安倍晋三の加計学園獣医学部新設申請「今年の1月20日に知った」はウソを事実に見せかける過剰否定の典型

2017-07-25 13:03:09 | 政治

 安倍晋三が7月24日(2017年)の加計学園安倍晋三政治関与疑惑の衆議院閉会中審査で午前中、民進党の大串博志の質問に加計学園理事長加計孝太郎の獣医学部新設申請を知ったのは「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議の構成員の応募」に事業主体として加計学園が獣医学部新設を応募申請し、その申請が正式に決定した2017年1月20日だと答弁した。    

 それまでは30年来の腹心の友でありながら、一度も宜しくと頼まれたこともないし、安倍晋三自身も知らないでいたと答弁している。文飾は当方。
 
 民進党の大串博志は安倍晋三と加計孝太郎が2013年11月18日から2016年12月24日までにゴルフをしたり、食事をしたりして分かっているだけで14回も会っている。表に出ない回数を含めたら、もっと会っているかもしれないと、両者を極くごく親しい間柄であることを見せておいてから、次のように質問している。

 大串博志「改めてお伺いいたしますけども、これらの話の中で一度も、一度もですね、加計理事長との間で、先程は頼まれていないとおっしゃいましたが、加計理事長がこの獣医学部新設を願い出るということは話題にものぼらなかったのでしょうか」

 安倍晋三「先程ご答弁致しました通り、加計さんとは政治家になるずっと前からの友人関係です。しかし、彼が私の地位や立場を利用して、何かを成し遂げようとすることは一度もなかったわけであります。

 そこで彼はチャレンジ精神を持った人物であり、時代のニーズに合わせて新しい学部や学科の新設に挑戦していきたいという趣旨のお話は聞いたことはございますが、しかし今まで彼も様々な学部・学科を作ってきたわけでありますが、そういうことも含めて具体的にですね、何かを今、作ろうとしている。ですから、今回で言えば獣医学部をつくりたい。さらには今治市にといった話は、一切ございませんでした」

 場内から「えー」の声。

 大串博志「加計理事長は一度も獣医学部を作りたいということを、申請しているということを安倍総理に言わなかったということを今言われましたが、総理は加計理事長ですね、構造改革特区にも十数回、ずっと獣医学部新設の申請をされています。あるいは2年前から国家戦略特区に移行して申請をされていまる。

 総理は加計理事長がその獣医学部新設に対して特区に於いて申請をされているというふうに知られたのはいつですか」

 安倍晋三「構造改革特区について加計理事長は申請していたわけでござます。安倍政権に於いてもですね、4回申請をされ、民主党政権の最後に申請をされ、その判断をしたのは安倍政権であったのも入れるとですね、5回でございますが、5回ともですね、我々は事実上認めていないわけございます。

 そこでですね、この構造改革特区については説明がございますが、いわば事実上認めない・・・、十数種のですね、申請がございますが、ございますが、認めていないものでございますので、私はそのときにですね、説明は受けていないものでございます。

 ですから、その加計学園の申請が正式に、この認められた、あー、国家戦略特区諮問会議に於いて、私が知るところに至ったわけでございます」

 大串博志「あのー、正確にお答えください。いつですか」

 安倍晋三「ま、これはですね、1月の20日に加計学園の申請が正式に決定したわけでございます」

 大串博志「もう一度お尋ねします。加計学園が申請しているということを今年の1月に認められたときに初めて知ったということですか」

 安倍晋三「先程申し上げましたようにですね、私は知り得る立場にはあったわけでございますが、しかしそのことについてのですね、具体的な説明は私にはなかったわけでございます。今、知った時期については今申し上げた通りでございます」

 大串博志「総理ね、本当に加計理事長が申請をした、獣医学部新設を申請したこと自体を知ったのが1月の末だとおっしゃるのですか。俄にはね、信じられないですよ。と言いますのは、去年の秋以降、国家戦略特区諮問会議、23回から24回、25回、総理がね、総理が出席している会議ですよ。

 総理が出席している。その間にワーキンググループも開かれて、各関係人からヒアリングをするんですね。その結果も含めて、諮問会議で、総理のいるところで議論をされているんです。

