安倍晋三の加計学園獣医学部新設認定政治的関与を証明する7月27日号「週刊文春」報道山本幸三発言

2017-07-21 10:34:23 | 政治

 2017年7月19日付「文春オンライン」が、内閣府規制担当大臣の山本幸三が獣医学部新設を巡る問題で安倍晋三が2017年1月20日に今治市の国家戦略特区への獣医学部新設の事業主体に加計学園岡山理科大学を正式に認定する2カ月前の2016年11月17日に日本獣医師会本部を訪問して、加計学園に決まったことを告げたと2017年7月27日号「週刊文春」をソースに報じている。  

 記事には会合日時、場所、山本幸三の発言が画像で記載されている。文飾は当方。

 山家幸Ξ内閣府特命担当大臣(地方創生、行政改革)との意見交換の概要(抜粋)

 日時:平成28年11月17日(木)9時22分~10時08分
 場所:(公社)日本獣医師会役員室
 出席者:山本幸三大臣.近藤貴幸大臣秘書室
 当方:・蔵内勇夫会長、北村直人政治連盟委員長、酒井健夫副会長、堺専務
 酒弁健夫I会長.壇寡麹

(山本)誠に申し訳ないが、獣医師が不足している地域に限って獣医学部を新設することになった。財政的に大丈夫か、待ったをかけていたが、今治市が土地で36億円のほか積立金から50億円、愛媛県が25億円を負担し、残りは加計学園の負担となった。 

 先端のライフサイエンスに重点を置いて、創薬に役立てる。実験動物学分野の獣医師は不足しているのでごれに重点を置く。四国は、感染症に係る水際対策かできていなかったので、新設することになった。申し訳ない。

 今治市と加計学園は連携していたのだから、「今治市」の名前を出すだけで加計学園と言ったも同然だが、加計学園の名前まで出して、安倍晋三が正式に決定する2カ月前に山本幸三は内々で決まっていたことを示したことになる。

 勿論、山本幸三はこのような発言を否定するだろう。「週刊文春」の報道に対して山本幸三は7月20日、内閣府で記者団の質問に答えているが、その発言全文を2017年7月20日付「産経ニュース」が伝えている。  

 その中から、二、三取り上げてみる。

 山本幸三「11月17日の獣医師会との会合ですけれども、私から『広域的に獣医学部が存在しない地域に限り新設を認めることになり、パブリックコメントを始めることになった。申し訳ないがご理解いただきたい』と発言いたしました。これに対して獣医師会側はそれは当然、四国の今治と決めつけた言いぶりで対応しておりました。私は獣医師会の言い分をずっと、前半は聞いていたところであります。したがって、記事で会合の概要というのが出ていますが、この獣医師会側の思い込みと、私の発言を混同したものでありまして、正確ではありません」

 山本幸三「四国に決まったという発言は全くしていません。向こう側が当然そうだろうという風に思い込んで、いろいろ発言していましたが、私はじっと聞いていて、それで最後に京都産業大からも提案があるのでその可能性もありますよといったところ、そりゃ困るということで、進めるなら今治市だけと明記してほしいという発言が向こうからありました」

 自分は四国に決まったという発言は全然していないが、獣医師会側が「四国の今治と決めつけた言いぶりで対応」しただけだと相手側の思い込みからに過ぎないとしている。

 記者「山本大臣から加計や今治ということは発言したのか」

 山本幸三「加計というのは一切ありません。私はその点は十分注意していて、用意した文書でも事業実施主体という言い方で徹底しています。それを先方がそういう風に思い込んだということでしょう」

 これが「問うに落ちず語るに落ちる」というヤツである。加計学園の「か」の字も決まっていなかったなら、名前を出す出さないといった「点は十分注意」する必要はない。注意しなくても、「加計学園」などという名前は出てきようがないはずだからだ。山本幸三が今の年齢でできるかどうか分からないが、逆立ちしたって出てこない。

