらら)

うーちゃんの節約日記です。
不思議だなと思う心、いつまでも忘れずにいたいな

さくら

2006-03-27 | 日々是好日
大阪城の指定の桜が花をつけたそうで、明日気象庁の人が確認されたら、大阪の開花宣言となるそうです。さくらといって真っ先に思い浮かべるのがこの画像の桜です。1955年春、51年前の桜です。

1996年に近くの公民館で、コラムを書くという講座がありました。
第1回目、講師の細見先生は、当時産経新聞論説委員だったと思いますが、即興でお題を出されました。
桜という題で、20分で原稿用紙1枚、その場で書き上げます。

初めての体験でドキマギしているうちに時間は刻々と…
とっさに思い出したのがこの桜です。

その時数十人の参加者の中を巡回しておおられた先生が、講評の時間になって私を指名され、以下のコラムを皆の前で読み上げました。

わざわざこの場でご披露するのもお恥ずかしい限りですが、話のついでに。

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実家の向かいに祖母の本家があり、その門の脇にそれは見事な桜の木があった。大きく広がった枝ぶりは実に堂々としていて、春になって花をつけ始めると、道行く人は皆足をとめて見入ったものだった。

ここの当主の大伯母が、他には例を見ないほどのケチで有名だった。三人姉妹の一番上で、婿養子をとり、一子をもうけたあとすぐ離縁。お嬢様学校であった帝塚山で家政科を教えていた。

だから贈り物、付け届けは多く、留守の折には我が家で預かるのが常だった。後で届けると、きれいな菓子箱を見せてくれるだけで、中身のおすそ分けはなかった。庭になる柿やイチジクの実でさえくれなかった。

そのシブチンの大伯母が、自分では損得勘定のできない桜の花見を、道行く人すべてに施すのは皮肉なものだった。

晩年それすらももったいなく思えたのか、毛虫の始末が大変と木を切ってしまった。その後みるみるうちに弱り96歳で他界した。

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この文の中に出てくる一粒種の跡継ぎは、すでに70歳を超えられ、つい最近もともちゃんのブログ時々見てますとメールくださいました。

これ読まれたら気を悪くされるかなとちょっと気にもみましたが、半世紀近く前の話なんだもん、許されるよね。

6 コメント

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今日私も桜の開花を見ました (ミミー)
2006-03-28 00:00:47
 今日私も、職場の中庭の樹齢何十年かの桜の大木を、3階の渡り廊下から見下ろしたら、いくつか咲いていました。金曜日は蕾固しという状態だったのに。

 某老舗ホテルの「桜デリバリープラン」というのを予約して、淀川沿いの桜の満開を見ようと思ったのですが、2人で34000円(朝食付き)で、庶民としては高いのですが、一生にいっぺん、泊まりがけで、桜に浸りたいと思って予約したのに、今日インターネットで調べたら、プランの名前は少し変えて、食事なしになっているものの、2人で19000円になっていた!取り消しはもうできないので、34000円の方やめて、19000円にしてくれと言われないのです。きっと締め切りが終わって、空室があったので、ダンピングしたのでしょう。早期に予約したものとしては、釈然としない気持ちです。どっかのマンションでもこんなことあったような。

 いいホテルですが、今後おそらく2度と行かないでしょう。
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さっきの間違いの訂正 (ミミー)
2006-03-28 00:06:47
さっき「桜デリバリープラン」と書いたのは、「桜デリバティプラン」でした。せめて当日晴れますように。
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Unknown (おざさ)
2006-03-28 09:22:39
☆ミミーさん

桜ノ宮にある帝国ホテルは、大川沿いの桜がきっと見ごたえあると思います。桜ノ宮って名前がついてるぐらいですもんね。



しかし値下げの件は悔しいですね。

この前の九州ツアー、JTBは7,000円値下げしてくれましたし、すでに入金済みの人はちゃんと振り込んでくれたそうですよ。

いちど問い合わせてみたらどうですか?
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Unknown (おざさ)
2006-03-28 09:28:59
小さい女の子は1歳半のおざさですです。

となりのおじいさんは、母方の祖父です。

このあと数年して他界しましたから、この写真が最後で懐かしいものです。

50年経ってセピア色に変わりましたが、昔の白黒写真ってその色の変化まで郷愁感を呼び覚ましますね。
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やはり… (ミミー)
2006-03-28 12:43:38
 やはり写真の可愛いお嬢ちゃんはおざささんでしたか。見る人に懐かしさを感じさせる写真ですね。辛いことも子供なりにあった昔ですが、今となってはかけがえのない大切な時代ですね。家族がしっかり結ばれていた時代、もう日本人が取り返せないものでしょうか。

 「帝国ホテル」ってしっかり書かれてしまいましたね。隠していても、さすが大阪の人にはまるわかりでしたね。でもあのプランは3月15日以降は取り消しできない条件なのです。ここは潔く(心中は「いさぎわるく」ですが)あきらめます。

 大伯母様もその時代の女性として、きっとある意味で潔い生涯を送られたのだと思いますが、桜の木を切られなかったらよかったのにね。桜の木と御生涯を共にされたのでしょうか。桜は「大和心」とか「男の生き様」とかたとえられますが、私には日本の女の生き方のように思えてなりません。おざささんや私も含めて。
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よく古い写真を (草津の百姓)
2006-03-28 22:55:26
古い写真よく残しておられますね。

このかわいい女のこがおざささんですか。

小さくて判らないけど、このころはみんなおかっぱでしあもんね。この叔父さんこのころでブレザー、なんとかっこよかったのですね。
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