 俄に信じ難い。そこでもう一度お答えください。いつ、いつ、いつですね、総理が加計学園の理事長が申請されたということを総理の頭の中で認識されたのはいつですか」

 安倍晋三今回の議論は今治市ということで議論されていました。事業者はその段階で決まっていないわけです。その観点から、先ほど申し上げました通りです」

 大串博志はもうここでいつ知ったのかという質問をやめるべきだった。だが、延々と続けて、延々とかわされることになった。

 要するに安倍晋三が言っていることは、構造改革特区や国家戦略特区に事業新設の申請をしても、政府側が認めなかった場合は安倍晋三のところにまでその新設に関わる具体的な内容は上がってこないから、加計学園が過去15回獣医学部新設を申請したとしても、それがどのようなものか知りようがないし、しかも「今治市ということで議論されていた」ために今治市が規制改革のどのような事業を想定していたか把握することができなかった、だから、2017年1月20日の国家戦略特区諮問会議で「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議の構成員の応募」に加計学園が事業主体として獣医学部新設の応募申請を行い、その申請が正式に決定した時点で知ることになった。

 安倍晋三の加計孝太郎の会話は第三者には記録という証拠が存在していない以上、窺い不可能である。存在している証拠は安倍晋三が出席している諮問会議の議事録と言うことになる。

 だとしたら、安倍晋三の論理を崩すためには議事録を駆使するしかない。

 駆使せずに同じ質問を続けるから、ほぼ同じ答弁を獲物とすることになる。

 大串博志「申請を知ったのはいつですか。ぜひ答えてください」

 安倍晋三「あの、先程答弁をさせて頂いたところでございますが、いわば今回の申請は、あー、今治市ということで、の議論になって、国家戦略特区ははその議論でございます。

 そこでいわば事業者を議論される段階でいわば決まっていないけでございます。この観点からいわば、先程申し上げましとおりでございます」

 安倍晋三は次のようにも答弁している。

 安倍晋三「ま、この国家戦略特区諮問会議に於いてはまさに、その国家戦略特区制度についてはですね、これは自治体、自治体がこれは申請するわけであります」

 自治体が申請する制度で事業者が申請する制度ではないから、今治市が申請しているのは知っていたが、まさか加計学園が獣医学部新設を申請しているとは知らなかったと言う論理となっている。

 午後になって民進党の玉木雄一郎が「いつ知ったのか」を午前中の大串博志を引き継ぐ形で追及している。

 玉木雄一郎は東大法学部卒の48歳。安倍晋三がどうとでも体裁の良い自己都合の答弁で応えると考えもせずに「内閣支持率が低下をしている。なぜ低下していると考えるか」などと時間のムダとなる愚にもつかない質問から始めた。

 安倍晋三の体のいい答弁に対して玉木雄一郎は、「依怙贔屓と全省庁を挙げた隠蔽体質。この2つではないか。これまでと説明の丁寧さが変わらないなというのが正直な印象です」などと言って、自身の印象をテレビ中継を通して広く広めようと試みたようだが、広めることに成功したとしても、安倍晋三の政治関与を暴くことに成功しなければ、安倍晋三のクビを繋ぐことになって、前者の成功は殆ど意味をなさないことになる。

 当然、加計学園獣医学部新設認定に於ける安倍晋三の容疑を殺人事件の法廷に立った検事のように容疑から犯罪そのものに昇格させる追及一点に絞るべきだが、そのことに気づかずに容疑の周りをウロウロするだけの追及になっている。

 玉木雄一郎「午前中の質問に関していくつかよく分からないところがありましたので先ず一点確認したいと思います、一番私が驚いたというか、納得できないのなと思ったのは、総理がですね、加計学園の加計理事長と何度も何度も食事やゴルフをしているという話の中で、1月20日、今年の1月20日になるまで、まあ、申請していたことを知らなかったという話がありました。

 本当かなあーと思いますが、これ獣医学部を作りたいという意思はですね、加計学園が持っていたことは、もうずっと総理もご存知だったと思いますが、本当に今年の1月20日になるまで加計学園が、加計理事長が特区で獣医学部を作りたいという意図を持っていたとも知らなかったということでよろしいでしょうか」