 「用意した文書」で、「事業実施主体という言い方で徹底」させる用心も必要としない。その時点では何しろ白紙と言うことになっていて、「事業実施主体」という言い方しかないはずだからだ。

 頭の中はまっさらの白紙が占めていたわけではなく、既に“加計学園ありき”の事実が占めていたから、加計学園という名前を出さないように「その点は十分注意」しなければならなかったのであり、「用意した文書」で、「事業実施主体という言い方で徹底」させる用心が必要であったということでなければならない。

 もし山本幸三が獣医師会との会合で実際に加計の名前も今治市の名前も口に出していなければ、「私は名前は言ってません。悪意ある中傷です。まだ決まっていなかったのに名前の出しようがない」と言えば片付く。

 ところが、名前を出したとされていることを否定するために名前を出さないように徹底して注意したといった趣旨のことを言わなければならない。この矛盾は否定出来ないことを否定しようとする心理が過剰に働いたときに起きる。

 以前ブログで、〈ウソつきが自分がついたウソ(=事実ではない話)をウソではない(=事実)と思わせるようとするとき、元々は事実へと変えようがないウソ(=事実ではない話)だから、ウソではない(=事実)と思わせるためについつい余計なことまで言って多くの言葉を費やし、ウソではないと見せかけた事実をつくり上げる。〉と書いて、このような原理から安倍晋三が時として長々とした答弁行うといったことを書いたが、山本幸三の場合は言葉自体は短くても、短い言葉の中に事実を話しているなら、そのような体裁を取ることはないはずの否定のための過剰な反応がそれ程意識しないままに自ずと言葉に出てしまったからだろう。
 
 いくら言葉で名前を出していませんと否定しても、ウソつきがウソではないことついつい過剰に否定してしまうように過剰な否定を装いとする言葉となってしまったことが実際は名前を出していたことの証明となる。

 山本幸三は記者に「大臣側にメモはあるのか」と問われて、近藤貴幸秘書官がメモを取っていたと答えたものの、記者に「メモを出すことはあり得るのか」と重ねて問われると、「メモっていうものではないからね」と早くも出さねいことに決めている意思表示の言葉を吐いていた。

 その意思表示は7月20日の民進党の会合での内閣府担当官の発言が決定づけることになった。「メモを取っていたものの、保存していない」ことを明らかにしたと7月20日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えている。     

 もし山本幸三が獣医師会の会合で今治の名前も加計学園の名前を出していなければ、「メモが残っているか秘書官に聞いてみる」ぐらいのことは言うはずである。名前を出さなかったことの有力な物的証拠となるだけではなく、安倍晋三政治的関与容疑の無実を証明する一助にもなるからである。

 だが、そういった利益を選択せずに逆に出さないことで、7月24日月曜日に2回目の開催が決まった加計学園疑惑に関わるが閉会中審査で山本幸三は追及の矢面に立たされる不利益が待ち構えることになる。

 勿論、「名前は一切出していない」の否定一点張りで押し通すのは目に見えているが、メモを残していなかったことが安倍晋三政治関与疑惑を一層深めかねない不利益と合わせても相当な不利益となるのにそれでも利益を取らずに不利益の方を選択するというのは、実際は名前を出していたことの間接証拠となる。

 山本幸三の過剰な否定を装いとする言葉と言い、疑惑を深めることになる不利益の選択と言い、この2点を合わせただけで安倍晋三が総理大臣として2017年1月20日に今治市の国家戦略特区への獣医学部新設の事業主体に加計学園岡山理科大学を正式に認定する2カ月前に既に加計学園の名前が出ていたことを証明して余りある。

 安倍晋三の政治的関与という力学が介在していなければ2カ月前に名前が出ることはない正式外の決定であろう。

 この一事だけではない。安倍晋三の政治的関与を窺わせるその他の発言、文書、メール等が存在する。閉会中審査で予想される敵側の言葉を駆使した否定、否定の弾幕を如何に突き破って、安倍晋三の政治的関与の正体を掴むことができるかは否定の言葉をどう見破るかの野党の能力にかかっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする