去年の暮れからたくさんの蕾をつけた
野ボタンが咲き出しました
山へ行ってる間に咲かないでねと
何度も言い聞かせた甲斐があり
昨日から咲き出したのです
遠い遠い昔
もうセピア色になってしまったが
私にもこんな「時」があった
固い蕾は恥じらいに頬を染めて・・・
それでも自分の意志は強く
やがて学校を出た私は
父の反対を押し切って
22歳になったばかりで結婚しました
苦労の末やっと長男に恵まれ
その時から
私の運命はまるで線路が切り替わるように
幸せの駅に向かったのです
二人の娘も授かり
最強の家族が出来上がりました
一日花のこの花のように
短い命ではなく
しおれながらも生きていたいから
散り際の写真は写しません
今はもうこんな輝きはないけれど
残りの人生
無色透明で
きらめきを忘れず
明るく前を向いて歩き続けたい
今年も去年と同じことを
年頭に刻み付けました
あまりに美しい野ボタンが
花を添えてくれました
自分のためはもう充分だから
これからは人の喜びを見ながら暮らしていこう
少しお手伝いが出来ればいいな