 安倍晋三「それはその通りでございます」

 「えー」という声ががる。

 玉木雄一郎「いや、総理、午前中にですね、小野寺議員からですね、構造改革特区でありますけれども、15回、ずうっと、構造改革特区に獣医学部新設を加計学園は求めてきた。

 全部跳ねられたわけですね。構造改革特区では民主党政権も含めて。で、第2次安倍政権になってからも、数え方にもよりますけでも、5回、15回の内5回はですね、第2次安倍政権ができてから、構造改革特区で獣医学部の新設を申請してきているんですよ。

 それでも総理、今年の1月20日になるまでですね。獣医学部を作りたいという思いがあること自体、全く知らなかったということで宜しいでしょうか。もう一度」

 安倍晋三「これはもう午前中答弁させて頂いたところでございますが、構造改革特区につきましてはですね、安倍政権になりまして、5回、そのうち1回は野田政権で申請されて、安倍政権で結論を出しているわけですが、その5回とも認めていないわけでございます。
 
 いわば、数十のこれは構造改革特区があるわけでございます。5、6の構造改革特区がこれ認められていないわけです。その内の1つでございますので、その点については説明を受けていないのでございます」

 質問も午前中の質問の引継ぎで、答弁も午前中の引き継ぎとなっていて、本質的には何も変わらない。

 玉木雄一郎「うん?説明を受けていない。腹心の友と言われるお友達ですよね。それはご自身がお認めになっていて、で、構造改革特区で獣医学部の申請をですね、15回やっている方と10何回ゴルフ、食事をしててですね、全くその話が出ないというのはですね、テレビをご覧の皆さんも、『本当かねー』と思っていると思いますよ。

 真摯な説明を本当に答弁されているのかと思います。因みに、実はですね、昨年9月9日に国家戦略特区諮問会議が開かれています。議長は総理です。総理ご自身がご出席をされております。麻生大臣はそのときは欠席で、副大臣が出席をしています。

 そのときに何が議題になったかというとですね、これ色々とですね、まあ、議案になっているんですが、残された岩盤規制改革の断行、重点6分野の推進ということがですね、議論になってまして、国家戦略特区の今後の進め方と言うことで、まあ、八田座長初めとしてですね、そこが文書出しているわけですね。

 その中にこれからこういうことをやっていかなければいけないという中の6番目に獣医学部の新設が明記をされ、資料だけかと思ったが、議事録を読んでみまましたらですね、明確に9月9日、総理出席の上で、えー、八田さんからですね、例えば『獣医学部の新設は人畜共通の病気が問題になっていることから見て極めて重要だ』と、発言まであるんですね。

 で、15回も構造改革特区での申請をされておられるということ、そして9月9日にですね、総理が出席した会議で獣医学の話がきちんとプレゼンテーションされている中でですね、今年の20日になるまで、1月20日になるまで、全くそういう意図が加計さんになかったなんて俄に信じられませんよ、これは。

 総理、じゃあ、お約束頂きたいのですが、もしですね、総理が何らかの形で、前から加計理事長が獣医学部を作りたいと、特区で作りたいという意図がですね、もしあったということ、もし総理が知っていたことが何らかの形で分かったら、総理、責任を取って辞任をされますか」

 安倍晋三「あのー、この問題については、私と加計氏がですね、友人であったから何らかの指示、あるいは働きかけがあったのだろうという議論でございました。ま、しかし、第1次政権ができたときにもですね、先ほど加戸守行前愛媛県知事がお話をされたように今治市が働きかけをしていたわけですが、全く対応していないわけでございます。

 そのときも私は加計氏とは友人でござます。そして第2次政権ができて、今玉木委員がおっしゃったように5回申請しているわけでありますが、事実上5回とも却下しているのが事実でございます。

 いずれにせよ、知っていようが知っていまいがですね、私がですね、私が便宜を図るということはないわけでありますし、そしてこの件につきましてはですね、私は加計さんからは新しいこの時代のニーズに応えて新しい学部やですね、この学科の新設にチャレンジしていきたいという気持ちはいつも持っているというお話は聞いた、大体そうした趣旨の話は聞いたことがあります。

