――鳩山首相筆頭に頼りない民主党に衆・参両院過半数のお恵みを――
舛添“お騒がせ中年”が昨21日に記者団に離党して新党を結成すると言い出した。たった2日前の19日の福岡市の講演で、「私は『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない」と言いながら、その舌の根が乾かないうちの2日後に新党だと言う。講演では「私の政治のやり方は、何か言ったときには、水面下で5割以上が固まったときだ」と言っていたとマスコミが伝えていたが、「水面下で5割以上が固まっ」ていたにも関わらず、「私は『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない」と言っていたことになる。
あるいは逆に、「私は『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない」と言っておきながら、その言葉に責任を持たずに二日後には「新党を作る」と言うその胡散臭さ。
言っていることが信用できないとなると、すべてが胡散臭い発言と化す。
発言の胡散臭さからも分かるように、新党、新党と言って谷垣自民党執行部に揺さぶりをかけていた舛添“お騒がせ中年”がその効果もなく、結局は揺さぶり倒すことができないまま、「オオカミ中年だ」、「ガン細胞だ」、「離党勧告せよ」と逆に揺さぶられたのは桝添本人で、揺さぶり負けして居場所をなくし、党の外に出るしかなかった胡散臭い経緯を辿った新党結成といったところではないのか。
《舛添氏、23日新党結成へ=自民離党、6人確保の公算》(時事ドットコム/2010/04/22-00:18)
現職国会議員6人の確保と明23日の新党結成の方針を伝えている。その6人の顔ぶれとは、自民党矢野哲朗前参院国対委員長(63歳)、現職の参議員議員でありながら公認から洩れて自民党を離党し無所属となった小池正勝(58歳)、自民党と国会で統一会派を組む参議院改革クラブから渡辺秀央(75歳)、荒井広幸(51歳)、今季限りで引退を表明している山内俊夫(63歳)の計5人、そしてご本尊の舛添要一(61歳)を合わせた6人。
桝添“お騒がせ中年”(川崎市内で記者団に)「詰めの作業を行っている。わたしが党首だから『舛添新党』だ」
この「詰めの作業」とは「水面下で5割以上」固めた後の「詰め」ということだろうし、そうでなければならない。
だとしても、わざわざ自分から「わたしが党首だから『舛添新党』だ」と、当たり前のことなのに「新党」であることを自ら宣言しなければならないのは、本人の中で「新党」を感じさせない何かがあったからではないか。誰の目にも十分に「新党」を感じさせる新鮮さや衝撃的出現を見せていたなら、自分の方から「桝添新党だ」と言う必要はなかったろう。
では、何が「新党」を感じさせないかと言うと、顔ぶれ以外にあるまい。自民党、元自民党の面々にしても、そして参議院改革クラブの面々にしても、年齢的にということだけではなく、立居振舞い・言動の若さ、清新さの点でも「新党」というまっさらな包装紙にくるむには賞味期限切れの感がなくはなく、少々引け目を感じさせる面々だからだ。
このことを桝添“お騒がせ中年”は意識下に感じ取っていて、つい自分から「わたしが党首だから『舛添新党』だ」と自分を前面に出さざるを得なかったのだろう。
記事は、〈さらに自民党議員に参加を呼び掛けて10人程度での旗揚げを目指す〉と書いているが、今後の取組みであって、「私の政治のやり方は、何か言ったときには、水面下で5割以上が固まったときだ」の発言に反するだけではなく、公認漏れ離党等のそれぞれが置かれている状況からすると、本家本元の自民党からの参加がいくら統一会派を組んでいるとは言え、実質的な数の点で、いわばまともな状況にある数から言うと、他党の改革クラブよりも後れを取っていて、これからだというのは、「わたしが党首だから『舛添新党』だ」と胸を張ったとしても、今まで新党、新党と騒いでいた程の“新党”ではないと言わざるを得ない。
要するに谷垣執行部に揺さぶりをかけることが目的の中身のない“新党”であった上に揺さぶり負けして追い詰められて離党、慌しく新党結成へと動いたことから、さしたる中身を詰め込むことができなかった、舛添“お騒がせ中年”の“お騒がせ”がそっくりそのまま中身に現れた「桝添新党」の実際の姿といったところではないのか。
それが参議院改革クラブの賞味期限切れの面々となって現れ、自民党議員へのこれからの参加呼びかけという局面となって現れているのだろう。
もしかすると、そのようなお粗末な中身を少しでも補って国民の目を引くべく持ちかけた橋下大阪府知事や東国原芸人知事への政策提言であった可能性もある。
記事は桝添“お騒がせ中年”の記者会見に先立つ講演での次のような発言を伝えている。
「どんなことをしても(参院選で)民主党の過半数は許さない。大きなねじれを参院でつくって、そこから先は政界再編もあり得る」
自民党の頭数を狙って果たすことができず、新党を立ち上げることで少数を握りはするが、いくら改革だ、改革だと叫んだとしても、政治の世界では政策の実現可能性は頭数に従う関係上多数を必要として、今度は政界再編を利用した頭数に頼る以外、存在証明を果たすことができない場所に自分を追いつめた。
そして記事は最後に書いている。
〈新党が乱立する中で、「第三極」として一定の主導権を確保できるかは不透明だ。〉――
そんなことはあるまい。何と言っても、「わたしが党首だから『舛添新党』だ」の中身から言っても、“オオカミ中年”の“お騒がせ”を中身とした思考様式・行動様式を党全体で受け継ぎさえすれば、国民の「次に首相にしたい政治家」としての期待はますます高まるに違いない。
自民党内“オオカミ中年”であったときも“お騒がせ”発言の効果著しく、「次に首相にしたい政治家」ではトップの支持率を集めていたのだから。
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