 しかし同時にですね、彼はこれまで友人関係である間にですね、様々な学部を新設をしてきたわけでございますが、その際に私に具体的にこういうことを作っていきたいという話をしたことは1回もないでわけでありますし、勿論依頼をしたことは全くないわけであります。私はこれを正直に申し上げており、その上に於いて総理大臣としての職責を今後も果たしていきたいと、こう考えているところでございます」

 「知っていようが知っていまいがですね」という発言は微妙である。「1月20日まで知らなかった」を軌道修正に転ずるのかと思ったが、そうではなかった。

 玉木雄一郎「今の答弁が偽りであれば責任は取られますか」

 安倍晋三「いつも私はですね、ここでご発言させていただくことについては常に総理大臣として責任を持って答弁させていただいております」

 玉木雄一郎「責任を持って答弁されているのはその通りだと思います。今の答弁がですね。虚偽答弁であったと後に分かった場合には責任を取られますか。そのことを聞いております」

 安倍晋三「これおは森友学園の問題について、私がそういう趣旨の答弁をしたところでございますが、それによって本来政策の問題が議論される場が変化してしまったという批判を随分浴びたわけでございます。

 いずれにせよ、いずれにせよ、私がですね、この場に於いては正直に事実に基づいて正直にお話させて頂いているところでございます」

 答弁のし直し

 安倍晋三「私はですね、常にこの国会に於いてですね、総理大臣としての責任を以って、答弁をさせて頂いているところでございます」

 キリがないから、以下省略。玉木雄一郎は「今の答弁が偽りであれば責任は取られますか」と言っているが、「偽りであれば」は仮定に過ぎない。「偽り」であっても偽りであることを証明できなければ、単なる疑惑で終わって、責任にまで波及することは先ずない。

 証明できないままに仮定で責任を迫っても、大串博志の安倍晋三の支持率低下について尋ねたときと同じように体のいい答弁しか返ってこないと前以って考えることもできないようだ。

 2015年12月15日の安倍晋三が出席している第18回国家戦略特別区域諮問会議で愛媛県今治市は国家戦略特区に3次指定されている。この時も加計孝太郎から安倍晋三に何の挨拶もなかったことになる。

 2015年12月15日の「第18回国家戦略特別区域諮問会議」を見てみる。     

 石破茂進行役「法第30条第1号及び第3号の規定により、国家戦略特区の指定及び区域方針について御審議をいただきますが、前回の諮問会議やワーキンググループの議論を踏まえた案をお示しいたしております。国家戦略特区の第3次指定の対象となる区域といたしまして、広島県及び愛媛県今治市、千葉県千葉市、福岡県北九州市の3地域を考えております。

    ・・・・・・・

 (今治市は)ライフサイエンスなどの新たに対応すべき分野における獣医師系の国際教育拠点の整備については、6月の改訂成長戦略に即して行います」

 要するに今治市は国家戦略特区を利用した事業の一つに「獣医師系の国際教育拠点の整備」を考えていた。だが、安倍晋三は今治市が考えている「獣医師系の国際教育拠点」の事業主体がどのような大学なのか、あるいはそのような研究を掲げたどのような企業なのか、あるいはどのような研究機関そのものなのか、誰にも聞かなかったし、安倍晋三自身も気にも留めなかったことになる。

 玉木雄一郎は2016年9月9日の第23回国家戦略特区諮問会議での有識者議員の八田達夫の発言を取り上げているが、実際は「重点6分野ごとに、高い優先事項で実現する『センターピン・プロジェクト』の候補を次ページにつけました」という表現で岩盤規制を打ち破る優先事項として挙げた6分野の一つとして「獣医学部の新設」に言及しているが、今治市の名前は誰も出していない。
 
 だとしても、「第18回国家戦略特別区域諮問会議」の続きで、「獣医学部の新設」は今治市の国家戦略特区指定に基づく事業だと関連付けなければならない。当然、この段階に至っても、「獣医学部の新設」の事業主体が如何なる組織なのかを考えも気に留めもしなかった。

 安倍晋三は「今回の議論は今治市ということで議論されていました。事業者はその段階で決まっていない」と答弁しているが、今治市の背後には既に事業実施主体が存在していたのである。

 今治市の背後に既に事業実施主体が存在していなければ、「獣医学部の新設」の提案も、「獣医師系の国際教育拠点の整備」の提案もできない。

 だが、安倍晋三はそこまでは考えず、気に留めもせずに議長席に座って、耳を傾けていたことになる。

 2016年10月4日の第24回国家戦略特区諮問会議では「今治市」と併行して「獣医師養成系大学・学部の新設」の文言が出てくる。     

 山本幸三「先月21日に今治市の特区の分科会を開催し、『獣医師養成系大学・学部の新設』などについても議論いたしました。

 これまでの報告等について、有識者議員より御意見ございますでしょうか」

  (「異議なし」と声あり)

 山本幸三「ありがとうございました。

 それでは、速やかに認定の手続きを行います。また、共同事務局についても、有効に活動させていただきたいと思います」

 相変わらず満足な議論も行わずに単なる承認機関に成り下がっている。

 そして安倍晋三ヨイショ男八田達夫民間有識者議員。

 八田達夫「最後に、先ほど今治市の分科会での話が出ましたので、ちょっとそれについて、この民間人ペーパーから離れますが、私の意見を申し述べさせていただきたいと思います。

 今治市は、獣医系の学部の新設を要望しています。『動物のみを対象にするのではなくてヒトをゴールにした創薬』の先端研究が日本では非常に弱い、という状況下でこの新設学部は、この研究を日本でも本格的に行うということを目指しています。さらに、獣医系の学部が四国には全くないのです。このため、人畜共通感染症の水際対策にかかわる獣医系人材の四国における育成も必要です。

 したがって、獣医系学部の新設のために必要な関係告示の改正を直ちに行うべきではないかと考えております」

 ここに至っても安倍晋三は国家戦略特区諮問会議の議長でありながら、今治市が計画している獣医師系養成大学の事業主体がどこなのか頭に浮かべも考えもしなかった。

 そして「現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う」と地域条件の変更を「資料3」の案で示して、同じく議論を殆んどせずにまるで既定方針であったかのように「異議なし」で決めた2016年11月9日の「第25回国家戦略特別区域諮問会議(議事要旨)」      

 ここでは「今治市」という言葉は出てこないが、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」と地域条件を変更している以上、どのうような地域に限定した変更なのか出席者の誰もが認識していなければ、いくら承認機関に成り下がっていたとしても「異議なし」とはすることができない。

 認識していないままに「異議なし」としたなら、これ程の無責任はない。子どもの会議になってしまう。諮問会議議長の安倍晋三に対しても同じ指摘がされることになる。

 今治市と加計学園は2007年から2014年まで計15回、連携して獣医師の定員増の規制の地域解除を提案してきた。そして2015年6月4日、両者は第2次安倍政権が進めたアベノミクスの成長戦略の柱「国家戦略特区」に「国際水準の獣医学教育特区」を提案した。そして2015年12月15日の「第18回国家戦略特別区域諮問会議」で愛媛県今治市は国家戦略特区に指定された。

 つまり今治市の背後に獣医学部新設の事業実施主体を加計学園に置いていなければ、国家戦略特区に関わるワーキンググループも諮問会議も獣医学部設置の議論を進めることはできなかったはずだというのが結論となる。

 だが、その議論の中に安倍晋三は今治市の背後に加計学園を獣医学部新設の事業実施主体として考えることも、気に留めることもなく諮問会議の議長の役目を果たしていた。

 この疑問を解くには、事実とすることはできなウソを無理して事実と見せかけるためについつい言葉に過剰な否定を装わせてしまう過剰否定の典型と見る他はない。

 安倍晋三は今年の1月20日まで加計学園が獣医学部新設の申請を知らなかったとすることで、加計孝太郎から安倍晋三の「総理のご意向」で獣医学部新設を認定して欲しいと頼まれはしなかったとしたかったのだろうが、安倍晋三と加計孝太郎の実際の会話は記録に残っていないだろうから、そのように見せかけることはできたとしても、ワーキンググループのヒアリングや諮問会議の議論は記録が残っていて、議論の記録を見れば一目瞭然、「何も知りませんでした」は、土台無理な話となる。

 策士、策に溺れるといったところか。

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